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自称!平凡魔族の英雄ライフ~B級魔族なのにチートダンジョンを作ってしまった結果~  作者: あまうい白一
第三章

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第19話 いつもの朝と、特別な行動



 覇竜のダンジョンに挑戦する日の朝、俺はいつも通り自分のダンジョンの大型ベッドで目覚めた。

 そしてまあ、これもいつも通りではあるのだが、

 

「ふあ……おはようございます、クロノさん。ユキノさん」

「んー、おはよ」


 俺の横ではソフィアとユキノがこれでもかと言う薄着で目覚めていた。

 慣れてはいけないレベルの露出度な気がするのだが、こう毎日見ていると大分耐性が付くもので、いつもの光景だなあ、と思いながら俺は彼女たちに挨拶を返す。

 

「おはよう二人とも。よく眠れたか?」

「はいー。今日は大変なダンジョンに挑むという事で、しっかり体力は回復できましたね」

「ワタシも。元気いっぱい。直ぐに動ける」


 と、ユキノはほぼ全裸な状態で体を大きく動かして見せてくる。

 その動きを見て何だかこの人には恥じらいというものが微妙に欠けている気がする。

 

「あ、あはは、ユキノさんは朝から大胆と言うか、私のほうが目のやり場に困りそうな動きをしますね……」

  

 ソフィアも若干赤くなっているし。

 ともあれ、元気なのは良い事なので、そこは今、気にしない事にする。

 むしろ気にすべき点は別にある。


 それは、ソフィアやユキノの体に薄らと巻き付いている鎖についてで、

 

「しかし、すまないな、ソフィア。ユキノさんも。今日は、支配の鎖の解除するために十代目のダンジョンに行けなくなって」


 アリアやミスラの力になりたいという気持ちはあるが、それと同時に彼女たちの隷属化を解きたいという気持ちもある。

 だから、今までも十代目のダンジョンに潜ってきたわけで。今日はそれが出来ない事について、まず申し訳なさを伝えようとしたら、ソフィアは微笑と共に首を横に振った。


「ふふ、そこは別に気にしなくても良いんですよ、クロノさん。探索回数を増やしたところで、魔王の遺産が見つかるかどうかは運ですからね。もとより時間が掛かる事ですから、謝られることじゃありません。むしろ、これは色々なダンジョンを探索していく中で運よく外れれば良い、程度の物と私は思っていますから」

「そうか? そう言って貰えると有り難いけれどな」

「はい。というかですね、私にとっては……悪い事では無いのです」


 ソフィアは自分の体に巻き付いた鎖をいとおしそうに撫でながらそう言った。


「え? そうなのか?」

「だって、これがあるから、私は朝から皆さん一緒に居られるんですから。とっても、嬉しいんですよ? お二人から元気をもらっている気分にもなりますし」


 ソフィアの言葉にベッドの上で飛び跳ねていたユキノも頷く。


「同じく。ワタシも、クロノやソフィアと一緒に過ごせているのは楽しい。それは、この鎖があるお陰で、メリット。クロノが隷属化について気にする事は、ないよ」

「はい。ユキノさんの言う通りです。クロノさんは優しすぎるので、この支配の鎖については意識の外に置いておくくらいで丁度いいと思いますよ」


「そっか……。二人にそう言って貰えると、気が楽になるな」


 事故で隷属化してしまったけれども、その対象がこんなにも優しいとは。

 本当に有り難いと思う。

  

「……それに、アリアさん達にも言いましたが、私の場合は皆さんに助けられてばかりなので。偶には私も人助けをしたいなと思いまして。ですから、今日はアリアさんやミスラルトさんへの協力に集中しましょう」

「ああ、そうだな。……じゃあ、早速朝飯食ったら、待ち合わせ場所まで行こうか!」

「おー。ワタシはついでに探索先で食べるお弁当も貰っておくー」


 そうして俺は、二人と共に食堂で朝飯を済ませた後、超特進クラスの部屋へと向かうのだった。


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