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第76章 大会前夜祭 後編

 エレナは親子を見送った後、後ろを振り返った。


 すると3人の同い年くらいの青年がエレナをジッと見ているのに気付いてエレナは立ち止まってしまった。


 よく見ると3人とも豪華な服装をしていて顔もイケメンだった。


 貴族の子供かなと思いながら歩いて3人の横を通ろうと思ったが3人が道を塞いでいて通れないのでエレナは別の道に変えようとすると3人の視線が同時に動く……


『く、あははは!』


 エレナはあまりにも3人が同じ動きや表情をするので堪えていたが思わず笑ってしまった。


『ごめんなさい、あまりに同じ動きをするから笑ってしまって』


 すると3人は我に帰り顔を見合わせ皆で「はは!」と苦笑した。


 ハラントはエレナに近づくと跪いて挨拶をした。


「私はザザーラン王国の第一王子ハラントです。あなたのお名前は?」


 そしてロイズとカイジスも同じ様に挨拶をする。


「私はロックス王国の第一王子ロイズです」


「私はバイシュ王国の第一王子のカイジス」


『皆さん王子様だったんですか。私はエレナといいます。王族でも無ければ貴族でもないのでそんな挨拶をしなくても……』


「いえ! あなたの様な方にはこれが相応しいと思いまして!」


 ハラントはキザなセリフをサラッと言う。


「見ましたよ! 凄いですねマナで傷を瞬時に治せるなんて!」


 ロイズは興奮した様子でエレナに話しかけた。


「そうだな、それに見返りも求めずに当たり前の様に助ける姿に感動した」


 カイジスもエレナの行動に感心していた。


「エレナさんはここで何をしていたんですか?」


 ロイズに聞かれるとエレナは恥ずかしそうに答えた。


『えっと、友達とはぐれてしまって探していたんです』


「エレナさん! お願いします! 友達が見つかるまで一緒に街を回りませんか!」


 ハラントは思いっきり頭を下げて頭を上げずに返事を待っていた。


 エレナは王子様にそこまでされて断る事が出来ずそれを受ける事にした。


『まあ、見つかるまでなら……』


「うおお‼︎ やったー‼︎」


 ハラントは子供の様に嬉しさを爆発させ、周りのカップルから冷たい目で見られていた。


 エレナは街に来てそんなに経っていないと言うとハラント達に街を案内されていた。


 食事の美味しい店や雑貨屋などを教えてもらい歩きながら話していた。


 ハラントは最初チャラい人だと思っていたが実は真面目な一面もあり好青年といった印象に変わった。


 ロイズはまだ少年の様な部分もあったが素直でこちらも好印象だった。


 カイジスは言葉少ないが話していて人格者だと分かる、エレナが微笑みかけると顔を真っ赤にするあたりアルトに似ていた。


「あ! お姉ちゃんいた‼︎」


 ルトが見えたのでエレナは手を振ると3人を見て頭を下げた。


「見つかったのでここで失礼しますね、案内ありがとうございました』


「いえ! こちらこそありがとうございました! 楽しかったです!」


 ハラントは笑顔で答えた。


「また会いましょう‼︎」


 ロイズがそう言うとエレナは笑顔で頷き走って行った。


 3人はエレナの姿が消えるまで見つめていた。


「あんなに可愛いのに性格も最高だったな……」


「優しくて、いるだけで場を和ませてくれる……」


「俺の様な気難しそうな奴にも気さくに話しかけてくれた……」


「よし‼︎ 明日はエレナちゃんにいい所を見せないとな‼︎」


 ハラント達はまだ終わらない祭りを背に帰って行った。




 デュアルの鍛冶屋では3人で師匠が来るのを待っていた。


 コンコン


「俺だ!」


「おっ! 師匠が来たぞ!」


 デュアルは玄関の扉を開けると大きな男が立っていた。


「おう! お前ら元気そうじゃねえか‼︎」


 男が3人を見て言うとガダンも笑顔で答える。


「ジン師匠も相変わらずだ! もう酒もいっぱい用意してあるから今日はとことん飲むぞ!」


「ふん! 用意がいいじゃねえか! 良いことでもあったのか?」


「流石師匠は分かってるねぇ」


 ゴルスタはニヤリとしてジンを見た。


「毎年毎年来る度に腐った顔してたからなぁ! 今日はガキみたいな輝いた顔しやがって!」


「話が早い! 師匠に見てもらいたい剣があってな」


「ほう? お前達でも手に負えない大物か?」


 デュアルはアルトの剣を持ってくるとジンは手に取りジッと見ていた。


 段々顔が真剣なものになっていくが……やがてガハハ! と笑い出した。


「コイツはどえらい物を引き受けたな!」


「どうですかい? 俺達にはここが限界だ!」


「そうだな……あとは……」


「なるほど‼︎」


 話を聞いたデュアル達はとりあえず明日にしようと朝まで酒を飲んで語り合い明日の武闘大会を迎えるのであった。







 ガゼル学園の学園長室ではジーズが豪華な椅子にもたれかかり笑みを浮かべていた。


「くくく、これで優勝できるぞ! はははは‼︎」


 目の前の机には怪しげな黒い宝石が3つキラリと不気味な光を放っていた。







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