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第82章 魔物の侵攻

 ハラント達は試合が終わると負けた事にショックで座り込んでいたが体から黒い光が漏れていた。


「おいハラントお前の胸から黒い光が漏れてるぞ」


「ん? 本当だ! ってお前もだぞ」


「あ、俺も! うわ‼︎」


 やがてその光は強くなっていきそれぞれの服を破り黒い光を放つ宝石がクルクルと回りながらリングの中心に向かうと会場を暗い闇が覆いかぶさる様に闇に染めて行った。


『何だ!』


 異変に気付いたエレナは笑い声が耳に入るとその方向に視線を移した。


 視線の先、リングの真ん中に黒いローブを着た者が数人立っていた。


 エレナはその姿がカダル王国で戦った魔物と重なり警戒を強めた。


「さて、これから地獄のショーの始まりだ‼︎」


 先頭にいた男が手をかざすと大きな魔物があらゆる場所から現れ会場は怒号と悲鳴が飛び交っていた。


「逃げろ‼︎」


「ダメだ‼︎ ここから出れないみたいだ! 入り口は人で溢れてる‼︎」


「くそ‼︎ これで終わりか……」



 エレナは指輪から聖剣を取り出すと全てのマナを解放した。


 エレナは聖剣にマナを流すと聖剣の意志が流れエレナは微笑んだ。


『ふふ、暴れたかったんだな。いいよ! とことん暴れてやる』


 エレナはマナを纏うと物凄い速さで飛ぶように魔物に向かっていった。


 会場にいた魔物は100体はいたがエレナは聖剣を振り回し次々と魔物を一撃で葬りさっていくと場内は段々とその光景に驚きと危機を救ってくれたエレナに歓声が起こる。


「凄え‼︎ 魔物を一撃で‼︎」


「勇者だ‼︎ 彼女は勇者だったんだ‼︎」


 数分も経たないうちにエレナは全ての魔物を葬るとリングに降り立った。


 ローブの者達はまさかの展開に驚きを隠せずにいたが先頭にいた男はローブを取るとその姿を表した。


『思った通り魔物だったか』


「この世界にお前の様な奴がいるとはな……計算外だ」


「お前ら行け‼︎」


 そう男が指示すると後ろにいたローブを着た者達はエレナに襲いかかって行った。


 ザシュ‼︎


 ザン‼︎


「グァ‼︎」


「ギェ‼︎」


 エレナが圧倒的な力でローブの者達を切り捨てて行く中魔物の男は頭で考えを巡らせていた。


(何だあの女は‼︎ あの強さは危険だ、あの手を使うか……)


 男はエレナを睨むと薄ら笑いを浮かべた。


「いい事を教えてやろう! 後数日もすればこの大陸に俺達魔物の大陸より数万もの魔物が侵攻するだろう‼︎」


『何だって……』


「大人しく殺されるか他の大陸に逃げるんだな‼︎」


「うおー‼︎」


 ザシュ‼︎


「ギャ‼︎」


 男はエレナに向かって攻撃を仕掛けるが聖剣によって真っ二つにされ消えていった。


 ブゥーン


 エレナは闇に飲まれた。


『これは‼︎ あの時の!』


 エレナをこの大陸に連れ去った術に最初は焦ったが聖剣から意志が流れると剣にマナを流し地面に突き刺した。


 パァー‼︎


 地面から光が溢れるとエレナを纏う闇を打ち払うと共に会場も光によって闇が消えていった。


 そうして波乱の武闘大会が終わるとエレナの活躍が街中に伝わり街はお祭り騒ぎになっていた。



 次の日の朝エレナとアルトはデュアルに呼ばれていた。


「おう‼︎ 来たか勇者様よ!」


 デュアルはそうエレナを見てニヤニヤ笑いながら言った。


『勘弁してよ! 皆んなにそう言われてるんだからさー』


 エレナが苦笑して部屋を見ると3人の鍛冶屋の親方の他に知らない年配の男が座っていた。


(多分この前話してた師匠って人かな?)


「はは、悪い悪い」


「紹介しよう師匠のジンだ!」


 デュアルは年配の男をエレナ達に紹介した。


「よろしくなお嬢ちゃん、早速だがマナはまだ全然使えるか?」


『え? うん大丈夫だけど』


 エレナはいきなり何だろ? と不思議に思いながら答えた。


「師匠に小僧の剣を見てもらったんだがその解決策が分かったんだ」


 ゴルスタが話すとアルトは思わず声を上げた。


「本当か!どうすればいい!」


「落ち着け、この剣のはマナが足りないんだよ」


 ジンは剣を手に取り話し始めた。


「だがこのくらいの剣になると相当なマナが必要となってくる」


「それで昨日武闘大会を見てた時にお嬢ちゃんのマナならいけると思ったんだよ」


 エレナは剣を受け取るとマナを流し始めようとしたがどのくらいのマナが必要か分からなかった。


『どの位流せばいいのかな?』


「まあ剣がマナの流しすぎで壊れることはないから全力でもいいぞ」


『そっか』


 エレナは体のマナを解放すると一気に剣にマナを流した。


 パァ‼︎


 剣は光に包まれていくと輝きを取り戻した。


「「「おお‼︎」」」


 デュアル達は一斉に声を上げて剣を見ていた。


「上出来だ!これでこの剣は復活した」


 エレナはアルトに剣を渡す。


「助かった。俺はこの剣に認められるような剣士になる」


 アルトはデュアル達に頭を下げた。


「世話になった」


「何、俺達も久々に夢中になれたものができて楽しかったぜ!」


 デュアルの鍛冶屋を離れると今度はリチーナ学園に向かう。


 今日は休みなので誰も学園にはいなかった。


「やあ!」


 学園長室に入るとリッドが笑顔でふたりを迎えた。


『話って何ですか?』


 リッドは今回の事件の全容を話し始めた。


「ああ、今回の事件だがどうやらガゼル学園の仕業らしい」


『魔物と手を組んだと?』


「いや、利用されたといった所かな僕もジーズ学園長の様子がおかしかったから納得したよ」


『じゃあその学園長を問い詰めないと……』


 エレナの言葉にリッドは黙り込んだがやがて重い口を開いた。


「ジーズ学園長は死んでいたよ、魔物に利用された者の末路だ、他の関係者も学園長が独自に対応していたらしくて何も知らないらしい」


『今まで散々悪どいことをやってたからね、だから魔物が接触してきても気付けなかったんだ』


「ああ、そうだね……これで色々学園の在り方も変わって行くと思う、いや変えてみせるよ」


 リッドは思い出したようにもう一つの用件を話そうとするがその表情は言いづらいといったものだった。


「そうだ、ええっと……君達にもう一つお願いがあるんだよ」


『何ですか?』


「いや、私からというわけじゃないんだけど……」


 エレナはリッドが頼み辛そうにしていて少し嫌な予感がした。




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