表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自称!平凡魔族の英雄ライフ~B級魔族なのにチートダンジョンを作ってしまった結果~  作者: あまうい白一
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/130

第10話 増えていく協力者

 朝。俺が応接間の方に向かうと、


「クロノー。おはよー」


 その途中でリザが手をぶんぶん振りながら話しかけて来た。


「おはようございますリザさん。朝から元気ですね」

「はは、元気じゃないと周りの人のサポートが出来ないからね。というわけで、サポート開始ー」

「うお?」


 言いながら、リザは俺の腕に抱きついてくる。


「ちょっと、リザさん? 何のつもりですか」

「だからサポートだよ。今日のクロノの体の調子とか確かめないと、超特進クラスの監督としてはダメダメだしねー」


 そう言って、ぎゅうぎゅうと柔らかな胸を腕に押しつけてくる。

 この魔王様は、こういう肉体的スキンシップを平然とこなしてくるから、少し困るんだよな。


 背が低いとはいえ、色々な個所が色っぽいし。

 気にしない、というのは無理がある。

 健康診断にしてはちょっと刺激が強すぎる。まあ、嫌というわけでもないし、むしろ約得な気分で朝から嬉しいんだけどさ。


 そんな事を思っていると、リザが俺の腕から離れた。


「よーし、大丈夫そうだねー」

「それだけで俺の体調が分かるんですか?」

「うん、サキュバスの能力でね。抱きついただけで元気があるかないかは、これだけで分かるんだよ」


 リザはほほ笑みながら胸を張った。

 サキュバスは色っぽいだけでなく、色々と凄い能力を持っているようだ。


「何というか眼福と役得でした。ありがとうございます」

「いやいや、気にしないでー。今日はダンジョン探索に付いていくことが出来ないからさ」

「あれ、そうなんですか」

「うん。マザーコアのチェック作業があるから。それが終わるまで、ダンジョン探索は出来ないんだ。後から追っていくつもりだけど、ごめんね」

「ああ、いや別に構いませんよ」


 色々と付き合ってくれてはいるが、彼女はこの城の運営をこなしているのだから。忙しい時もあって当然なんだし。


「ただまあ、私に出来る事は何でもするって言ったからね。全力で仕事を終わらせて、協力しに行くし……それに他にも色々と手を打ってみたんだ」

「手を打つって、何かしたんですか?」

「うん、色々やったよ。だから、ほら、こっちに来て、クロノ」


 そう言って、リザは応接間の扉を開けて、超特進クラスの部屋までたどり着く。

 すると、そこには、いつも通りソフィアとユキノ。そして今日から共闘することになっているリュミエールがいた。だが、それだけではなく、


「よっす。クロノ」

「コーディ? それに他の皆も」


 特進クラスの同級生が数名、円卓に座っていた。そして、

 なんでここにいるんだろう、と思っていると、俺の隣でほほ笑むリザが説明してくれた。

 

「昨日で特進クラスの基礎講義は終わりだからね。ここにいるのは、クラスの中から選抜された人でね、今日からダンジョンに潜る人材になるんだよ」

「そうなんですか」

「こうして段々ダンジョンに潜れる人を増やしていくのが、魔王城の教育スタイルだったりするんだよ。クラス分けをしたのは、能力順に鍛え方を変えていくためだしね」


 魔王城の教育システムについては、クラス分けくらいしか知らなかったが、色々と考えて作っているらしいな。そう思っていると、


「……今日から俺達も十代目魔王のダンジョンに行くぜ、クロノ」


 コーディがそんな事を言って来た


「え、いきなり十代目のダンジョンって、何か欲しいものでもあったのか? 普通は初代魔王のダンジョンから体を慣れさせるらしいが」


 どういう基準で選んだんだろう。そう思って聞くと、


「ああ、魔王様もそう言ってくれたよ。――でも、クロノが探し物をしているって話を、聞いちまってな。何を探しているかまでは話してもらってないが、大事なものなんだろ?」


 コーディは苦笑しながらそう答えた。


「私も簡単なダンジョンから慣れていった方が良い、とは言ったんだけどねー。クロノの、友人たちの役に立ちたいんだってさ」


 リザの言葉に同級生たちも頷いた。

 その様子を見て、俺は率直に有り難い、と思った。


「……なんというか、お前ら、本当に良い奴だな」

「はは、よせよ。俺たちだって、クロノの力の使い方を参考にさせてもらって、講義を受けたりしたんだからな。お互い様だ」


 コーディはそう言った後で、もう一度苦笑した。


「……それに、クロノの強さが飛びきりだってのは、オレたちもよく分かっているからな。十代目魔王のダンジョンっていう場所に潜ることに対して、そこまでの不安はないんだ。ダンジョンの中で、クロノの戦いを見させてもらって、参考にさせてもらえればいいって感じでな」

「おいおい、そこまで俺の戦いは凄いもんじゃないぞ?」

「クロノにとっては凄くなくてもオレ達にとっては凄いんだよ。だから、今日から、よろしく頼むぜ」


 喋り終えた後コーディは俺に握手を求めて来た。俺はその手を取り、


「……そうだな。それじゃあ今日は、この大人数で行くか!」

「おう!」


 威勢よく返事をした同級生たちは、我先にと十代目魔王のダンジョンに入っていく。

 その姿を見ていると、ソフィアがとててっと近寄って来た。


「なんだか、凄い人数になっちゃいましたね」

「ああ、そうだな」

「……ふふ、クロノさん、楽しそうな表情をしていますね」

「ソフィアもな」


 これからやるのは宝探しという大変なもので、幼馴染を直すためには重要な事柄なのだが。

 仲間が増えたお陰なのか、俺たちの表情はそこはかとなく明るいものになっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●同時連載作品のご紹介
こちらの連載も応援して頂けると助かります!
最強の預言者な男が、世界中にいる英雄の弟子に慕われながら冒険者をやる話です。
 100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます
https://book1.adouzi.eu.org/n2477fb/

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ