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第385話 それ、困らない?




ドタドタと足音が聞こえたと思えば、ラファエルとラファエルの騎士達が寝室に入ってきた。

床にライトとカゲロウが倒れているのを見て、眉を潜める。


「ソフィア、怪我は!?」


フルフルと首を振る。

それを見てホッと息を吐くラファエル。

真っ青な顔で私に近づいてきてギュッと抱きしめられる。

しまった…

大丈夫だとラファエルに伝言を頼むのを忘れていた。

私がこの状態のまま何かあれば、強制送還なのに…


【お兄様の影がライトとカゲロウをお仕置きしに来ただけみたい】

「………そう。まぁ、ソフィアの影なのに、守れなかったのは事実だもんね…」


ゆっくりとラファエルが私から離れ、一通り全身を見て1つ頷いた。

改めて自分で私の無事な姿を見てホッとしたようだ。


「天井すぐに直してくれ」


ラファエルが騎士に命じて手配させる。

私が精霊に頼んで直す、とは言えない雰囲気だ。

………今は、ラファエルに従っておこう。

………これから怒られそうだし…

ライトとカゲロウが運ばれ、一旦騎士を解散させたラファエルは、丁度薬の時間と言って私は素直に飲んだ。

空になった瓶をラファエルがソフィーに渡して、改めてベッドに腰を下ろした。

そのタイミングでクイクイとラファエルの袖を遠慮がちに引く。

………ぅぅ……怖い……


「どうしたの?」

【あの、ね…そのお仕置きに来た影が、5人私の影として付くことになったって…】

「そうだよね。俺もソフィアを守れなかったんだし、懸念されるのは当然だし、増やされても仕方ないよ」


ラファエルは複雑そうだけれど、お兄様の考えを受け入れた。


【………全員男なんだけど…】

「………え!?」


私の次の言葉にラファエルが思わずといった感じで立ち上がった。

それにビクッとしてしまう。

眉間にシワを寄せ、顎に手を当て考え込むラファエル。


「………いや、でも……ぐっ……し、仕方、ない…」


何やら葛藤しているラファエルが不憫だ…

突っぱねてしまいたいけれど、今回の件は下手に出るしかない。

嫌だけれど受け入れる、しかないからガックリとラファエルが項垂れてしまった。


「ソフィア!」

【は、はい!?】

「………浮気しないでね」

【………ぶたれたいのラファエル?】


ニッコリ笑ってタブレットを見せれば、真っ青になって首を振る。

どうして私の心が離れると思ってしまうのよ。

護衛に心を移すと思われていること自体が心外である。

どれだけ信用――ないわ私。

も、もっと好きだとラファエルに言おう、うん…


【無駄な心配しなくていいよラファエル】

「うん、ごめんソフィア」

【仮にそうなったとしてもフラれるのがオチだから】

「なんでソフィアはそう自己評価低いの!? 可愛いって言ってるのに!!」

【あ、いや……そういう事じゃないんだけど…】


私はラファエルにだけ好かれてたらそれで充分だし。

………っていうか…


【私が他人に可愛いと思われたら、ラファエル困らない…?】


ありえないけれど。


「困る!! すっごく困る!!」

【だから、ラファエルだけが想ってくれてたらよくない?】

「そうだね」


キリッといい顔になったラファエル。

やっぱりラファエルたんじゅ――ごほん。


【へへっ。ラファエル大好き】


あ…文字なら簡単に言えた。

恥ずかしくてタブレットで顔を半分隠して、だけれども。

これから恥ずかしすぎて言えないときは文字にしたらいいかも。


「………ソフィア」


呼ばれたと思えば、タブレットが手から消えた。

ラファエル…?

首を傾げると、ラファエルがジッと私から奪ったタブレットを見て――


「これ貰って良い?」


と嬉しそうに笑いながら聞いてきた。

あ……

ラファエルの心が読めた気がして、頬が赤くなるのを感じながらコクンと頷いた。

タブレットを操作して、多分文字が消えないように細工したんだと思う。

ラファエルがそれをサイドテーブルに置いて、私の唇を奪った。

そのまま私は気が抜けて、眠りに落ちたのだった。


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