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第49章 聖剣

 瓦礫を避けながら進むと大きな広場に出た。


 そこから更に奥に進むとサラの足が止まった。


「ここが私の家があった所よ」


 サラはある場所に行くとマナで草を焼き払う。


 そこには取手のついた蓋のような物があった。


「ユギルお願い」


「ああ」


 ユギルは取手を持つとギギギと音を立てて開いた。


 エレナが覗き込むと下に降りる階段が見えていた。


「行くわよ」


 エレナ達が降りて行くと下に扉がありサラは術をかけてカチャっと開く。


 中に入ると剣が1本祀られているように飾られていた。


 サラはそれを取るとエレナの前に来て言った。


「これは代々伝わる聖剣よあなたが使って、マナが強い人ほど剣も力を発揮するわ」


『じゃあサラさんが使った方が……』


「あなたはあなたが思っている以上の力があるわ。自信を持って」


 サラはエレナに底知れない力を感じていた。それに気づき聖剣を託す事に決めたのだった。


「言ってなかったけどあなたは私やクレイそれにお父さんお母さんを解放する度に力が上がっているのよ……まだ力を扱いきれていないだけ」


『でも剣は使えないですよ』


「ふふ、いるじゃない、いい師匠が」


 サラはユギルを見て微笑んだ。


 ユギルは嬉しそうにエレナを見る。


「任せろ俺がしっかり面倒を見てやろう」


 アステシア達のしごきを見ていたエレナはサーっと血の気がひく。


『お手柔らかに……』


 エレナは剣を受け取るとマナを流してみた。


 すると剣は光に包まれる。


「剣もあなたを気に入ったみたいね」


 エレナはロッドをサラに返した。


『これ、ありがとうございました』


 サラはロッドを大事そうに受け取る。


「これはラーガに伝わるロッドなの、私もお母さんから受け継いだのよ」


 日も暮れ始めたのでサラはここで野宿がしたいと言って来たのでエレナは広場にコテージを出した。







 エレナ達が寝静まった後コテージから出る人影があった。



 夜空を見るとあの頃のままだった。


 私の足が勝手にあの場所に向かっている。


 まだその場所に続く道は通れた。


 そこに近づいている間あの頃の映像が頭に浮かんでくる。


 いつも楽しく語りあったあの場所。


 あなたはいつも私より早く来て湖を眺めていたわね……。


 そしてその場所に着くとあの頃のようにあなたは湖を眺めていた。


 私が近づくとあなたは振り向いて私を見る……。



「サラ……お前が好きだ」


 私は嬉しいのを必死に抑えて少し意地悪な顔をした。


「もっと早く言って欲しかったわ」


「すまない」


「ごめんなさい嘘よ、あの頃それを言えなかったのよあなたは……私の使命を知っていたから」


 サラはあの頃のふたりの距離がもどかしかった、使命という壁はふたりの距離を決して縮める事はなかった。


「それにもし言われていたら私は揺らいでしまったかもしれない」


 ユギルは顔を横に向けた。


「お、お前はどうなんだ?」


(もう私にそこまで言わせたいのかしら)


 サラはユギルの前に来るとユギルの唇に指を当てる。


「あんな事までしたのに言わせる気?」


「あ、あれは術でしなくてはならないと……」


「術をかけるのにそんな事するわけないでしょ」


「な!」


(ふふ、もう意地悪はここまでにしようかな……)


「私もあなたが好きよ」


「サラ……」


 サラは目を閉じると少し背伸びした。


 ユギルはサラを抱き寄せキスをした。



 あの頃、少し離れて座っていたふたりは今は寄り添うように座りサラはユギルにもたれかかっていた。


「ねえユギル」


「なんだ?」


「この戦いが終わったら私旅がしたいな」


 サラはいつも夢見ていたことをユギルに話した。


「色んな所に行って色んな事を体験をしたい……」


「任せろ……何処にでも連れてってやるさ」


「嬉しい……」






 朝起きるとエレナはいつものように朝食を作っていた。


「おはよう」


 サラがエレナの後ろから声をかけてくる。


『おはようございます』


「いつも早いのね」


『皆んなの朝ご飯を作るのが日課になっちゃって』


「ラーガの力を集めてくれてありがとう。あなたがいなかったら復活は出来なかったかもしれないわ」


『いえ、ユギルにも助けてもらってるしサラさんにも色々助けてもらいました。当然ですよ』


「あなたは不思議な人ね、皆をその優しさで惹きつけ幸せにしてくれる。あの子達が好きになるのも分かる気がする」


『でも、僕は女なのにいいのかな。子供も出来ないし』


「人の幸せはいっぱいあるの、子供だけではないのよ。その人が幸せに感じられるならいいじゃない」


『まあ考えてもしょうがないですね。僕は今とても幸せです』


「私も今が1番幸せかもしれないわ」


『ユギルとは通じ合えたんですか?』


「ふふ、まあね」


(サラさん凄くいい顔してる)


『じゃあそろそろ皆んなを起こしますかね』


「いい匂いだわ。私が起こしてくるわね」


 ご飯を皆で食べた後エレナは早速剣の練習をしていた。


 ユギルに素振りを1000回だと言われて汗だくになって剣を振っていた。


「もっと脇をしめろ!」


『ひぃ!』


 サラはマイナに攻撃系の術を教えていた。


 セリアもユギルに弓を教わり皆で特訓をしていた。


 お昼を食べている時エレナは皆に聞いた。


『これからどうしようか?』


「そうね一度ポーラトールで情報をもらいましょ」


 サラの提案にエレナも同じ考えだった。


『確かに、皆んなはいい?』


「私は賛成だわ」


「私もいいわよ」


 ユギルも頷いた。



 馬車は南西に向けて動き出した。


 少し時間が経つと馬車が急に止まった。


「おい、実戦だ」


 外からユギルの声がした。


 エレナが外に出ると魔物が歩いていた。


「お前だけで倒してみろ、だが聖剣はダメだこの剣だけでな」


 そう言ってエレナに鉄の剣を放り投げた。


『行ってくる!』


 エレナはマナを纏い魔物に向かって行った。


 魔物を倒して戻ってくるとまた馬車が走る。


 そうして道中魔物が出るとエレナが退治して経験を積んで行ったのだった。




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