30話 友情の勝利
その後も、休憩時間のたびに女子に囲まれて質問責めにされていた
なんとか営業スマイルを続けてやり過ごしていたがついに最難関に突入した
昼休憩という名の関門だ
なんとか一人で食べる方法を考えているとリンが仕方がないな〜、という様子でこちらに歩いて来た
「お兄ちゃん、お昼一緒に——」
「ねぇ、リンちゃんって髪の毛綺麗だよねなんかしてるの?」
助け舟を出そうとするリンの言葉をクラスメイトが遮ってしまった
「え?まぁ毎日ケアはしてるよ。そんなことよりお兄ちゃんと——」
「そうなんだ〜、シャンプーとか何使ってるの?」
リンが足止め?をくらっている内に何人かの女子が俺を取り囲んで来た
「一緒にお昼食べない?」「みんなで食べた方が美味しいから」「早く行こ」
そんな感じで半ば強引に一緒にお昼を食べることになってしまった
リンの足止めをしていた人と目配せをしていたから確信犯だろう
やはり人の団結力は素晴らしい!隙を与えずに一瞬でゲームセットまで持っていかれたぜ
「なぁマサト、今日は俺と一緒に食べないか?」
予想外の人から助けてもらったぜ
「もちろんだ淳、ありがとな」
「購買にでも行ってそのまま外で食べようぜ」
ニカっと笑う淳に思わず惚れそうになってしまったぜ
窮地から救った後の笑みなど男でなければイチコロだろう
「分かった、じゃあ行こうぜ」
教室を出る時に俺に話しかけていた女の子は悔しそうな目でこちらを見ていた
俺たちの友情の勝利だぜ!
「それよりなんで俺のことを助けたんだ?面倒だっただろ」
一応聞いておくとしようか
「そりゃお前が——」
大変そうだったからだよな
「いなくなったら教室に男子が俺しかいなくなるだろ」
・・・・・・何が友情の勝利だよ、自分で言って恥ずかしくなってきたわ
あれ?俺達って友達だよね?
こいつは自分のことしか考えてなかったじゃねぇか
「もしかして俺のために淳君が助けてくれた!とか思ってた?」
こいつここぞとばかりに煽ってきやがる
「そっか〜そう思ってたんだマサトく〜ん」
「・・・・才花さんに連絡しようかな」
「ちょっ、お前それはやめろって!母さんがどれだけ色音ファンか知ってるだろ⁉︎」
「俺のことが好きな程、淳には効果があるかなーと思いまして」
「本当にやめてください、死んでしまいます」
演技はしてなさそうだし、ここまでガチになるってことは相当ヤバイんだろうな
「俺は寛大だから許してあげるよ」
「こんなことする奴のどこが寛大なんだよ」
「ん?」
「なんでもありません、すみませんでした」
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