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自称!平凡魔族の英雄ライフ~B級魔族なのにチートダンジョンを作ってしまった結果~  作者: あまうい白一
第二章

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第15話 難題後の楽しみと、新たな情報

「みんな、本当にありがとうございました!」

「はは、どういたしまして――って言いたいところだが、礼ならクロノに言ってやってくれ。アイツが一番活躍したんだから」

「ええ、でも、このお礼は必ずクロノと皆にさせてもらうわよ。それじゃあ、行ってくるわ。絶対に良い報告を持ってくるから!」


 薬を作る道具を見つけ、使い方も分かったところで、リュミエールは病気の妹の下へと向かった。

 

 そして、一つの難題が解決したところで、その日の超特進クラスの活動はお開きとなった。

 各々が好きなように散らばっていく。

 そんな雰囲気の中だからか、クラスメイトも、俺に対して比較的自然に接してくれるようになっていて、


「クロノー。このあと一緒に大浴場いこうぜー」

「おう、いいね。後片付けしてから行くから先に行っていてくれ」

「了解だ」


 友人の誘いを沢山受けれるようになったのは嬉しいと思う。

 田舎ではこんなことは無かったし、この前までは俺とリザとソフィア、ユキノだけで他にいなかった。

 だから、ここまで人数が増えると賑やかでいいなあ、と思いながら、鑑定機のスイッチを切っていると、


「クロノお疲れさま―」


 リザが話しかけてきた。


「お疲れっていうほど疲れる何かをしてませんけどね」

「あ、あはは、魔王のダンジョンに入った後にそれを言えるのは、クロノくらいだね……。というか、クロノが古代文字を読めるとは、びっくりしたよ」

「俺も方言字が古代語として扱われていることにびっくりしましたよ。田舎すぎて、現代から離れた言語を使っていたんだろうなって」


 そう考えるとちょっと悲しくなってくるが。 


「あー、いや、田舎すぎるから古代語が扱えるようになるっていうなら、田舎でいい!って言う教授は沢山出ると思うなあ……。――っと、言い忘れていたけど、魔王の遺産とリュミエールの依頼達成おめでとう、クロノ」

「ああ、ありがとうございます。無事に見つかって良かったですよ」


 これで幼馴染の泣き顔を見なくて良いと思うとほっとする。

 なんだかんだ知人が悲しむ顔は見たくないからな。とはいえ、


「この調子で、俺の支配契約をどうにかする道具も見つかってほしかったですけれどね」

「そ、そうだねえ……」


 俺の台詞にリザは苦笑いをした。


 魔王の遺産を直す為の魔王の遺産。それさえ見つかれば俺はソフィアやユキノを支配から解放して、そこから問題なく学生生活を送ることができるのだから。


 彼女たちの為にも、そしてもちろん俺の為にも、早い所見つけてしまいたい。

 そんな事を思いながらリザを話していると、


「あ、あの、クロノ、さん。ちょっとよろしいでしょうか?」

「うん? どうしたソフィア」


 先ほどから超特進クラスの部屋から席をはずしていたソフィアだが、何やら一枚の紙を手に戻ってきていた。

ただ、戻ってきた彼女の額には汗が浮かんでおり、息も切れ切れで、明らかな焦りが見えていた。


「青ざめた顔をしてるけど、大丈夫か?」

「うん。もしもダメそうならまだ医務室が開いているから、診て貰うといいよ、ソフィアちゃん」

「は、はい、ありがとうございます。でも、私の方は大丈夫です。――ちょっと大丈夫では無い事態が発生した可能性がありますが」


 そう言ってソフィアは視線を手元の紙に落とした。


「その紙が何かまずいものだったのか?」

「はい。これは、先ほど実家の方から届いたお手紙でして。授業参観しに行くから待っていてくれ、という内容が入っていたんです……!」


 彼女がそれを言った瞬間、隣にいたリザの表情が固まった。

 俺の動きも少し固まった。


 だが、情報を集めなければならない、と俺は即座に再起動して、彼女に問いかける。


「……ソフィア。君のお父さんって吸血鬼の王、なんだっけか」

「はい」

「そして、俺と君が、こういう鎖でつながっているような関係になっていることは、知らないまま、なんだよな」

「はい……。勘違いして、キレて暴れる可能性も、あったので……」


 なるほど。

 一難去ってまた一難というべきか。


 とりあえず、予想外の非常事態が発生したようである。



新作が毎日更新なので、そのペースに引っ張られるようにして更新できました。これからペースを保てるように、がんばります……!

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