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レベル0で最強の合気道家、いざ、異世界へ参る!  作者: 空地 大乃
第五章 ナガレとサトル編

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第一四七話 サトルへの襲撃

 敵襲!? とサトルは思わず周囲に目を光らせる。と言っても相手が誰かはすぐには察しがつかない。

 もしサトルのターゲットがのこのこやってきたのであれば願ったり叶ったりなのだが、この状況でその可能性が果たしてありえるのか? という話でもある。


 サトルは極力証拠は残さないように、これまでの復讐も自分がやったという痕跡はできるだけ消してきた。

 そもそもサトルを知る者は全員消している。現状サトルが奴らと同じ世界にいることは当然連中は知らない。


 そう考えると――


 すると、ガサリという葉擦れ音。一つの影が飛び出し、そしてサトルへ長剣を振るう。

 動きはかなり速いが、何より木々の密が濃い。しかも陽が傾き始めており周囲はかなり薄暗くなっていた。故に黒に包まれた相手の行動は捉えにくい。


 躱しきること叶わず、黒騎士の剣戟がサトルを捉える。だが、甲高い音が鳴り響く。サトルのカオスフルアーマーによって攻撃が防がれたのだ。


「このっ――」


 サトルは反撃に転じようと愛用のアゾットソードを振ろうとするが、相手の黒騎士は一撃目が通じないと知り、直ぐ様反対側の藪へと逃避する。


 チッ、と舌打ちするサトルだったが、そこへ再びボルトが飛来、サトルの背中に命中し爆発する。


「ぐっ!?」


 脚が地面を離れ僅かにだが苦悶の声をサトルが漏らした。

 片足で着地し、バランスを崩しそうになるもなんとか転ばないようふんばる。


「……今のは――」

『サトル油断するでないぞ』


 悪魔の書の念が脳裏に滑りこむ。気配を感じ横に顔を向けると大剣を手にした黒騎士の姿。


「うぉおおぉぉぉおぉおぉ!」

 

 蛮声を上げ、刃を地面に突き刺しながら無理やり大地を刳り向かってくる。

 ガリガリガリガリッと耳障りな音が鬱陶しくもあり、かと思えば、【地月斬】! と叫び黒騎士の大剣が振り上げられた。

 咄嗟に後ろに飛ぶが地面に突き刺さった状態の大剣はリーチが読み難い。結局サトルは相手の間合いを計りきること叶わず、斬撃と衝撃をその身に浴びた。


「がっ!?」

 

 口から思わず苦しげな声が漏れる。その衝撃は直接身体の内側に伝わった。

 両足を地面につけるが、勢いは殺しきれず後方に大きく滑り流される。


 膝が半分ほど崩れ落ちていた。土煙が辺りに漂う。とにかく反撃しなければ――そう思考するサトルだが、しかし黒騎士はまたしてもその場を離れ森のなかへと潜んでしまう。


『これは中々厄介そうであるな……』

「――くそ……妙な連携みせやがって」


 愚痴るようにこぼす。悪魔の書の言っていることは理解が出来た。確かに厄介なのは間違いない。その正体が黒騎士であるのは理解が出来た。恐らくどこかから隙を見てボルトを打ち込んできているのも同じような相手なのだろう。


 闇に包まれ始めているこの状況で黒騎士というのがまた嫌らしい。夜陰に紛れてとはよく言ったものだ。


 しかし――この相手は今までの敵とはあまりに勝手が違う。サトルが相手してきたのはわりと力押しでなんとかなるような者が多かった。

 それは相手も自らの能力を過剰評価しサトルに対し見下したような戦法をとるものが多かったのも要因としてあるだろう。


 だが、この相手はそうではない。サトルを倒そうと個ではなく複数が力を合わせて挑んできているように感じるのだ。


 サトルは考える。恐らく最初の一撃からして作戦が始まっていたのだと。あれはサトルに当てるのが目的ではなく、サトルの位置を他の仲間に知らせるのが目的だったのだろう。


 そしてサトルの位置が判った時点で接近戦を主とする黒騎士が先ず切り込む。その上でサトルの実力を推し量ったのだ。

 

 だからこそ一撃目で離脱。直後の矢弾である程度攻撃が通ると判断し三人目の黒騎士が威力の高い大剣で仕留めにきたわけだ。


 しかしそれでも倒しきれないと知り、再び離脱

、次の手に移ろうとしている、といったところかもしれない。


「……しかしまさかダメージを受けるなんてな」

『その件だが、恐らく相手は鎧を無視し直接内部にダメージを通すスキルやアビリティを持っているのではないか?』


 悪魔の書に言われ、そう言えば、とサトルは自らの鎧に目を向けた。確かにサトルにダメージがあったにも関わらず鎧には全く痛みがない。


「……そういうことか。どうりでやたらとダメージが大きいと思った」

『ふむ、生命力の強化がなければ危なかったかもしれんな』

 

 ゴルゴン戦ですら全くダメージを負わなかったサトルであるが、今の黒騎士との交戦で、しかもこの短い間の出来事で、サトルの生命力は三分の一程持っていかれてしまっていた。


 これまでサトルは数多くの相手と相対してきたが、これだけのダメージを負ったのは初めてのことである。


 これは少しまずいか、とサトルが考えているとまたもや黒い影。今度は長剣使いである。

 しかしこの相手に関しては先程は全くダメージが通らなかったのだが――しかし長剣使いの黒騎士は今度は直接サトルを狙わず、地面に向けて剣を突き刺した。


 刹那――サトルの足元から光の鎖が伸び、そしてサトルの身を縛り付ける。


「呪縛剣――」


 長剣使いがそうつぶやくと同時に今度は大剣使いが先ほどと同じ地月斬を繰り出した。もがくサトルであるがすぐにぬけ出すことは出来ない。


 そして黒騎士の大剣がクリーンヒット。サトルの身が宙に投げ出され、かと思えば続けてどこかから放たれたボルトがサトルの鎧に命中。爆発しサトルの身が更に吹き飛んだ。


 そしてサトルの身が藪の中へと投げ出される。


「――やったか?」


 黒騎士の一人がそんな事を言った。それに鎧の中のサトルが笑みを浮かべる。

 

(それはやってないってことだよ)


 そんなことを考えつつもサトルは草木の中でなんとか立ち上がり、自虐的な笑みを浮かべ一旦その場を離れようとした。

 一旦態勢を整える必要があると判断したからだ――

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