53話 お前だけは言うな
「学校での色音さんってどんな感じなんですか?」
なんで俺のこと聞くの?これ水族館の取材なんだから魚の話をしないとダメじゃない?
「そうですね、マサトは・・・・・・色音は遅刻もしませんし授業態度もよく優秀な生徒です」
「そうなんですか、ちなみに学校で色音さんが気になってる人はいそうですか?」
「こいつはそういうのは全く興味がないのかそんな感じは特にないですね」
そんなこと言うんだったら、あなただって独身ですよね?あとマサトって呼ぶのをやめてくれ、まぁ学校バレてる時点で一緒か
「ちなみに先生はご結婚しているのですか?」
よし!ナイス質問だぜ澤
この先生はイケおじという感じで、生徒からも結構人気があるらしい
「・・・・・・まぁ俺のことなんてどっちでもいいじゃないですか」
「そんなはずないじゃないですか、きっとみんな気になってますよ」
「そんなはずないですよね」
この先生澤と花梨ちゃんに頼りに行きやがった、でも多分それは悪手な気が・・・・・・
「私は気になりますよ」
「私も結婚してるのか知りたいです」
その言葉を聞いて悲しそうな顔を浮かべた
「独身です・・・・・・」
「あ!ちなみに彼女の方は?」
「・・・・・・1人もできたことはありません」
なんかこっちまで悲しくなってきたな
多分2人はは先生が結婚してると思ったのだろうが、独身だと思わなかったのだろう、そして励まそうと彼女がいるかを聞いて1人もいなかったというわけだ
「・・・・・・まだまだこれからですよ、頑張ってください!」
「まだ30代前半ならまだまだですよ!」
「30代後半です・・・・・・・・」
「そうなんですか!・・・・・・お若く見えますね」
「「「「・・・・・・・・」」」」
なんでこんな地獄みたいな空気になってるんだろ・・・・・・・
「お待たせしました、チンアナゴそうめん2つと長くて太いそばです!!」
救・世・主‼︎
おそらくこの場にいる4人、ディレクター、カメラマン、そしてテレビを見ているみんなもそう思っただろう
「色音さん!ファンなんで握手してくれませんか」
「そんなことならいくらでも!」
握手をするくらい救世主にならいくらでもしようじゃないか
握手をすると救世主はだらしない笑顔を浮かべてスキップしながら戻って行ってしまった
「やっぱり美味しそうですね!」
「はい!真ん中にいる紙でできたチンアナゴちゃんがとても可愛いですね」
2人はチンアナゴそうめんを頼み、俺は長くて太いそばを頼んだ
個人的に太いそばって好きなんだよね、長くてをメニュー名に入れる意味は分からないけど
結局、昼食を食べた後に生放送は終了して先生は悲しそうな表情を浮かべながら「マサト、お前は青春を楽しむんだそ」と言う、実感のこもった言葉を残して去って行った
なんていうか・・・・・・先生は多分モテてたけど鈍感だっただけな気がするけど
マサトの心の声が聞こえていたらみんなにこう言われただろう
「お前だけは言うな」
「お前だけは言うな」
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ちなみに次回は『澤の日常』です




