第60章 最終決戦
巨大な魔物がエレナ達に近づいた時、低い声がエレナ達の耳に入った。
「お前達は誰だ? 何故そんな力を持っているのだ」
『誰だ‼︎』
瓦礫の上から黒いローブを着た男が現れフードを外すとその容姿に皆が驚く。
「あいつは魔物か!」
「話せるような魔物もいるの……」
「魔物は知性が低いが俺のような特別な奴はごく一部だ」
「何の用だ? 降伏でもしに来たのか?」
ユギルの挑発に魔物は薄ら笑いを浮かべた。
「バカめ! コイツだけでは不利みたいだからなぁ俺がいれば勝てるさ」
『お前達は何がしたいの? この世界では別に人が魔物を滅ぼすような事はしていないじゃないか』
「分かっていないようだがこれは本能だ、魔物は人など容易く倒せ魔物がこの世界を支配するはずがお前達のような特殊な力を持った奴らが現れた、俺はそいつらを根絶やしにする為にこの大陸に来たのだ」
『じゃあラーガ一族を滅ぼしたのも……』
「ククク、俺がこの国を乗っ取ってやったのさ」
「コイツが元凶だったのか‼︎」
ユギルは怒り剣を構えた。
「ふん! お前達を倒せばこの大陸は俺達の物だ‼︎ みんなまとめてコイツの餌にしてやる!」
エレナ達は怒りに燃えていた、悲しみを生んだ戦いに終止符を打つべく武器を手に気合が入る。
『許さない‼︎ 皆んな行くよ‼︎』
「私も怒ったわ‼︎」
「こんなのに負けられないわ!」
「……ラーガのみんなの仇絶対に取るわ‼︎」
皆気合いが入るとエレナは戦う相手を指示する。
『ユギル! ふたりでアイツを、セリア達はあのデカいのをお願い‼︎』
「分かったわ‼︎」
「あのムカつく奴は任せたわ‼︎」
「気をつけてね!」
エレナとユギルは黒いローブの男に向かって行った。
男は体を変身させた。
体は3メートルになり大きな鎌を持っていた。
ユギルはそれを見て声を上げた。
「お前はあの時の‼︎」
『知ってるの?』
「ああ、俺が100年前に森で戦った奴だ! 倒したと思ったが……」
『それってサラさんに会う前に瀕死になったっていう……』
「だが俺達2人なら勝てる! 行くぞ‼︎」
サラ達は古の魔物と戦っていた。
セリアは弓でサラとマイナはマナで攻撃を仕掛けていた。
「攻撃は当たってるけど聞いてないのかしら?」
「そうね何か弱点があるはずよ!色々なマナをぶつけてみましょう」
「分かったわ!」
三人は炎や氷など属性攻撃を仕掛けるが効いている気配がなかった。
セリアは矢を放つがスライムのように貫通してしまった。
「物理も効かないわ‼︎」
焦っていたセリアに突然魔物から触手が鋭利な刃物のように伸びて迫った。
「危ない‼︎」
マイナが叫ぶとセリアの横からデカい魔物が飛び出してきてそれを切断した。
「え?」
セリアは呆然とその魔物を見ていたがすぐにフェイと気づいた。
「フェイちゃん?」
フェイはセリアに近づくと体をすり寄せた。
セリアは体を撫でると嬉しそうにフェイは鳴いた。
「フェイちゃんありがとう!」
「ギュゥ‼︎」
フェイはデカい魔物に向かっていく。
素早い動きと攻撃で魔物を翻弄していた。
サラはフェイが時間を稼いでる隙にマイナとセリアに近づくと話しかける。
「二人ともあれをやるわよ」
「分かったわ」
「全力で行きましょう」
ラーガの術を放つ為三人はマナを溜め始めた。
「向こうは大丈夫か? 苦戦しているみたいだぞ?」
魔物の男は余裕ある笑みを浮かべエレナに攻撃を仕掛ける。
『あんなのに負けるわけないだろ‼︎』
聖剣を振ると魔物の手を切り裂いた。
「グガァ!」
「もらった!」
「く!」
ブン!!
ユギルの追撃を何とか避けた魔物は明らかに焦っていた。
(まずいな、やはりこの女は危険すぎる!)
『ユギル一気に行くよ‼︎』
「ああ‼︎」
エレナとユギルはオーラを纏い剣を構えた。
フェイが魔物と戦っている間三人は術を発動した。
「フェイちゃん離れて‼︎」
セリアの叫び声にフェイは思いっきりジャンプして魔物から離れた。
ラーガの秘技である消滅術が三人から放たれ大きな光の球が魔物に向かって飛んでいった。
ドゥーーン!!
魔物に当たると魔物の存在を消すようにそこから先は何も無く丸い球体が通ったところがくり抜かれたように消えていた。
「やったわ‼︎」
「ふふ」
「良くやったわふたりとも!」
三人は初めて放った大技での勝利に大きな声を出して喜んだ。
それを見た魔物の男は驚愕の表情を浮かべる。
「何だと‼︎ あんなに簡単に!」
『今だ‼︎』
エレナとユギルはその一瞬の隙を見逃さずに一気に突撃して魔物の体を切り裂いた。
「ギャァー‼︎」
魔物は断末魔をあげながら体を四散させて消えていった。
『終わった……』
エレナが振り返ると皆が笑顔を見せ、勝利の喜びを分かち合った。
『さあ帰ろう! 皆んなの所に!』
「うん‼︎」
エレナは気付いていなかった……魔物が死ぬ間際に術を発動していた事を。
ブァ‼︎
突然エレナの周囲が黒い霧に包まれた。
「エレナ‼︎」
セリア達は突然の事でどうしたらいいか分からず体が動かなかった。
『何だ! か、体が……』
フェイが助けようとエレナの方へ突っ込んで行ったが霧の中に一緒に閉じ込められてしまった。
「フェイちゃん‼︎」
そしてその霧はエレナを連れて上空に向かって消えていったのだった。
「エレナァァーーー‼︎」
セリアの悲鳴が辺りに響く。
どんどん上空に上がってくと次第に息が苦しくなりエレナの意識が遠のいていった。
(こんな所で……)
ルヴォス大陸編 完




