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自称!平凡魔族の英雄ライフ~B級魔族なのにチートダンジョンを作ってしまった結果~  作者: あまうい白一
第三章

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第9話 最新鋭の魔王城

「クロノ君、先に行かせてすまなかったね」


 俺がリザと話し終えるのと同タイミングで、更衣室からミスラが出てきた。

 自分と同じように上着付きの水着を着用していた。


「おお、ミスラも俺とお揃いだな」

「え? あ、ああ、そうだね。やっぱり男物の水着は種類がそこまで多くないから、被るよね!」

 ミスラは力強く頷きながら言ってきた。

 確かに、水着を買いに行った時も、男物のコーナーはそこまで大きくなかったなあ、と思い返していると、

 

「お待たせしましたー、クロノさんー」


 女子更衣室から、ソフィアたちが出てきた。

 当然というべきか、それぞれが水着を着用済みだ。ソフィアは先程購入した攻め気のあるモノを着ているし、

 

「どう、どうかしら、クロノ! 私たちの水着姿は!」


 ガツガツとこちらに近寄ってくるアリアはアリアで、健康そうな肢体を露わにする水着を着ている。見た感じは機能性重視というべきか、とてもスポーティーで動きやすそうな格好だ。

 

「うん。なんだか可愛いし、格好いい水着だな、アリアのは」

「ふふ、そうでしょう! しっかり選んだ甲斐があったわ!」


 アリアは両手を腰に付けて自信満々にアピールしてくる。そこにそこはかとない色気を感じてしまうなあ、と思っていると、

 

「や。クロノ。ワタシも着てきたよ」

「……マジか」


 もっとすごいのが来た。

 

 ユキノは紐だった。

 布では無い。紐だった。

 大事な部分は守られているけれど、もうそれ以外言い表しようがない面積が少なかった。


「本気でそれで運動する気ですか、ユキノさん……」

「うん? 勿論」

「動いている時に色々と見えそうな気がするんですが」

「大丈夫。見えないように動く方法、あるから」

「そういう問題じゃない気がするんですけどね……」


 などとユキノと喋っていると、後ろからパンパン、と手を打ち鳴らす音が聞こえた。

 リザだ。彼女はその音で俺たちの注目を引いた後、

 

「はいはい。水着ファッションショーはこのくらいにして、移動するよー。とりあえず、こっちのトレーニングルームに行こうねー」


 医務室にある、大きなドアを開けながら言った。


 そのドアの先に合ったのは、

 

「おお、ここは広いっすね」


 綺麗な板張りの床が目立つ、巨大な空間だった。

 天井もかなり高い。

 外部から見るのとはかなり印象が違う部屋である。

 

「今回のために、魔王城をダンジョンとして物凄く拡張したからねー。最新鋭の機材も用意してあるし」

 

 言ってリザが指差したのは部屋の奥にあるいくつもの機械類だ。何十もの機械が、ずらりと並んでいる。


 それを見て、俺の隣にいるミスラが目を細めた。

 

「あんなものまで、この城には備わっているんだね」

「うん? ミスラはあの機械、知っているのか?」


 俺の言葉にミスラは頷く。


「あれは、竜でもトレーニング出来るって言われている、筋力鍛錬機材だよ。竜の膂力でもちぎれないバネをしている優れモノなんだけど……生産量が限られていて、手に入れるのが物凄く難しい物なんだ」

「へえ、そんな貴重な機材まで入れてるのか。凄いですね、リザさん」


 そういうと、リザは照れくさそうに微笑んだ。

 

「いやまあ、あの機械を作っているのは、魔王城の研究組織だからね。魔王城に入れるのは楽なんだ。まあ、私が新しい機械好きっていうのもあるんだけど」

「え? そうなんですか?」

「うん。最新鋭の機材のテストって事も兼ねて、この魔王城には配備されるから。この城にいる間はいくらでも使っていいんだよ。それこそ、壊すつもりでね」

「テストで壊して良いんですか……」

「あはは、例えだよ、例え。まあ、勿論、耐久力も機材における大事な要素の一つだから壊れちゃっても良いんだけどさ。それに今回はトレーニング機材じゃなくて、計測機材の方を使うから、かなり頑丈に出来ているしね」


 リザは喋りながら機材のスイッチを入れていく。


「さあ、それじゃあみんなの体の計測を始めようか! 色々と丸裸にしちゃうよ!」

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