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第615話 徐々に削られる




出席しろと言われて断った会議の様子を精霊を通して見ていた。

やはりあの魔導士ストーカーも出席してたわね。

やっぱり行かなくて良かった。

会議も無事終わったようで、ラファエルが私の部屋に来るみたいだった。

精霊との繋がりを切ろうとしたときだった。

ふとラファエルと目が合った気がする。


「………」


まさか…n


『ソフィア、即刻止めないとお仕置きするよ』


ビクッと飛び上がり、慌てて切った。


「な、なんでバレるの!?」

「姫様?」


ベッドに横になったままバチッと目を開いて叫んでしまった。

そのせいで、ソフィーに怪訝な顔をされたけれども。

ドキドキする胸を押さえ、ゆっくりと起き上がる。


「夢見が悪かったですか?」

「………うん」


そういうことにしておこう。

あのラファエルの目は、悪夢と匹敵するかもしれないし。


「軽いお食事を召し上がりますか?」

「………え?」

「もうお昼も近い時間ですから」


そんなに会議に時間がかかったっけ…?

スムーズに進んでいたと思ったけど…


「ラファエルが戻ってきて一緒に食べてもいい?」

「姫様はベッドから出たらダメですよ」

「分かってる。でも病人じゃないから病院食みたいなのは止めてね」


キリッといい顔で言えば、ソフィーに苦笑される。


「畏まりました。アマリリスにラファエル様と同じ物を作るように伝えてきますね」

「うん。ラファエルが戻るまでもう少し眠っていることにする」

「はい」


ソフィーを見送り、また横になった。


「………ぁれ…」


さっきよりなんだか身体が怠い…?

眠れそうな、眠れなさそうな、モヤモヤした感じがする。

それでも目を閉じて眠る努力をするが、なかなか意識が落ちない。

………う~む…


「不思議?」


近くで聞こえた声にハッと目を開いて、そちらを見た。

いつの間にかラファエルが寝室に入ってきている。


「お帰りラファエル」

「ただいま」


ラファエルが近寄ってきて、ベッド脇にあった椅子に座った。


「精霊の目で覗き見するからだよ」

「………ぇ?」

「それも力を使っているっていう自覚、あるの?」


ラファエルの言葉にぱちぱちと瞬きを繰り返す。

………え?

首を傾げるとラファエルにため息をつかれた。

失礼な…


「精霊を介した力は多少なりとも力を消耗するの。今まで消耗してない状態で視界を共有していたから、何とも思わなかったんだと思うけど、今のソフィアは力を使わずに休まないといけないのに、更に消耗するようなことやって…」


呆れた顔を向けられた。

………そ、そんなこと考えたことなかった…

徐々にMP削られてる、って解釈が1番分かりやすいかな…

倒れるまでMP消費して回復を待っているところに、更に使ってしまった。

だからしんどすぎて眠れないのか…

納得した。


「ユーグがソフィアの気配がする精霊に気付いてくれなきゃ、もっと消耗してたよ」


あ、犯人はユーグか。

………っていやいや、この場合気付いてくれてありがとう、だよね。


「そうなんだ。分かった。回復するまで使わない」

「うん、約束だよ」


ラファエルの言葉にこくんと頷く。


「もし使わなきゃいけない時が来れば、ラファエルに相談する」

「………そんな時来て欲しくないんだけど…」


苦笑するラファエルに、私も苦笑する。

アマリリスが食事を持ってくるまで、ラファエルと話しながら過ごした。


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