第32話「絶望に射す雷」
テセウキの世界は、たった一つの音の中で砕け散った。ぐちゃり、と湿って、吐き気を催すような音。それは樹皮が裂け、骨が砕け、命が消え去る、冒涜的なシンフォニーだった。胆汁が喉の奥から込み上げてくる。熱く、苦い。衝撃はただ視覚的なものではなかった。実存的だった。あれは動物ではない。人だった。そして彼は、その人が…
ゴクリ… 喰われるのを見た。
恐怖が彼を麻痺させ、彼のブーツを壊れた木の床へと縫い付けた。床は今や、床の穴から噴き出す黒い水の奔流の下でぐにゃりと歪んでいた。深淵から現れた水棲の悪魔のような第二のドラゴンが頭を上げ、そして、ズルズルと吐き気を催す喉の動きで、リーダーの上半身を丸呑みにした。テセウキは目を逸らすことができなかった。怪物の喉をゆっくりと下っていく、不定形の塊。それは、冒涜的な太陽の残像のように、彼の網膜に焼き付いた。
彼の後ろで、木が裂ける最後の、勝利の音がした。バキィッ! 最初のドラゴンが、ほとんど自由になっていた。
テセウキは凍りつき、緊張病にかかったかのようだった。壊れた木の祭壇の上で、二柱の死の神の間に捕らえられていた。緑の樹液と血の匂いが空気に染み付いていた。ミッカの剣、英雄の武器が、震える手の中で爪楊枝のように見えた。
(俺は…どうすれば…?)
その思考は、麻痺した心の中の、声なき叫びだった。
だが、混沌は彼の答えを待たなかった。残された二人の『樹液の子ら』は、リーダーが殲滅されるのを見て、躊躇しなかった。彼らの細い体が、驚くほどの速さで動く。**サッ!**と、彼らは瓦礫の中から立ち上がった。詠唱が再び始まる。葉の囁きが、今やより鋭く、より切迫した、純粋な復讐の旋律となった。隠された口の上に置かれた細い腕、その指が、母なる樹自身の歌を響かせる。
第二のドラゴンが獲物の残骸を貪っている間、生きた枝がニョロニョロと周りの木から現れ、その関節と顎に絡みつき、ガシッと締め付けた。怪物はバタバタともがき、驚き、森の怒りによって一時的に無力化された。
その短い合間に、一人の『樹液の子』が頭を回し、仲間、まだ壁際でブルブルと震えている臆病者に向かって、シューッと叫ぶような囁きを発した。しかし、もう一人はテセウキの方を向いた。彼の声の奇妙な囁き、ヒュッと鋭く空気を切り裂く音。
「カナタク! カナタカタ!」
彼は最初のドラゴンを指差した。命令は明確で、普遍的で、絶望的だった。
ヌッ…と、ほとんど自由になった怪物が、ゆっくりと向きを変えた。その動きは野蛮で動物的、体はバランスを取ろうとユラユラと揺れ、平たい頭が次の獲物を探していた。視線が交差する。テセウキの目の恐怖が、獣の理性のない飢えと衝突した。
今だ。奴らか、ドラゴンか。
考える時間はなかった。職人である暇はなかった。ズルリと飲み込まれるレグルスのイメージ、熱に浮かされてハァハァと喘ぐミッカの姿、疲れ果てたダイアンヤの顔、そのすべてが一つの、燃えるような決意へと融合した。若き創り手は、残されたボロボロの勇気をグッとかき集めた。ミッカの剣が持ち上がる。オレンジ色の刃が、薄闇の中の希望の灯台となった。スッと、正確な突きの一撃を狙う。
だが、その一撃は決して起こらなかった。
**バラバラッ!と棘の雨が彼の周りで爆発した。テセウキは無理やり動きを止め、そして、心臓と呼吸が同時に止まった。ドラゴンは、最後の一引きで、それを拘束していた枝をバキィッ!**と破壊した。グラグラと向きを変えようともがき、体は野蛮な怒りで揺れた。そして、二人の視線が再び交差した。恐怖に満ちた職人の目と、理性のない飢えた獣の目。
**ズンズン…**と、怪物はゆっくりと歩き始め、テセウキを取り囲み、彼は震える手で剣を上げた。
(もし飛びかかってきたら、首を貫けるはずだ)
その思考は、絶望的な祈りだった。テセウキに命令した『樹液の子』が彼の隣に現れ、その長く細い腕が葉を囁かせる準備をしていた。もう一人は、臆病者を叱りつけ、無理やりグイッと立たせると、テセウキを支えるためにやってきた。キリッと、ほんの一瞬、儚い瞬間、彼らは勝てるかもしれないと感じた。
だが、グォォ…と、くぐもった咆哮が再び響いた。職人の背後で、第二のドラゴンがバタバタと頭を激しく振り回していた。二人の『樹液の子』は、それを拘束するために詠唱に戻らざるを得ず、テセウキの隣には、ただブルブルと震える臆病者だけが残された。
そして、ドラゴンが動いた。テセウキに対する、冷たい飛びかかり。本能が彼をヒョイッと飛びのかせたが、着地に失敗した。彼はドサッという鈍い音を立てて、濡れた木の床に倒れた。それは怪物が待ち望んでいた瞬間だったが、攻撃への恐怖が、彼が考えていた危険な一撃を試みることを妨げた。
剣を支えに立ち上がろうとした時、彼はドラゴンの巨大で太い尾を見た。ビュン! そして、彼は気づいた。自分が標的ではなかったことに。
『樹液の子』、臆病者は倒れ、立ち上がろうとしていたが、腕も足も彼に従わなかった。彼はクタッと自分自身の上に崩れ落ちた。絶望的な行為として、彼は詠唱を試みた。だが、囁きは出ず、葉は響かなかった。
ドラゴンはすぐには殺さなかった。猫がネズミをいたぶるように、爪で彼をチョンチョンと叩いていた。一撃で、小さな生き物はポイッと投げ飛ばされ、胸からゴスッと着地した。起き上がろうとした瞬間、ドラゴンの巨大で筋肉質な右前足が、小さな『樹液の子』の広く頑丈な体の上にズンと乗った。
黒い足、爪を覆う黒曜石がキラリと光り、木と金属板を紙のようにブスリと貫いた。緑色の、濃い樹液がズルッと流れ出した。
そして、キィィィッという生き物の甲高い叫びが、隠された口の下から響き渡った。彼は長い腕で爪をバタバタと叩いた。細く、弱い、小枝のような腕。叩くたびに、動きは遅くなる。甲高い**グルル…**という音は、ますます湿っぽくなり、まるで彼が泣いているかのようだった。ドラゴンは巨大な頭を下げ、顎を開いた。黄色い歯、腐った肉の悪臭。白く、亡霊のような目。
だがその時、見えたのは閃光だった。
**ピカッ!**と黄色い閃光が彼の視界を満たし、世界は一つの動きに集約された。
**シャキン!**と、乾いた、冷たい一閃。
ドラゴンは**ギャアア!**と叫びながら後ずさり、頭を振り、赤い血が噴き出す中をもがいた。その右目は、今や血まみれの裂け目となり、半分に切り裂かれていた。
だが、響き渡った叫びは、怪物のそれではなかった。それは怒りの叫び。
それは、職人のものだった。
片目を潰され、痛みに狂ったドラゴンが爪を上げた。テセウキは死角へと**サッ!とかわした。ミッカの剣で爪を受け流す。ガキン! 足はドンッ!と力強く床に落ち、木を破壊した。そして、二度目の斬撃が来た。ザンッ! 怪物はギャア!**と咆哮し、後ろへ跳び、肩が半分に裂かれていた。
血が刃から滴る。職人はゼェゼェと喘ぎ、アドレナリンが彼を突き動かしていた。
二人はジリジリと歩き、互いを見つめ、取り囲んでいた。狩人の役割をめぐる、静かな対峙。テセウキはゆっくりと、ドラゴンを自分が引きずり出された穴へと誘導していた。
そして、枝がユラリと揺れた。小さく、震えながら、だが十分だった。
瀕死の『樹液の子』の最後の痙攣。彼がかろうじて制御できた一本の枝が、死角から怪物の頭をポンと叩き、それを後退させた。攻撃の瞬間、それは**ザブン!**と水の中へ飛び込み、そして逃げた。
竜の血の悪臭が、湿った空気の中にムワッと重く漂い、テセウキの喉に吐き気を催すような瘴気としてまとわりついた。彼はそこに立ち、ゼェゼェと喘ぎ、体はアドレナリンの余波で震え、ミッカの剣のオレンジ色の刃は、今や彼の手に不可能なほどの重みとなっていた。彼は勝った。だが、勝利は灰の苦い味と死の匂いがした。
グッと、全身の筋肉が抗議する努力で、彼は向きを変えた。『樹液の子』、臆病者は、彼が倒れた場所にキュッと縮こまり、小さく壊れやすい体がブルブルと制御不能に震えていた。テセウキは彼の元へ駆け寄り、ブーツが浸水した木の床をバシャバシャと鳴らした。
「大丈夫か?」彼は尋ね、生き物が立ち上がるのを手伝った。
木でできた存在は答えず、ただブルブルと震え、恐怖に満ち、その滑らかで空虚な仮面は、まだ繰り広げられている混沌に向けられていた。
ゴボゴボ… 破壊された部屋の反対側で、他の二人の『樹液の子』は、絶望的な見張りを続けていた。詠唱、葉の旋律的な囁きが続き、捕らえられた神の怒りに対する、脆い祈りとなっていた。第二のドラゴンは、まだ生きた木に縛られ、ガシガシと激しくもがき、頭を盲目的な怒りで左右に振っていた。リーダーの濃く、ドロリとした樹液、血が、その顎から滴っていた。
テセウキは、その牢獄が長くは持たないことを知っていた。彼らの魔法は限界に達していた。怪物が解放され、始めたことを終える前に、彼はこれを終わらせる必要があった。彼は立ち上がり、剣を握りしめた。冷たい鋼が、彼の新しく恐ろしい決意の延長となった。
彼はドラゴンを仕留める準備ができていた。
だが、最初の一歩を踏み出そうとした時、彼はズボンの裾をグイッと引かれるのを感じた。『樹液の子』の臆病者が、絶望的な力で彼を掴んでいた。
「おい、離せ!」テセウキは文句を言い、逃れようとした。
生き物は彼を放さなかった。その小さく震える体は傾き、全力で彼を根でできた暗いトンネル、球体へと戻る道へと引きずっていた。彼は戦いたくなかった。逃げたかった。
(俺を置いて行かせたくないのか?)テセウキは苛立ちながら思った。だが、彼は気づいた。それは見捨てられることへの恐怖ではなかった。生存本能だった。『樹液の子』は、必死にここから出たがっていた。
テセウキの視線は、恐怖に満ちた生き物と、怪物を抑えようと戦う二人の仲間との間を行き来した。時間がチクタクと引き伸ばされ、圧縮されるように感じられた。(俺は…)
ドゴォォン! その時、生きた木の壁が爆発した。
テセウキの世界は停止し、暴力と混沌の一つのイメージに集約された。彼の目はカッと見開かれ、呼吸が喉に詰まった。冒涜的な黒い水の奔流が部屋に侵入し、飢えた速度で木の床を浸水させた。
ズシン! ズシン! 二つの巨大なシルエットが、新しく開いた穴から落ちてきた。
一体は、鈍く重い音を立てて部屋の床に落ちた。もう一体は、怒りと鱗の雪崩となって、その前に着地した。だが、その怒りは、彼らを狩るためではなかった。
結局のところ、それはすでに獲物を得ていた。
バタバタと、倒れたドラゴンは苦悶にもがき、目は半分に切り裂かれ、肩はズタズタになっていた。**ガッ!**と、それは防御しようとし、爪が盲目的な弧を描いて上がった。
だが、第三のドラゴンはより速く、より残忍だった。その黒い爪で、傷ついたドラゴンの腕をバシッ!と叩き落とし、足で首をグッと押さえつけ、**ガブリ!**と野蛮な一口で肩に食らいついた。肉が裂ける、湿った、卑猥な音が部屋に響き渡った。テセウキが数秒前に与えた切り傷が開き、ますます広がり、苦悶の深淵となった。
新しい怪物は、**ブチッ!**と犠牲者の腕を、深紅の血の噴水と共に引き千切った。
テセウキが対峙した怪物は…
ゴクリ… 最後の喘ぎと共に、もがいていた生き物の首に顎を食い込ませ、命は流れ去り始めた。その動きは遅くなり、痙攣し、そして完全に止まった。そして、顎で同類の肉を引き裂きながら…
…今、共食いされていた。
自然が、憎悪の狂乱の中で、それ自身を貪っていた。その光景の恐怖が、テセウキの呪文を解いた。ヒュッと、叫びが彼の喉を引き裂き、彼の正気の最後の断片が砕け散った。
「奴らを置いていけ!ここから出るぞ!」
彼の声が響き渡り、まだ詠唱していた二人の『樹液の子』への絶望的な命令となった。だが、遅すぎた。黒く油のような水が、飢えた速度で上昇していた。流れは、テセウキにとっては不便だったが、小さな生き物たちにとっては破壊的な奔流となり、彼らをズルズルと引きずり、バランスを保とうともがかせた。
枝が動いた。一人の『樹液の子』が、不可能なほどの敏捷さで、彼自身が呼び出した木によってスッと持ち上げられた。枝、知覚を持つ触手が、生きた蛇のようにニョロリと走り、テセウキと臆病者を包み込み、浸水した床から持ち上げた。三人はトンネルへと運ばれていった。
だが、一人が残された。
彼は忘れられたのではなかった。彼は去ることを拒否した。一人、水はすでに胴体に達し、捕食者が獲物を貪る吐き気を催す音の中で、彼の囁きは続いた。それは最後の祈り、レクイエムだった。枝は最後にもう一度彼に従った。攻撃するためではなく、守るために。
テセウキが最後に見たイメージ、トンネルの暗闇へと引きずり込まれる間に見たのは、浸水の中に立つその小さなシルエット、母なる樹を指揮する姿だった。部屋が開き、彼らが逃げるのを許した。そして、**ギイイ…**と、墓の瞼のように捻じ曲がる木の最後の呻きと共に、それは閉じた。
そして、黒い水が彼を飲み込んだ。詠唱、あの地獄における秩序の最後の火花が…ついに、**シーン…**と沈黙した。
生きた根のトンネルが、ギイイ…と深く有機的な呻き声を上げて背後で閉じた。湿った木がピシャリと封印される音。眠れる獣の喉のように通路を飲み込んでいく。最後の暗闇が、後に残された『樹液の子』の苦悶の姿を飲み込んだ。彼の犠牲は、浮遊する牢獄の中の静かなこだまとなった。次の瞬間、彼らを救出した枝が、ドサッという鈍い音と共に、木製の球体の床へと彼らを下ろした。
テセウキはガクンッと膝から崩れ落ちた。衝撃が疲れ切った骨に響き、たった今目撃した恐怖を処理するにつれて、胆汁が再び喉の奥から込み上げてきた。彼の隣で、『樹液の子』の臆病者は完全にヘナヘナと崩れ落ち、震える球体となって縮こまっていた。細い樹皮の腕が無意味な自己防衛の仕草で頭を抱え、そのヒソヒソという呻き声はほとんど聞き取れなかった。
もう一人の『樹液の子』、死の部屋から彼らを導き出した彼は、しかし、絶望的な切迫感で動いた。彼は、まだ球体の完全性を保っていた他の仲間たちの元へ走った。彼らの詠唱は今やユラユラと揺らめき、喪失の色を帯びていた。
「クシャア! タクナラ! シャカ!」その生き物の甲高い囁きはパニックに満ち、細い腕はブンブンと狂ったように上へ、今や封印されたトンネルへ、後に残してきた恐怖へと向けられた。指差し、震え、その風のような声はシューシュー、カチカチと途切れる音の奔流となり、翻訳がなくとも、歯、死、そして犠牲の鮮明な絵を描き出した。「クシャアアア! ウラナス! キリシャ!」
魔法を支えていた三人の『樹液の子』は一瞬グラッと揺らいだように見え、彼らの踊りのリズムがほとんど崩れかけた。だがその時、テセウキを横へドンッ!と突き飛ばすような衝撃と共に、球体全体がガタガタと震え、激しく揺れ始めた。外で、水中の暗闇の中で見えない古代の機構が目覚めたのだ。球体をガッチリと掴んでいた巨大な枝が、古い木の呻きと共にギシギシと後退した。主要な枝、彼らを深淵へと下ろしたそれが上昇を始め、彼らを深淵から引き上げていった。
脆く、生まれたばかりの希望は、次の瞬間に死んだ。
ミッカの剣、そのオレンジ色の刃が暗闇の中で不釣り合いな光点となっているそれにグッと寄りかかり、テセウキは立ち上がろうとした。大きく見開かれた目が、球体の枝の隙間を探る。プクプクと幻の真珠のように昇る気泡と、沼の黒く油のような水の間で、彼は見た。
水中の地獄が、旅を続けていた。
二体だけではなかった。何体もいた。黒い鱗、針のような歯、乳白色の目の渦が、外でグルグルと蠢いていた。もはや最初のドラゴンの死骸をめぐって争ってはいなかった。今や、犠牲となった『樹液の子』の引き裂かれた残骸をめぐって争っていた。テセウキは、魂を凍らせる恐怖と共に見た。小さな生き物の頭、まだ葉の頭巾に包まれたそれが、野蛮な一口でガブリ!と引き千切られ、別の方向からのバシッ!という一撃が攻撃者を襲い、血まみれの裂け目を開くと、ただポイッと捨てられたのを。
しかし、そのおぞましい獲物は、スッと潜行してきた第三の捕食者に奪われ、傷ついたドラゴンは第四の個体に襲われた。それは狩りの狂乱、液体の死の大釜であり、暗い水を血と見分けのつかない残骸のスープへと変えていた。
彼らは上昇する球体の周りを泳ぎ始めた。ユラユラと揺れる微かな光、動き、そしておそらくは内側から漏れ出す恐怖の匂いに引き寄せられて。球体はグラグラと不規則に揺れ、テセウキを左右に放り投げた。彼はほとんど立っていられず、上昇速度がグングンと異常なほど増すにつれて、吐き気が込み上げてきた。
カプセルの中では、『樹液の子ら』が努力を強めていた。詠唱は甲高く絶え間ない叫びとなり、踊りはほとんど痙攣的で、動きと音で織り成された絶望的な祈りだった。外で、テセウキは生きた枝が**バシャッ!と水を鞭打ち、近づく生き物をバン!**と叩く鈍い音を聞くことができたが、無駄だった。数が多すぎた。
そして、衝撃が来た。ゴォン!と、球体の側面に強力で直接的な一撃が加えられ、構造全体がギシッと呻いた。テセウキは木の壁にドカッ!と叩きつけられた。ドン!ドン!ドン!と、あらゆる方向からさらに多くの打撃が続いた。球体は見えない巨人たちにガタガタと揺さぶられる木の実だった。外側の枝がブンブンと猛烈にもがき、攻撃者のいくつかを追い払ったにもかかわらず、猛攻は容赦なかった。
そして、おぞましい音。木が裂ける音。バキィッ! 砕片がパラパラと内部へ飛んできた。
最後の一撃、ドゴォォン!と暴力的な衝撃と共に、ドラゴンの一体が障壁を突破した。そのおぞましい頭が球体の壁を突き破り、乳白色の目がカッと見開かれ、針のような歯が静かな唸り声と共に剥き出しになっていた。それはそこにズブリと挟まり、半分内側、半分外側、黒い水が首の周りの隙間からジャアジャアと流れ込み、気泡がそのキチン質の甲羅をプクプクと昇っていった。生き物はガシャガシャと激しくもがき、自由になろうとし、球体全体を、それをバラバラに引き裂かんばかりの狂乱で揺さぶった。
時間が止まった。恐怖は何か違うものへと変わった。冷たく、計算されたものへ。
テセウキは立ち上がった。ヨロヨロと前へ進み、ミッカの剣を両手で頭上へと振り上げた。オレンジ色の刃がピカッと脈打つように見え、わずかな光を吸収し、飢えた輝きと共にそれを返した。
「失せろォォォ!!!」
叫び声はかすれ、疲れ、恐怖、そして蓄積された絶望によって砕かれていた。彼は剣を振り下ろした。刃は、湿った、病的な音と共にドラゴンの頭蓋骨の厚いキチン質をブスリと貫き、鍔まで沈んだ。
生き物は水中で苦痛のゴボゴボという金切り声を上げ、苦悶の泡を立て、激しく後退し、頭を球体から引き抜こうとした。残された全ての力をグッと込めた一引きで、テセウキは怪物が解放されるまさにその瞬間、怪物の頭蓋骨から血まみれの刃を引き抜いた。外で、守護の枝の一つが、生きた木の稲妻のように、傷ついたドラゴンを**バシィィン!**と打ち、遠くへと吹き飛ばした。
水がドラゴンの頭が残した穴からドバドバと流れ込み、球体を浸水させようとした。だが、『樹液の子ら』の魔法はより速かった。細い枝がニョキニョキと捻じれ、閉じる手の指のように開口部の上で織り成された。球体の加圧された空気がシューッと音を立て、木が完全にピシャリと封印される前に水を押し出した。
外の液体の暗闇で、頭から血を流す傷ついたドラゴンは、その敗北を処理する時間さえほとんどなかった。逃げるか反撃する前に、周りの影が動いた。その血の匂いは、抗いがたい誘惑だった。共食いの狂乱が彼に向かい、彼は歯、爪、そして暗い血の渦の中にグルグルと消え、自らの種に貪り食われた。
球体の中で、テセウキはついに再びドサッと膝から崩れ落ちた。オレンジ色の剣はまだ震える手に固く握られ、暗い血がポタポタと生きた木の上に滴っていた。状況の恐怖、彼が犯し、目撃することを強いられた残虐行為が、彼を洗い流した。彼はそこにブルブルと震えながら、球体が絶望的な上昇を続け、深淵とその水中の悪夢を後にするのを待った。
球体の上昇は唐突だった。主要な枝が、上からの最後の絶望的な命令に応え、カタパルトの力で彼らを暗い深淵から引き上げた。水中の世界はシュンとぼやけて消え、沼の油のような表面を突き破った時のギラッとした眩しい閃光に取って代わられた。球体は空高くビュン!と打ち上げられ、制御不能に回転し、それを支えていた魔法がついにプツンと途切れた。
**バシャァァン!**と、生きた木が砕ける湿った爆発音と共に、球体は崩壊した。
テセウキは叫んだ。冷たい空気が肺を引き裂き、重力が彼を引き戻した。彼は残された八人の『樹液の子』と共に、自由落下していた。下では、母なる樹の巨大な根が彼らを迎えに昇ってくる。暗い木と苔の巨大な絡み合い。彼らが来た階段の入り口は、その広大さの中の小さな暗い穴、不可能な目標だった。
落下の恐怖は、新たな恐怖によって増幅された。今や遠くなった沼の深淵から、影がゾロゾロと昇ってきた。水棲ドラゴンたちが、狂乱に引き寄せられ、不可能な弧を描いて水から飛び出した。その濃紺の姿が、微かな光を背景に切り取られていた。
『樹液の子ら』は即座に反応した。落下中でも、詠唱が再び始まった。甲高く絶望的な囁きが虚空に響き渡る。細い枝が彼ら自身の体からニョキッと芽生え、根に、支えに手を伸ばそうとした。
だが、二人は遅すぎた。
一体のドラゴンが、捕食者の速度で、空中で『樹液の子』の一人を**ガブリ!と食らいついた。木が裂ける音が、半分で断ち切られた囁きの叫びと混じり合った。もう一体は、二体目の攻撃者の黒い黒曜石の爪にグサリ!**と串刺しにされ、その小さな体は落下が終わる前に引き裂かれた。
残された六人、ただ叫ぶことしかできない臆病者を含め、目的を達成した。緑の鞭のような生きた枝が近くの根を**ガシッ!**と掴み、**グンッ!と暴力的な衝撃で落下を止めた。一瞬も無駄にせず、『樹液の子ら』は詠唱を調整し、枝は彼らをビュン!と、階段入り口の不安定な安全へと投げ出した。テセウキはドスン!**と痛々しい音を立てて根のプラットフォームに着地し、空気が肺から押し出された。
息を整える暇さえなかった。**ガリガリ…**と木に爪が立てられる音が下から響いた。ドラゴンたちは、巨大な昆虫のような敏捷さで、すでに巨大な根を登っていた。数が多すぎた。歯と水生の怒りの上昇する潮流だった。
「シャカター! ノワ!」『樹液の子』の戦士、以前彼を救った者の叫びは、絶望的な命令だった。能力のある四人の『樹液の子』が腕を上げ、細い指が踊り、詠唱が植物の唸りとなった。応えて、根の生きた木から壁がモリモリと生えてきた。太い枝が絡み合い、槍のように長く鋭い棘で覆われ、グングンと素早く立ち上がり、プラットフォームを封鎖した。
最初のドラゴンたちが障壁に到達した。爪が足場を探ろうとしたが、棘の上をツルリと滑った。いくつかは上から登ろうとしたが、知覚を持つ枝からの暴力的な**バシン!という一撃が、彼らを深淵へと叩き落とした。他は下から串刺しにされ、壁からズブリ!**と生えてきた鋭い木の杭が、湿った吐き気を催す音と共に甲羅を貫いた。
だが、防御は不安定だった。テセウキは見ていた。ミッカの剣をギュッと手に握りしめていたが、体はブルブルと震えていた。彼の隣で、『樹液の子』の臆病者は麻痺し、根の壁にピッタリと縮こまり、隠された目は地面に固定され、詠唱することも、戦うこともできなかった。
圧力は圧倒的になった。水棲ドラゴンの潮流は容赦なく、黒い爪が生きた木の壁をガリガリと引き裂いた。裂け目が開き、守りの棘に亀裂が入り、生き物の一体が**ズザッ!と頂上から現れた。その魂のない乳白色の目が、テセウキに固定された。時間が粉々に砕け散り、その純粋な捕食者の恐怖の瞬間に凍りついたかのようだった。怪物が跳びかかる前に、巨大な枝、母なる樹自身の復讐の拳が、神々の槌のようにゴォン!と下りてきて、生き物をドカッ!**と打ち、おぞましいキチン質が砕ける音と共に暗い深淵へと叩き返した。
安堵は、テセウキを切り裂き、バランスを崩させる剃刀だった。彼はグラッとよろめき、ほんの一瞬、致命的な一瞬だけ視線を逸らした。地獄が必要としたのは、それだけだった。
二体目のドラゴンが同じ裂け目を利用し、歯と爪の濃紺の稲妻となった。それはテセウキを完全に無視し、その標的はその植物の防御の源だった。それは跳び、顎を開き、まだ絶望的な詠唱で障壁を織り成していた『樹液の子』の一人に襲いかかった。続いた音は木ではなく、生命が残忍に消し去られる音だった。バキッと病的に、卑猥に鳴り、詠唱は唐突に止まった。その『樹液の子』は半分に引き裂かれ、緑黒い樹液の血が冒涜的なグロテスクさでプラットフォームに噴出した。
喪失は即座だった。棘の壁がユラッと揺らめき、魔法は歌い手の死と共に弱まった。別の巨大なシルエットが、今や無防備な縁から現れ、乳白色の目が場面をさっと見渡し、最も弱い、恐怖に最も麻痺した標的――臆病者に固定された。
「キィィィィィィ!」囁きの叫びは、純粋な恐怖の鋭い糸となり、重い空気を切り裂いた。
ドラゴンが跳んだ。だが、アドレナリンがテセウキを彼ではない何かへと変えた。彼は動いた。本能に突き動かされたぼかし。守るための本能。ミッカの剣が**シュン!と上がり、オレンジ色の刃が降りてくる死に対する挑戦の弧を描いた。古代の鋼が深淵のキチン質と出会った。キィン! 攻撃はかろうじて逸らされ、火花が薄闇の中で踊った。しかし、衝撃の力は残忍だった。テセウキはドサッ!**と布人形のように横へ投げ飛ばされた。欲求不満のドラゴンは動物的な速度で向きを変え、そして噛みついた。
痛みは白く、目が眩むほどだった。針のような歯がテセウキの左肩を引き裂き、肉を貫き、筋肉をゴリゴリと砕いた。動物的な叫びが彼の喉から漏れた。苦悶と原始的な怒りの混合物。アドレナリンが液体の火のように彼の血管で爆発し、恐怖を焼き払い、痛みを焼き尽くし、ただ生の生存本能だけを残した。
自由な右手で、彼は剣を落とした――俺は戦士じゃない、俺は職人だ、俺はクソッタレの職人だ!――背中に固定された冷たく重いカービンを掴んだ。金属が熱に浮かされた肌に対して残酷なコントラストをなす。そして、彼はそれを向けた。銃口を押し付け、まだ顎で彼を掴んでいる怪物のキチン質の頭蓋骨に直接。
バアアアアアン!
閉じた洞窟内での爆発音は、終末的な雷鳴だった。至近距離からの発砲が、暗い血、骨の破片、そして脳漿の爆発でドラゴンの頭をグチャッ!と吹き飛ばした。怪物はビクンビクンと痙攣し、死の最後の痙攣を起こし、ズシンと横へ崩れ落ちた。巨大で不活発な重みがテセウキの上に落ち、死んだ悪臭を放つ肉の山の下に彼を閉じ込めた。
彼は巨大な死骸の下で呼吸しようともがいた。沼の悪臭が火薬と血の金属的な匂いと混じり合い、肩の痛みは意識を奪おうとする苦悶の脈動だった。『樹液の子』の臆病者が彼の元へ走り、小さな樹皮の手が絶望的にドラゴンの死骸を押した。だが、無駄だった。死の山に対する哀れな努力。彼は小さすぎ、弱すぎた。詠唱は来ず、魔法は恐怖の中で彼を見捨てていた。
壁は完全に崩壊した。
冒涜的な洪水のように、さらに多くのドラゴンがプラットフォームの縁からゾロゾロと現れた。乳白色の目が場面を貪欲に見渡した。テセウキは無力に見守り、骨を凍らせる恐怖と共に、『樹液の子』の戦士――彼を救い、命令を与えた者――が囲まれるのを見た。彼は悪魔のように戦った。生きた枝がビュンビュンと鞭打ち、鱗を引き裂き、目を潰した。だが、数が多すぎた。爪と歯の海。連携した跳躍、濃紺の怒りの渦、そして彼は飢えた捕食者の潮流の下に消えた。
続いた沈黙は、ただ肉を引き裂く湿った吐き気を催す音によって破られた。
そして、一体が止まった。一体のドラゴンが、縮こまった臆病者の前に**ヌッ…**と立ち、頭を下げ、剥き出しの歯から血と樹液が滴り、捕食者が獲物の最後の恐怖の瞬間を味わっていた。
終わりだ… その思考は囁きではなかった。テセウキの心の中の冷たい墓石だった。彼は目を閉じ、死んだドラゴンの重みの下で押し潰され、最後の暗闇を待った。
だが、来たのは噛みつきではなかった。
**ピカァァァッ!と、空から落ちてきた目が眩むほどの黄色い稲妻が洞窟の空気を切り裂いた。どんな嵐よりも明るく、暴力的だった。音ではなく純粋な運動エネルギーの雷鳴、集中された電気的な怒りの本質そのものが、槍のようにズドン!**と下りてきた。
復讐の神の槌。
臆病者を脅かしていたドラゴンの体が打たれた。それは爆発した。肉、キチン質、血、そして白熱した黄色い光の内臓の爆発が、生き物を蒸発させ、古代の根の壁に儚くおぞましい消滅の模様を描いた。
『樹液の子』は衝撃波で**ドカッ!**と後ろへ投げ飛ばされた。恐怖に満ち、混乱し、だが生きていた。テセウキは無理やり目を開け、視界は残像でぼやけていた。
まだ空中に漂う、ビリビリと音を立てるエネルギーの柱、稲妻の傷跡の中に、シルエットが浮かんでいた。小さく、ほとんど脆く、血と汚れで汚れた、ボロボロになった水色のチュニックの残骸に包まれている。短い金髪は落ちず、浮かび、パチパチと音を立て、純粋な静電気エネルギーの場に浸された液体の金の糸となった。
彼女の目は青くなかった。双子の太陽だった。二つの白熱した黄色い星が、原始的な怒り、戦士の生の絶対的な力で燃えていた。
キィィィィン! 稲妻の中から、言葉にできない音が響き渡った。甲高く、獰猛で、しかし、誰もが渇望していた希望の火花を運んでいた。
稲妻の、猛烈な嵐。
稲妻の。
ドラゴの子。




