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骨・骨・骨!  作者: マネージャー
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ゴブ×象

「なぁ……そろそろ顔を出しても大丈夫じゃないか? 象の魔物の背中に乗ってるんだから、下から見えるわけでもなし。翼骨も広げないようにすればアイテムだと思うだろ」



 象の魔物は動き出した。護衛はレイと草井さんの二人だけ。象は他のプレイヤー達にも声を掛けたけど、レイ達のカップル感が逆に気を使わせた形になったようで、断られていったからな。



「他に誰か乗ってるのか? 別の誰かの声が聞こえてきたぞ。……誰もいないな? そういう奴がいても、そこから落としてくれよ」



 象は大きな耳で聞き耳を立ててる。さっきまではバザーがあって、周囲にNPCやプレイヤーがいたんだろうけど、そこから離れてしまえばプレイヤー達とはなかなか会えない。違う誰かが話せば、気付かれやすいわけか?




「貴方って、目の場所も移動出来るんだね? 」



「鼻に目を移動させるのは荷物も気を付けないと駄目だし、後方や背中からの攻撃にも注意するためから。以前はパートナーのゴブリンがいたんだけど、急に別れを切り出されて……」



 レイは俺に聞こえるように忠告してくれた。象の長い鼻が目になって、背中も見る事も出来るらしい。これは急に頭を出したら、長い鼻で叩き出されるな。



 そうなると、俺はかなり暇になるんだけど。安易に話す事も出来ないし、周囲の景色も楽しむ事も無理。空を見ようにも、レイがもたれかかって、腕しか見えない。胸が当たってるかもしれないけど、鎧ごしだと分からないしな!



「もしかして……付き合ってたりしたんですか?」



 レイも一応は女子だから、恋バナに興味があるのか! 流石に仕事のパートナーだろ。ゴブ×象って……この象の声は男だし、ゴブリンに女子プレイヤーはいるかもだけど……女を襲うイメージしかないぞ。



 少し興味深い話なんだけど、鎧の中にいるから暗闇なのと象の上に乗ってるから程好い振動が、精神耐性◎があっても眠気が襲ってきた。昨日も遅くまで魔人天生もやってたし、学校の疲れもあるか。ログアウトしなくても、目的地に着けば、レイが教えてくれるだろう。



「そうそう……彼と会ったのはこんな山岳地帯に入る前だった。その時は一人で運搬してたんだけど、そこでゴブリンが襲ってきた!」



 いやいや……話を盛り上げるためでも、そこでオーバーに言わなくて……



「……!」


 レイが何か言ってるな……話し掛けたら、象の魔物に落とさせるんだから。



 その時には目を覚ましておくべきだった。象がゴブリンの話をしてたけど、本当にゴブリンが襲ってきてたとは思わないだろ!

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