表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/27

弱い奴ほど、強さに憧れる

 「△△(注、私の苗字)!

コイツを止めてくれよ!」


 このキャプテンの一言で、

その場に居た全員の視線に、

私は曝されてしまった。

バスケットの試合をしていたのだから、

十人位いたか?


 皆、敵を見る様な目で、私を見ている。


 何も悪い事をしていないのに。


 話はズレるが、

【集団的自衛権】に賛成しちゃう人って、

子供の時に弱っちかったんだよな。

だって、

日本なんて、

世界第三位の経済大国で、

かつては、

世界で最も発展していた国なんだぜ。


 小国の争いに巻き込まれるのに決まっているだろ!


 私なんか、

どれだけ無関係の争いに引き摺り込まれた事か!


 現に、

どうでも良い湾岸戦争でさえ、

日本は、

九千億円も支払わさせられたじゃないか!


 しかも、

現実の世の中では、

大国の利権誘導のために、

小国同士で小競り合いを演じさせられている。

現在の日本は、

一応、巻き込まれる立場だが、

このままのペースで【衰退】して行くと、

ニ〜三十年後には、

下っ端に成り下がり、鉄砲玉を任される事に。


 まっ! その時、私は、この世に居ないから、

関係無いけど。


 話を戻すと。


 私は、

周囲の視線に耐えられ無かった。

傍観者で居たかったのに。


 そこで、私は、保身に走った。

キャプテンを見捨てて。


 「▲▲(注、キャプテンの苗字)!

今は、バスケットの試合中だ。

バスケットをやれ!」


 私が、そう言うと、

厳しい視線が一瞬にして消え、

全員が大きく溜息を吐き、

無関心になった。

笑顔が戻り、

何事も無かった様に、

各人が、思い思いの事をし始めた。

『特徴の無い人』でさえ、

キャプテンへのタックルを止めてしまった。


 誰にも相手にしてもらえなくなったキャプテンは、


 「理解ったょ!

バスケットをすれば良いんだろ!

その代わりに、

試合後は、

俺が何をしようが、

誰にも文句は言わせないぜ!」


 この言葉にさえも、

反論する人間がいなかった。


 何で? 全てが私の肩にのしかかるんだよ?


 いきなり、

勝手に全権を委任されても、

迷惑なんですけど。


 この時、私は、よっぽど嫌そうな顔をしていたんだろうね?

『どうやって? 日本を衰退国に変えたのか? 〜 教育編』の第十六話で書いた、

高校生の私に求人の依頼をした開業医の息子が、

慰めに来た。


 なんか? 

私がキャプテンにイジメられた?

みたいな扱いになって。


 大体さぁ、

『特徴の無い人』が、

しゃしゃり出て来たのだから、

正義の味方に全権を御願いすれば、

良いじゃんね!


 その『特徴の無い人』だが。


 その後、

やはり高ニの時、

高校全体で映画を観に行った事が有った。

『二十歳○原点』を。

宇○宮女子高を、

自殺で有名にした作品だ。


 映画を観終わって、

自殺した主人公を、私がボロ糞に貶したら、

それを、

真剣な表情で、

『特徴の無い人』は、聴き続けてくれた。


 それからニ〜三年後に、

彼は自殺したそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ