第38章 再出発
『明日は旅に出発か……』
エレナは今昨日買ったマナの充電器3つを設置する為孤児院に向かっていた。
(話だと1つでも30日はもつと言ってたから3つあれば俺がいなくても当分は大丈夫だろう)
『今日は午前中に孤児院の引き渡しをして、お昼後にみんなに案内して夕食は完成祝いだ』
エレナは孤児院に着くとマナの充電器を風呂場とキッチンに設置してもう1つは予備として倉庫に置いた。
それに買って置いた日用品を倉庫に収納していく。
(ああ、楽しいなぁ、引っ越しで新しい家に家具とか小物を配置するのっていいよね)
お昼を教会の食堂でみんなで食べるとエレナは立ち上がる。
『よし! 孤児院に行こう!』
「「「おー!」」」
子供達はみんな楽しそうに騒ぎ出す。
昨日エレナは皆んなに荷物をまとめて置いてもらった。教会には多くの荷物が積まれていたがエレナは一瞬で指輪に収納していったのだった。
孤児院にみんなで入ると歓声が上がった。
「凄い! 何これ! ここに今日から住めるの⁉︎」
メアは信じられないといった顔でエレナに聞いた。
『そうだよここが皆んなの家だよ』
「わぁー‼︎」
子供達は広間を走り回っていた。
エレナはみんなに風呂場や食堂など周りながら説明していった。
その豪華さに驚くのは当然ランスやシェリーの大人とメアだった。
「もう高級な宿より豪華ですよこれ!」
メアは一通り回った後興奮して喜んでいた。
『じゃあみんなは自分の部屋に荷物を運んでね』
「「「はーい!」」」
ステラの家族とメアは自分の荷物を部屋に持っていった。
エレナは子供部屋に子供達の荷物を運んだ。
子供達は外に遊びに出て行くとエレナはメアとシェリーの3人でまだ使用されていない綺麗なキッチンに向かった。
『さて、みんなで料理だね』
「はい!」
「宜しくお願いします」
3人は分担して料理を作った。
そして夕方になると子供達が泥だらけで帰ってくるので風呂に行かせた。
風呂は貴族の屋敷か町に銭湯のようなものがあり普通の家庭にはない、子供は初めての風呂に興奮して遊ぶ始末だったがランスが一緒に入っていたので問題なかった。
ちょうどその頃アステシアとユーリアが帰ってくるとふたりは大きな声を発した。
「スゲー‼︎」
「な、何ですかこの家は!」
二人は驚いて広間を見渡している。
エレナは声を聞きつけて出迎えるとふたりに提案した。
『お二人ともここで暮らしません?』
旅に出る間の防犯を気にしていたエレナは警備をどうするか悩んでいたのだがその解決策を思いついたのだ。
「え⁉︎」
「は⁉︎」
『ここにはお風呂もあるんですよね〜』
「「お風呂⁉︎」」
『でもここの警備と子供の教育が条件ですけどね』
「「やります!」」
(よしよし……これで警備は万全だ)
『じゃあ3人とも体洗って来て下さい。その間夕食の準備をしますから』
エレナ達が夕食の準備をして終わる頃にはみんな集まっていた。
『じゃあ始めますか、明日からまた旅に出るけどみんないい子にしててね。ランスさん達の言う事よく聞くんだよ?』
「「「はーい」」」
『よしよし、じゃあセリアお祈りをお願い』
「うん」
皆でお祈りをした後賑やかな食事を始めた。
「うんめー‼︎」
「美味しいですぅ!」
アステシアとユーリアは凄い勢いで食べていく。
「美味え料理に風呂なんてここは天国か……」
「もうここから出られなくなっちゃう〜」
食事が終わり子供達は寝る準備を始めた。
そして子供達が寝ると女性陣でお風呂に入る事になった。
エレナは心は男なので脱衣所では目のやり場に困りドキドキしながら服を脱ぐが皆は普通に脱いで風呂場に入って行った。
(ここは天国かな?)
自分の体にようやく慣れて来たがセリアの裸など見たら変な気分になってしまいそうなので直視できず、顔を赤くするのも変に思われそうなので平静を装っていた。
大きな湯船にみんなで浸かっているとメアは周りを見て何か沈んでいた。
「はー、みんな胸が大きくていいなぁ私全然ないから……」
メアは自分の胸に手を当てる。
「メアちゃんはまだこれからですよ私はもう望み薄ですし……」
ユーリアは自分の胸に手を当て悲しい顔をして言った。
(ユーリアさん別にそこまで小さくないと思うけど……隣のアステシアさんとシェリーさんは大きいからそう思っちゃうのかな)
アステシアは自分の大きな胸を上下に揺らしてメアとユーリアに爆弾を投下した。
「こんなのいらねえよ重くて動き辛いしさー」
「キィーーーー! 悔しい!」
「殺意が湧きますね」
(メア、ユーリアさん……目が怖いよぉ)
『そ、そういえば訓練はどう?』
戦争になりそうなのでエレナは話題を変えた。
「おう! お陰で凄いレベルアップした感じがするな!」
「本当ですねユギルさんて本当に強くて教え方も上手いんですよ」
「そうなんだよ剣も弓も超一流なんて何者なんだろ? 相当有名なはずなんだけど聞いた事ないんだよな」
「そういえばかなり昔に単独で行動するメチャクチャ強い冒険者がいたって伝説はありましたね、ギルドでも有名で確か深海の森に行ったきり帰らぬ人になったって……名前もたまたま同じだけど」
(ユギルの事だなそれ……)
そうして雑談をするうちにのぼせて来たので風呂から上がると皆は自分の部屋に入って行った。
コンコン
エレナは自分の部屋のベッドに横になっているとドアがノックされる。
「私……入っていい?」
『セリア……どうぞ』
ガチャ
ドアが開くとセリアは枕を持って現れた。
「一緒に寝ていい?」
『もちろん』
エレナは笑顔で布団を上げた。
セリアは布団に入るとエレナに寄っていく。
「あったか〜い」
気持ちよさそうな顔をするセリアはエレナに密着する。
『明日はいよいよだね』
「うん」
『怖い?』
「少し……でもエレナがいるからここで待っているより全然いいわ」
『僕も嬉しいよ一緒にいられて』
「私もよエレナ」
ふたりはキスをするとそのまま少し会話して眠りについた。
次の日エレナとセリアは皆に見送りされ街を出たのだった。
昨日ラバーツから受け取った馬車を引いて少し進むと当然のようにユギルが待っていた。




