表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル0で最強の合気道家、いざ、異世界へ参る!  作者: 空地 大乃
第四章 ナガレ激闘編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

133/565

第一一五話 蜘蛛の巣窟

 残った最後の坑道――そこに向かったのはカイル、ローザ、ニューハ、モーホの四人とワキヤークという名の戦士であった。

 あの場には鋼の狼牙団を除けば残りは十五名であった為、五人ずつ分かれて隊を組んだのである。


「な、なんだありゃ! デケェ蜘蛛がいるぞ!」

 

 そして、坑道の最深部まで辿り着いたところでワキヤークが指をさしつつ叫びあげた。

 確かにその方向には全体的に青味の強い巨大な蜘蛛が鎮座している。


「う~ん、しかもそれなりに大きな蜘蛛も大量にいるねこれ」

「う~、気持ち悪いです……」


 青ざめた顔でローザが言う。

 確かに他にも成人男性ほどの大きさを誇る蜘蛛が大量におり、それに完全に慄いている形だ。

 どうやらローザは虫系が苦手な模様である。


「蜘蛛の巣も凄いわよ。大量に張られているしね。とりあえず鑑定でいくと小型の方はブルースパイダー、巨大な方はデススパイダーでブルースパイダーの変異種ね。ブルースパイダーを従えてるボスみたいなもんよ」


 斥候系のスキルを多く持っているモーホは、鑑定も使用可能だ。

 そして彼の判定によるとブルースパイダーがレベル24~26,デススパイダーはレベル62との事である。

 だが鑑定により敵の正体は掴めたが、蜘蛛の巣が大量に張られているこの譲許はまり芳しくない。


「よっしゃ! こうなったら俺がこのナガレ式バトルアックスで全部取り払ってやるぜ! 魔法使えるねぇちゃんと弓使いのお前はしっかり俺を援護してくれよ!」

「え? いや、ちょっと待って下さい」


「いくぜ! オラオラオラオラオラオラァアアァア!」

 

 ニューハが止めるのも聞かず、ワキヤークの男は大量の蜘蛛の巣の中に突撃していった。 

 そして手持ちの斧を振り回すが――やたらと粘着質な糸は切れるどころか斧を振る度に男の体に絡みついていき、そして――


「う、うわぁあぁあぁ! た、助けてくれーーーー!」


 完全に身動きが取れなくなり悲鳴を上げる始末である。

 しかも絡みついた糸を周囲で見ていたブルースパイダーが上手いこと前足を使って巻きながら手繰り寄せていく。

 悲鳴を上げる彼の姿を一同が呆れ顔でみやったが。

 だが、そうこうしてる内にブルースパイダーの牙が男を狙う。


「――セイクレッドシールド!」


 だが、そこへローザの聖魔法によってワキヤークとブルースパイダーの間に聖なる盾が現出。

 その咬撃から見事に彼の身を守った。


「全く、仕方のない男だよ!」


 そして続いてモーホが額の宝石の横に指を添え、ハッ! と掛け声を発すると、細長い紅線が蜘蛛に直撃、その身を貫通し、更にジュージューと音をたて貫通した箇所が溶けていく。

 

「す、凄いですねそれ!」

「ふふっ、これ強力な熱光線を発射できるの。ただ連射出来ないのが欠点だけどね」

 

 カイルが興奮した口調で言うと、モーホが得意気に応える。

 古代迷宮に隠されているオーパーツには、このような強力な魔導具も多いようなのである。


「さて、とりあえずこの蜘蛛の巣を何とかしないとね」


「確かにそうね。私はあれを使うけど、少し時間が掛かるからその間お願いしていい?」

「あれね。判ったわ、じゃあ!」


 言ってモーホが飛び出した。

 

「え? モーホさん! そこには蜘蛛の巣が!」


 思わずローザが警告の声を発す。

 モーホが着地しようとした場所には蜘蛛の巣が張り巡らされていた為だ。

 そんなところに着地しては考えなしに飛び出したワキヤークの二の舞いになる、と考えたのであろうが。


「大丈夫よ――」


 モーホは軽い足取りで蜘蛛の巣の中の一本の糸に着地。

 両足ではなく片足立ちの状態で、しかも親指の爪先だけでその上に立っている。


「俺の身体能力を舐めてもらったら困るわよ」


 一斉に蜘蛛の巣を辿って迫るブルースパイダーにそう宣言した後、全く蜘蛛の巣など意に介さず再び飛び上がり、いつの間にか取り出していたチャクラムを投擲した。


「【ホーミングストライク】!」


 そして闘気を纏ったチャクラムがまるで意思を持っているが如く、次々と空洞内を蔓延っている蜘蛛共を切り裂いていく。


「ほら! あんたもちょっとは戦いな! でも前には出るんじゃないよ! 術式が完成したらさっさと皆の下へ戻れるよう下がりながら戦いな!」

「え? あ、あぁ判った――」


 面目なさげに頭を掻きながらも、ワキヤークは退きながらブルースパイダーを相手する。

 そして後ろからもカイルの弓による援護。

 落石弓によって崩れた岩盤が次々と魔物の頭上に降り注いでいった。


「よっし! ニューハの魔法が放たれるわよ! あんたも早く戻って!」


 モーホに促され、ようやく一匹のブルースパイダーを片付けたワキヤークが大急ぎで戻る。

 敏捷値が低いのか、ドスドスととろくさいその動きに青筋を浮かび上がらせるモーホだが、なんとかギリギリのところで間に合った。


「――開け魔導第四門の扉、発動せよ水術式【ブルーオーシャン】!」


 それはニューハの扱う術式で最も効果範囲の広い魔法。

 発動し杖を掲げると同時に、ニューハの前方に魔力によって生み出された巨大な波が顕現され、そして蜘蛛の巣ごと、ブルースパイダーの群れを飲み込み、更に最奥に鎮座していたデススパイダーにもその効果が及ぶ。

 

 そして波が通りすぎた後には、蜘蛛の巣も完全に流され、波の威力によって朽ちたブルースパイダーの遺骸が転がっていた。


 だが――


「流石にデススパイダーはしぶといわね」


 険しい目つきでモーホが述べる。

 あれだけの水撃を受けながらも、ボスとしての貫禄を放ち続ける存在がそこにはいた。


 そして仲間を失ったことで、いよいよ巨蜘蛛が動き出す。

 近づけば近づくほどその大きさが顕著になる。ちょっとした砦に脚が生えたかのようなそんな様相。

 しかもやたらと動きが速い。

 後塵を撒き散らしながら猛スピードで直進してくる。

 やたらと赤い瞳が更に強く発光してきているのは、怒りによるものか。

 どちらにしてもボーっと見ているわけにも行かない。


「――セイクレッドシールド!」


 とにかく何かせねば! とローザが聖なる盾を蜘蛛の正面に現出させる。

 本来は防御の魔法だが、それで相手の動きを少しでも食い止められればと思ったのだろう。

 だが、盾はほんの少しだけ相手の動きを鈍らせたが、すぐにパリーンと割れてしまった。

 突撃の衝撃に耐え切れなかったのだろう。


「ヘヴィーショット!」


 そして続けてカイルの弓術、重みの増した矢が蜘蛛の眼を捉えた。

 そこを潰せば動きを止めれると思ったのだろう。

 

「なっ!?  かた!」


 しかし、目の部分は硬い膜によって保護されている。 

 カイルの弓では完全に力不足であった。


「だったら俺に任せろ! うぉおぉおぉおお!」

「て! ちょっとあんた!」

 

 今度はモーホの制止も聞かず、ワキヤークが斧を両手に飛び出していった。

 するとデススパイダーの口から、糸で出来た網が噴出され彼の身をあっさりと捕らえてしまう。

 しかもその網と繋がった糸を前足で掴み振り回し、そしてワキヤークを天井に叩きつけた。


 その衝撃でワキヤークは死、んでこそいないが、天井に突き刺さったまま気絶してしまう。


「……死ななかっただけマシねあの馬鹿は――」


 そんなワキヤークを目にしながら呆れた顔で呟くモーホであった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ