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レベル0で最強の合気道家、いざ、異世界へ参る!  作者: 空地 大乃
第六章 神薙家VS明智家編

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第四八〇話 サトルとの面会

「それでアケチの奴、すごい顔で放心状態のまま、気絶しちゃったのよ。あれはもう立ち直れないわね。自業自得だと思うけど!」

「ははは……でも、そんなことがあったんだね」


 マイが言うように、アケチは地球にいる家族の状況を知った途端、絶叫し、そしてマイはそこには言及しなかったが、体中から色々な液を漏出させ意識を失った。


 当然もう面会どころではないので兵士達がやってきて連れて行かれアケチの面会はそれで終了となった。


 あんな状態のアケチを連れていかなければいけない担当兵士には頭が下がる思いでもあるが、その後、続けてナガレ一行はサトルとの面会に望んだのである。


「それにしても相変わらずナガレさんのやることはとんでもないですね。異世界にいながら地球の明智家に関与出来てしまうのだから」

「いえいえ、私がやったことと言えば精々孫に連絡をとったぐらいです。残りの事は私の家族がやったにすぎません」


 その家族を育てたのはナガレなのであり、そう考えるとやはり此の親にして此の子ありと言ったところだろう。


「サトル様、随分と窶れられて……もしかして酷い扱いを受けているのですか? 言って頂ければ今すぐにでも皆殺しにしてきますよ?」

「いや! 怖いよ! 大丈夫、そこまで酷い扱いうけてないから!」


 ヘラドンナが口から無数の牙と禍々しい涎を垂らした植物を何十本と生やし始めサトルが慌てた。

 

 サトルの監視のために後ろで控えていた兵がギョッとしており、サトルが大丈夫です大丈夫ですからと宥めている。


「ヘラってばちょっと過激よ」

「ヘラ?」

「ヘラドンナだからヘラ。ヘラドンナだとちょっと長いし、その方が親しみやすいかなって」


 ピーチが思案顔を見せ、マイが答えた。キャスパリーグもキャスパとした彼女らしいネーミングである。


「いいねヘラちゃんか~」

「……呼びやすいと思う」

「いいんじゃね? ヘラドンナとか何か舌かみそうな名前だったしな」

「え? いやフレム、流石にそこまで複雑な名前ではないと思うのだけど」


 フレムはどうやらへラドンナが呼びにくいと思っていたようだ。どうりであまり名前で呼ばないわけである。


「……私はそのような親しみの込められる存在ではありませんので」

「え? どうして? いいじゃないかヘラ。うん、僕も賛成だよ」

「今後はヘラとおよび下さい」

「切り替え早!」


 最初は遠慮がちだったヘラドンナだが、サトルが気に入ったのを知ると手のひらをあっさり返した。これにはメグミも驚きである。


「うん、でも私もいいと思う」

「でしょうアイカ~私もいいと思ったもん。判ってくれて嬉しいよ」

『キシシシシシッ、ヘラ! ヘラ! ヘラはヘラ!』


 マイの肩でキャスパも体を揺らしていた。中々楽しそうである。


「ヘラは窶れてると心配してますが、思ったより元気そうで安心しましたよ」

「ナガレさん……はい。これもナガレさんのおかげです。ナガレさんがいなかったらと思うと……」


 サトルが表情を暗くさせた。ナガレがいなければ、サトルの運命は大きく異なっており、その結果はあらゆるものを不幸に追いやるものであった。


 サトルがナガレに感謝するのも当然と言えるだろう。


「でも、ナガレさんのおかげで僕は決意しました。許されることではないと思うけど、自分のやったことをしっかり背負い生きていこうと思います」


 サトルは己の業をしっかりと理解した上でそれでも生きていくことを誓った。その決意に乱れは見られずナガレとしても一安心といったところか。


「ねぇサトル。それで、出ることはできそう?」

「え? あ、いやそれは……正直どうなるかは僕にもわからないんだ。ただ、悪魔の書関係で色々あるんだって。でも、悪魔の書は正直そこまで悪い存在には思えなくて」

『……ふん、お主はお人好しであるな。全く、我など貴様を利用したに過ぎないというのに』

『むむむ! やはりそうであったか! 許すまじ! この邪悪な存在、やはり放ってはおけぬ! メグミよ我を使い切り伏せるのだ!』

「え? 嫌だけど?」

『なんでなのだーーーー!』


 悪魔の書がマイの手に現れ悪態をついた。それを聞いたエクスが喚き散らすがメグミは全く聞く耳を持たない。


「……やっぱり僕はどうしてもお前が悪いやつに思えないよ」

『馬鹿め! 大体貴様の家族の魂は我の中に囚われているのだぞ! そこはもっと憎むべきところであろう!』

「それについては僕はナガレさんを信じてるから」

「ふふ、これは責任重大ですね」


 悪魔の書に笑みを返してから、ナガレに目を向けるサトル。するとナガレも笑顔で応じた。


 それはサトルの不安を払拭するに十分たるものであった。


「そろそろ時間だ」

「え? もう?」

「仕方ないよ。僕もまだまだ監視下に置かれてる身だし。でも言うほど不自由ではないよ。この砦内ならある程度の移動も許されてるし、食事もメニューが選べるし」

 

 そう言ってサトルが笑ってみせた。特定の時間以外は部屋に閉じ込められるも独房というほど酷いものではないらしい。


 面会も終わり部屋を出ると砦の通路にジョニーの姿があった。


「面会は終ったかい?」

「はい、無事終わりましたよ」

「それは良かったねえ」

「ねぇ、貴方はサトルがこれからどうなるか知ってるの?」


 ナガレとの会話に割って入ったのはマイであった。ジョニーはナンバーズでありこの砦の関係者だ。何か情報を持っていてもおかしくはない。


「それがおいらの耳にはあまり重要な事は入ってこないのさ。おいらって口が軽そうとか妙な誤解を受けてるみたいでねぇ」

「……判る気がする」

「酷いなぁビッチぇちゃんっては。でもそのエスっ気の感じられるところがいいよねぇ。今度一緒にデートでもどうかな?」

「……ありえない」

「冷たいねぇ。でもそこがいい」

「わかるわかる」

 

 何故かカイルがジョニーに同意していた。


「ジョニー少し宜しいですか?」

「おっと、ナガレからお誘いとはねぇ」


 おちゃらけながらもジョニーはナガレの話を聞く。それはサトルの今後に関する提案だった。するとジョニーは眉を広げ。


「う~ん、おいらとしてもそれは悪くないと思うけどねぇ。ま、話しては見るけどさぁ。ただ、その前に色々面倒なことが待ってるねぇ」

「面倒なことってなんですか?」


 マイが聞いた。やはりサトルのことを一番気にしているのは彼女だろう。


「教会がねぇ、悪魔の書に関して色々うるさいのさ。サトルに関しては審判に掛けるってね」

『ふん、だったら言っておくがよい。サトルを謀り、協力させたのは我の意志だとな』

「……デビ」

『ちょっと待て、今のデビって我のことか?』

「そうよ。感謝しなさい。愛称を決めてあげたんだから」

『な、なな! ふざけるな! 何がデビだ!』

『ププッ、良いではないかデビ。中々可愛らしいぞ?』

『だ、黙れ黙れ黙れ! デビなんて誰が!』

「どうしてデビなの?」

「悪魔の書で悪魔だからね!」

「……なるほど」

「ま、悪魔の書ってのも舌噛みそうな名前だったしな」

「……フレム」


 ローザが気の毒なものを見るような目でフレムを見た。

 だが、すぐにジョニーに目を向け。


「教会はそんなにうるさく言っているのですか?」

「うん、そうだねぇ。彼らからすれば悪魔の書を使ったというだけで大罪らしいからねぇ」

「わかりました。サトル様の為に今すぐ教会の関係者を皆殺しにしてきます」

「ちょ! 流石にまずいって!」

「止めないでください! これがサトル様の為なのです!」

「そんな事をしてもサトルは喜びませんよ。それとも今のサトルがそんなことを望まないことも判らない程の忠誠心なのでしょうか?」

「む、うううぅ、む~! む~! む~!」

「ヘラが壊れた!?」


 ナガレに諭され、ヘラは思いとどまったようだが、ナガレに言い返そうにもいい言葉が出てこないらしく、ただナガレに向けて唸ってるだけだった。


 だがその姿は妙に可愛らしい。


「ところで君たちに実は帝国の新皇帝から言伝を受けていてね」

「帝国の新皇帝?」

「帝国の元Sランク冒険者アルドフさ。彼は今や帝国の英雄にして救世主とされるほどの人気ぶりでね。だけど、彼いわく革命が成し遂げられたのもナガレたちのおかげだってね。だから是が非でもお礼をいいたいそうだよ」

「へぇ~そういえばそんな話があった気がするけど、何か凄い出世したのね」

「でも凄いわね! 皇帝自らお礼だなんて」

「いやいや、でも先生はこういうのは嫌いだからな。きっと受けないというに」

「わかりました。折角ですから帝都に向かうとしましょう」

「そうそう、先生はうけ、え! 会われるのですか?」

「はい」


 フレムが随分と驚いていたが、ナガレには何か考えがあるようにも思える。


「それならこっちからも返事を出しておくけど、暫く帝都にこもりっきりだからいつ来てもいいそうだよ」

「それならば、この後にでも皆さんと行くとしますか」


 ナガレの発言に、私たちも? と驚く一行だが。


「ここにいる全員が関わっていることですからね」

「それは皇帝からもあったねぇ。関係者全員招待するとね」

「中々太っ腹じゃないか」

「ねぇ、もしかして美味しいもの出てくるかなぁ?」

「ピーチ、よだれよだれ」


 すでにピーチの頭の中はごちそうのことでいっぱいのようだ。


「ジョニーさんはこられないのですか?」

「おいらはまだまだやることが多いからねぇ。あ、そうだナガレ。一つだけ、教会のことだけどねぇ、サトルのことだけじゃなくて今、悪魔の書を持っているナガレたちのことも色々探ってるみたいだから、気をつけるといいさぁ」

「わかりました。色々とありがとうございます」


 そして砦を後にするナガレたちである。ちなみに帝都までの馬車は帝国に入ってすぐの街で手配してくれたそうだ。


 勿論ナガレであれば馬車など頼らなくても全員を含めて合気で高速移動も可能だが、向こうの都合もあるだろうから潔く好意に甘えることにした。


 冒険者連盟の管轄から出て、30分も歩けば、帝国領に入り街に着く。


 だが、そのときであった。


「お前たちがナガレ一行か?」


 彼らに声をかけてきた存在。一様に立派な紋章が刻まれた白銀の鎧を身に着けていた。


「あなた達は、ソフォスの聖騎士(パラディン)……」


 それに反応してみせたのはローザであった。

 すると聖騎士の一人が前に出て声たかだかに叫ぶ。


「お前たちが悪魔の書を所持しているのは判っている! 今すぐにおとなしく引き渡すならそれで良し! 拒むというのなら創神デアソフォスの名において我らソフォス神聖騎士団が天罰を下す!」

新連載を始めました。

300年引きこもり続け魔導具の開発に明け暮れていたハイエルフ。ある日このままじゃいけない!と人里に得ることを決めますが、骨董品だと思っていた魔導具があまりに凄すぎて無自覚に周りを驚かせるそんな物語です!下記にリンクがありますので読んで頂けると嬉しいです!

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