第90章 帰還
門に封印が施されると強い光が覆っていた。
「お父さん、お母さん……出来たよ」
アリシナは涙を流すと倒れるようにエレナに寄りかかった。
エレナはアリシナが意識を失うと指輪から丈夫なシートを出しそこに寝かせた。
『よく頑張ったね……』
ザッ!ザッ!
数人の足跡を聞いたエレナは後ろを振り返った。
『え……』
アルト達だと思っていたエレナはその場にいたセリア達を見ると不意をつかれ涙が頬を伝った。
「エレナァー‼︎」
セリアはエレナに飛び込んで行った。
「エレナ、エレナぁ」
セリアはエレナをしっかりと抱き締めると後からマイナも泣きながらエレナに抱きついた。
「本当に……心配したのよ」
『セリア、マイナ……うぅ』
エレナは涙が止まらず、ずっと泣いていた。
サラは涙を流してその光景を見ていると隣に来たユギルに寄りかかる。
ユギルはそっと肩に手を回し微笑んでエレナ達を見ていた。
サラとユギルはエレナ達に近づいていく。
『サラさん、ユギルも探しに来てくれたんだね』
「ふん、お前がしぶといのは知ってたからな」
『皆んなありがとう』
「帰りましょう。私達の家に」
セリアはエレナにしがみついたままそう言うとエレナは頷く。
『うん、この子を送ったらね』
エレナ達はアルトや王子達に門の封印を伝え、喜び合うと村へと向かった。
「エレナ殿この子とこの大陸を救ってくれて感謝する」
村長はアリシナを布団に寝かせると頭を下げて礼を言った。
『アリシナ凄く頑張ってましたよ』
「そうか……この子は両親の使命を叶える為に必死にやってきたんじゃ」
『もう暫くは魔物はこの大陸には来れないんですよね?』
「うむ、前回封印を強化したのがワシの父上でな後100年は大丈夫じゃ」
エレナ達はほっとすると村長はあるお願いをエレナにした。
「エレナ殿一つ頼みがあるのじゃが聞いて貰えないかの?」
『何ですか?』
「アリシナを連れて行って貰えないかの?」
『僕らはこれから別の大陸に向かいますけど……』
「それならちょうどいい、この子は世界に非常に興味を持っていましてその願いを叶えてやりたいんじゃ」
『アリシナがそう望むなら責任を持って守ります』
「ありがとう」
エレナ達は皆で集まって話をしていた。
テーブルにはセリア達と向き合う形でアルトと王子達が座っていた。
お互いに自己紹介をするとエレナはルヴォス大陸からここに来た経緯を話した。
「なるほど、向こうの大陸でも魔物が暗躍していたんですね」
話を聞いたロイズがそう言うと隣のハラントが話を続ける。
「でもエレナさんが偶然にもここに来ていなかったらと思うとゾッとするな」
「そうだな、今頃は魔物の棲家となっていただろうな」
『これから何ですけど一度ルヴォス大陸に帰ります。あっちではまだ行方不明になってて皆心配しているので』
「そうですね、僕らも自分の国に帰りこの事を報告してきます」
『今日の夜は皆でパーティでもして親睦を深めましょう』
「いいわね‼︎ 久々にエレナの手料理が食べれるわ!」
セリアは嬉しそうに言った。
エレナ達は解散すると皆それぞれ何処かに向かって行った。
エレナはアリシナの様子を見に行くとちょうど目を覚ましたところだった。
『アリシナ、大丈夫?』
「はい、まだ少しだるいですけど」
『門は封印出来たし皆んなも無事だよ』
それを聞いたアリシナはホッとした表情でよかったと胸を撫で下ろした。
『これからご飯作るからゆっくり寝ててね』
「ありがとうございます」
エレナは村長の家の庭に料理道具を出すと料理を始めた。
『今日はいっぱい作るぞ〜』
嬉しさのあまりエレナは張り切っていた。
その頃アルトと王子達はユギルに話しかけていた。
「ユギルさん俺達に剣を教えてくれ」
「いいだろう」
キン‼︎
キン‼︎
アルト達はユギルの指導を受けていた。
「まだまだ動きに無駄が多いぞ‼︎」
4人は必死に訓練を受けていた。
夜になると疲れ果て倒れた4人は息を切らしながら清々しい表情で夜の星を見ていた。
「凄かったなユギルさんは」
「ああ、まだまだ強くなれる気がするよ」
「ふっ世の中にはあんな化け物がいるんだな」
村の広場にはエレナ達女性チームが作ったパーティ会場が出来ていた。
全村人も集まり久々に村には賑やかな雰囲気が出ていた。
皆が集まると村長が声を上げた。
「皆の者今日このエレナ殿達と我が孫娘のアリシナが洞窟の門を無事に封印し直すことが出来た」
周りの村人からは歓声と泣く声が聞こえた。
「皆も今までよく付いてきてくれた感謝する。エレナ殿がこのような場を作ってくれたので今日は盛大に騒ごうじゃないか!」
「「おお‼︎」」
かくしてパーティは始まり皆笑い合い使命を果たした事を讃えあい喜んだ。
セリア達と王子達も話をしており仲が深まったようだ。
アリシナも参加している、椅子に座って料理を頬張っていた。
エレナは最後に花火を打ち上げた。
大空に咲くフィナーレの花火を皆思い思い見つめていた。
パーティが終わるとエレナはセリアとマイナに挟まれて布団に入った。
ふたりともエレナにしっかりと抱きついている。
「夢みたい、またこうしてエレナと一緒にいられる……」
セリアは嬉しそうにエレナの肩に顔を埋めた。
「そうね、もう絶対に離さないわ」
マイナも同じようにもう片方に顔を埋めた。
『ふたりとも大好きだよ、もう離れないから』




