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第624話 からかわれてます




お兄様が罪人魔導士を連れて王宮を後にした。

一応見送りに行こうかと思ってたら、ラファエルとお兄様に「部屋から出ないでよろしい!」と、声を揃えて言われてしまったため、部屋で待機だった。

まだまともに門まで歩けないから当然だけれども…

抱えてもらっていく方が問題だらけだ。

なにより恥ずかしいし…

ちなみにガイアス・マジュとリーリエ王女は王宮で待機。

万が一にも逃がされたから困るからって。

その辺は2人共分かってると思うけど…


「………ソフィア」

「え?」

「何考えてるの?」


現在ラファエルに手を握ってもらって歩行練習中。

頭の中で1人回想してて上の空だったらしい。


「ごめん」

「謝って欲しいんじゃなくて、何を考えてたのかが知りたいんだけど?」

「あ、うん。罪人達がちゃんと働けるのかなって。だって今まで魔法で何でもしてきたんだろうし、肉体労働――自分の手で作物なんて育てないだろうし…」


確かあそこも大半はサンチェス国からの輸入品で生活してたはずだし。

同盟国ではないけれど。

畑とか耕してたとしても、全部魔法で解決してるだろうし。

鍬持って、とかは絶対にないだろう。


「ああ、だろうね。だから相当苦労するはずだよ。罰だしね」

「1日で筋肉痛凄そう…」

「体格からして違うじゃん? 腕とかポッキリ折れそうだよね~」


………彼らの腕、見たの?

私はローブ姿しか見てないから分からないけれど、あの魔導士ストーカーは巨体だったから、腕も太いと思うけれど…

筋肉はついていないって感じ?

私はチラッとラファエルの腕を見る。

ラファエルはすらりとしたモデル体型だけど、二の腕とか引き締まってるんだよね…

………ぁ、思い出したら顔が赤くなりそうだからやめよう。


「俺の腕気になる?」


気づかれてた!?


「ぁ……ごめんなさい…」

「別に怒ってないよ? 俺は鍛えてるからあんな細くない。ソフィアの好みじゃない?」

「っ……!?」


ど、ドキドキするぐらいには好みですけれども何か!?

カァッと一気に顔が真っ赤になっちゃったと思う。

かなり顔が熱い。


「ふふっ。よかった。好みなんだ?」

「そ、それはっ…!」


恥ずかしくて思わず手を離そうとしたけれど、ラファエルが放してくれないから手が繋がれたままだ。


「時々袖まくったときにソフィアに見られてるなぁ、とは思ってたんだよね~」


気付いてたの!?

あわあわと狼狽えてしまう私を見て、嬉しそうに笑うラファエル。

………くそぉ…

絶対に面白がられてるっ!!


「来年にはランドルフ国も袖が短い服が着られるかもしれないから、見放題だね?」

「ラファエル、私をからかって楽しい!?」

「うん」


そ、即答されてしまった!!

むぅ…と思わず頬を膨らませてしまう。

確かに着られるかもしれないけれど!!

でも…


「ら、ラファエルの腕――肌を見ていいのは、私だけにしたいのに…」


ボソボソと口を尖らせて呟く。

またラファエルを好きになるが増えちゃうじゃない!


「うん。短い袖は今後もなしだな。提案する前で良かった」

「………へ?」


なんかラファエルが言ったような気がするけれど聞き逃してしまった。

反らしてた顔を戻し、ラファエルを見上げると、ラファエルは嬉しそうに笑っていた。


「どうしたの?」

「ん? 可愛いソフィアの我が儘だもん。短い袖は今後も提案しないし、もし流行しても俺は着ない。ソフィアの前だけで見せるよ」

「………ぇ……」


さっきのラファエルに聞こえてたんだ…!?

かぁっとまた顔が赤くなる。


「あ、今袖まくっとこうか?」

「け、結構ですっ!!」


集中できないでしょ!?

思わず叫んでしまうと、ラファエルが楽しそうに笑った。

真面目にリハビリ手伝ってよぉ!!

私はラファエルにからかわれながら、リハビリしてたのだった。


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