だるまさんが転んだ
「そうなると……装置がある場所を先に確認するの方がいいかな」
「分かった。私が先に進んだ方が良いよね? ポン骨は一緒のゴーレムじゃなくて、次に来る方にしなよ」
レイはそう言って、ゴーレムが俺達を通り過ぎた後に、背後についた。距離的に五メートルぐらいかな? ゴーレムは気付く感じもなく、ゴーストだから物音一つしないのが羨ましい。
「あんな感じなら、一緒に進んでも大丈夫だったんじゃ」
そう思って、レイの行動を覗いていたら、ゴーレムの体はそのままで、首だけが回転し、背後を確認。レイはそうなるのが分かってたのか、その前に壁の中へ。動きを察知したのではなく、一定時に振り向くみたいだ。それは曲がり角の時ではなく、だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だのタイミング合ってるのかも? 最後の二個前『ん』がベストか。それまでに隠れないとな。
「おっ! もう一体来た。曲がり角で見えなくなってきたら、姿を見せたな」
俺がいる場所は真っ直ぐな道で良かったというべきかな? 連続で曲がる所もあり、MAPを見ながら、次にゴーレムが来るタイミングを計るのは難しかったかもしれない。よし、行くぞ!
「だ」
ゴーレムが歩みを止め、首だけが回転。思わず声を出してしまったから、反応したんだ。停止してくれたお陰で同じ場所に隠れる事が出来たけど、停止はある意味救済処置なのかも。
レベルは壁から顔を出し、俺の方を向いて、口をパクパクしてる。『馬鹿』と言ってるんだな。それは否定しない。ゴーレムが声かけしてくれたら楽なんだけど。
今度こそ! 頭の中だけでタイミングを計って、隠れる場所は窪みがある場所だな。少しでも見えなければ問題と思いたい。
だ・る・ま・さ・ん・が・転んだ! とギギッとゴーレムは首を回転。
マジか! タイミングを早くしやがった。一度警戒されたのが原因か。レイも『馬鹿』だけじゃなく、それを忠告してくれたのかも。
俺は音と同時に素早く、近くにあるガレキの中に体を突っ込んだ。音がするのは仕方がない。姿さえ隠れる事が出来れば。
鎧は隠れた。左腕は道具として収納。頭蓋骨は……ガレキのてっぺんに! 丸見えじゃないか! 死んだふりならぬ、ただの骨として判断してくれないかな。




