「『ぬう坊』がイジメられている!」 (10)
「『ぬう坊』をイジメるな!」
私が怒鳴り飛ばすと、
クラスの、ほぼ全員が、
座席に座り、下を向いて、黙っていた。
でも、
(イジメてるのは、お前じゃねぇか!)
内心では、皆から、そう思われている事を、
私は、
理解していた。
普段の行動が悪過ぎた。
特にセクハラが。
ただ、
面と向かっては、誰も私に文句を言え無いだけで。
本当! ネットの無い時代で良かったよ!
話はズレるが、
この時代には、
ネトウヨどころか、
素人の右の人も居ない。
陰でコソコソ、、リアルが充実している人の足を引っ張れないからね。
でも、
暴走族を二十歳くらいで引退して、
右翼に就職する人は、
居た。
プロ右翼に成れば、暴力団にも対抗出来たからね。
なにしろ、
彼等の後ろには、公○が控えている。
話を戻すと、
私には、
他人のイジメを糾弾する資格が無かった。
そこで、
【新自由主義的】な【自己責任論】を展開した。
主にセクハラの被害者様に向って。
「俺のやる事に文句が有るのなら、
俺と闘って、『勝てば良い』じゃねぇか?」
この『勝てば良い』は、
私の口癖だ。
「人間は皆、平等に生まれて来ているんだ!
男も女も関係ない!」
セクハラ被害者様を念頭に置いて。
確かに、
この時の私と、素手で闘って勝てる女性は、
実在する。
吉田沙○里とかね。
話は、また、ズレるが、
これが、無茶苦茶非現実的だって事を、
第十三話で書いたセクハラ被害者様は、
気付いていなかった可能性が有る。
彼女は、
学年で1or2を争う程の、
高い身体能力の持ち主だったからね。
この後、
高校ヘ行って、
スポーツを本格的に始めれば、
『どんな分野でも、中学校で一番なんて、誰でも取れる成績』だって事を、
嫌と言うほど、
知らされる。
でも、
その前だったからね。
【新自由主義】的な【自己責任論】を信じちゃぅ人って、
『どんな分野でも、中学校ですら一番が取れ無い』人が多い。
話を戻すと。
「でも、
『ぬう坊』には、
それが出来ない。
だから、『ぬう坊』だけは、イジメては、ならない!」
今、考えると、
『ぬう坊』に失礼な事を言った様な気がする。
あの時は、
『ぬう坊』を知的障害者だと思っていたんだけど。
あの頃は、
発達障害なんて知らなかったから、
(何を言っても、『ぬう坊』は理解しない)
と、
高を括っていた。
たぶん彼は、
知能が高く、私の言葉に傷付いていたんじゃないかな?
話は、またズレるが、
この時代は、
発達障害とか、表面化しなかったんだ。
それは、
暴力で調教されていたからね。
動物でも、
暴力で調教されれば、人間の言う事を聞く様になる。
その動物よりも知能が高い人間は、
確実に調教の成果が出る。
医学生だった時に、
英文だったか? ドイツ語だったか? 忘れてしまったが、
こんな内容の洋書を、
大学の授業で読んだ事が有る。
言葉すら覚えられ無い発達障害の子供に、疲れ果てた実の親が、
キレて、
我が子を殴ってしまった。
そしたら、
その子が、
生まれて初めて、
親の言う事を聞いた。
その事実に一筋の光明を見出した両親は、
何でも、暴力で教え込んだ。
その結果、
その子供は、
言葉を完全に理解する様に成り、
日常生活には支障を来たさない程に成長した。
その後、
この治療法は流行したが、
もちろん、現代では、
否定されている。
話を戻すと。
私は、
自分に都合が良い事だけを演説すると、
その教室から出て行った。
自己満足して。
そして、
そのまま勉強した。




