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ドラゴの子  作者: わる
第一幕 - 第十環: 樹海
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ドラゴの学校・「第二回」

無限の白い空間に、**ポンッ!**と二つのソファとローテーブルが何もない場所から現れた。その一つに、甘く、少し緊張した笑みを浮かべた短い金髪と青い瞳の少女が座っている。彼女の隣には、彼女にしか見えない半透明な姿で、年上の彼女が荘厳な退屈さを漂わせながらため息をついていた。


ミッカ: 「こんにちは、ミッカです!」


アルマ: (霊妙な声で響き渡る)「そして、私がアルマよ!」


見える者と見えざる者、二人は見えない観客に向かって両腕を広げ、その笑顔は完璧に揃っていた。


二人: 「「第二回――ドラゴの学校へようこそ!!」」


イェーイ! 拍手喝采と紙吹雪の雨が虚空から降り注ぎ、お祭りのような騒がしさが数秒間続いた後、静かに消えた。パチパチパチパチ!!


アルマ: 「始める前に!これは特別編よ!」


ミッカ: 「はい、つまり、本編とは関係ありません!」


アルマ: 「この特別編は、作者が本編で触れる必要はないと判断したテーマや裏話について語るためのものよ!」


ミッカ: 「なので、もし興味がなければ…」


アルマ: 「次の章に進んでくれて構わないわ!」


ミッカ: 「ねえ、お姉ちゃん、読者の皆さんから第二回をすごくリクエストされたんですよね!!」


ミッカの青い瞳が、無垢な期待にキラキラと輝く。アルマはそっぽを向き、誰もいない空間を見つめた。


アルマ: 「ええとね、ミッカ…」


ミッカ: 「ですよね!ですよね!!!」


アルマ: 「まあ…その…」


ミッカ: (姉の躊躇を完全に無視して)「今日のテーマは、キエンカの大いなる島についてです!!」


アルマ: (大げさにため息をつきながら)「ミッカちゃん…まずは読者にキエンカ島が何なのか説明しないと…」


ミッカ: 「でも、お姉ちゃん。あたしたち、ずっとキエンカ島にいるじゃないですか…どうして説明が必要なんですか?」


アルマ: (立ち上がり、虚空に向かってビシッと指を突きつけ)「決まってるでしょ?作者が作中に島の名を出すのを忘れた、ただの無能だからよ!まったく…」


重苦しく、気まずい沈黙が場を支配する。


作者: 「…」


アルマ: 「ほら見たことか!何も言えないのよ!事実だからよッ!!」


ミッカ: (パンパンと手を叩いて空気を変え)「キエンカ島について語るため、今日はとってもスペシャルなゲストをお呼びしました!」


バーン! 豪華で金色の装飾が施された三つ目のソファが、ドンッという鈍い音と共に二つの間に現れた。そこには、勝利のポーズを決め、顔の横でピースサインをする長い白髪の少女が座っていた。


ダイアンヤ: 「あたしよ!ジャジャーン!!」


ミッカとアルマ: 「「アーニャちゃん!!!」」


ダイアンヤ: 「まず始めに…キエンカ島は広大で巨大な島よ――当たり前だけど――螺旋状に空へと伸びる岩々の、大きな山脈に囲まれてるの!」


ミッカ: 「この島を囲む山が、古の世界と島の残りの部分を隔てているんですね!」


ダイアンヤ: 「まあ、古の世界の外に大したものがあるわけでもないけどね…」


アルマ: 「そうでもないわ。遥か昔、古の世界を出た人々が、島の海岸線に沿って何百もの村を築いたのよ。」


ミッコ: (ソファの後ろからひょっこりと顔を出し)「その古代の人々は竜と共存してたって話だぜ!彼らと竜は、社会の中でほとんど一心同体だったとか!!」


ダイアンヤ: (ビクッとして)「あんた、どこから湧いて出たのよ!?」


アルマ: 「でも、古い物語によれば、原住民たちは自分たちが築いた王国を離れ、島の海岸全域に移住せざるを得なかった。島に残った者もいれば、大洋を渡り、大陸の社会に定住した者もいたわ。」


ミッコ: 「そんなこと知らなかったぜ!!」


ダイアンヤ: 「当たり前でしょ…あんた、あたしたちが何か教えようとすると、いっつも寝てるじゃない…」


ミッコ: 「いや、俺は…」


ミッカ: 「そして、大陸の社会に入っていった人々が、最初のドラゴの子だったんです!」


アルマ: 「よくできました、ミッカちゃん!」


ミッカ: 「えへへっ! ✩」


テセウキ: (いつの間にか現れた本棚にさりげなく寄りかかりながら)「だが、残った者たちが、必ずしも友好的だったわけじゃない。」


ダイアンヤ: 「あんたは今度どこから現れたのよ!?」


テセウキ: 「何世紀にもわたって、これらの村々は互いに争っていた。中には小さな帝国になったものさえある。」


カイン: (ソファの隣にスッと静かに現れ)「しかし、それも大陸の民、すなわち空の民が現れたことで全てが変わった…」


ダイアンヤ: (目に涙をウルウルと浮かべ)「あんたまで!?あたしの出番を奪わないでよッ!!!」(T T)


カイン: 「アルマ、君はなんて美し―」


アルマ: (彼を完全に無視して)「というわけで、空の民の到来によって!」


カイン: 「アルマ、私は―」


アルマ: 「やって来た王国の中には、同盟を結んだものもあれば、これらの民の上に力で君臨したものもいた!」


カイン: 「ア―」


ゴゴゴゴ… 白い床にマグマの渦が出現し、ブワッ!と開くと、驚くカインをズブズブと飲み込んでいった。


アルマ: 「ありがとう、レグルス…」


ダイアンヤ: (ローテーブルの上にピョンッと飛び乗り)「でも、空の王国の一つがあたしたちと同盟を結んだの!それが蒼天王国よ!!何年も前に、あたしのじい様とカイウナの村で同盟を結んだの!あたしが生まれた村!あたしがアルカナの魔道士になる術を学んだ場所!!!」


ミッコ: 「ダイアンヤ姉貴…」


ダイアンヤ: 「あたしたちは孤立してるのよ!他の村からすっごく離れてるの!このあたし様が完璧に描いた地図を見なさいよ!!!!」


空中に、下手くそに描かれた地図のPNG画像がポワッと浮かび上がった。隅には、過剰に美化されキラキラしたダイアンヤの顔が描かれている。


ダイアンヤ: 「あそこのバッテン印が見える!?あたしの完璧で美しい顔の絵の隣よ!!そこよ!!あたしたちと他の村との距離が分かるでしょ!!!分か―」


ゴゴゴゴ… 彼女の足元で再びマグマのポータルが開き、甲高い悲鳴と共に彼女も飲み込まれていった。


全員: 「…」


テセウキ: (咳払いをして)「ええと、海岸に移住した人々についてだが、彼らは実は遊牧民だった。」


ミッコ: 「だから、古の世界の至る所に、たくさんの村や町、それに大きな廃城まであるんだ!!」


作者: (深淵から響く声で)「よく言った、ミッコ君。いつも儂を誇らしい気持ちにさせてくれる!」


アルマ: 「ご機嫌取り…」


作者: 「次の章で、必ずやお前を殺す!」


アルマ: 「もう死んでるわよ、バカ。」


ミッカ: 「カイウナに関しては、村は独立しています!他の村との交易で成り立っているんです!」


アルマ: 「古の世界の土地の探査と偵察に加えてね!」


テセウキ: 「それに、キエンカ全土で唯一、ドラゴの子がいるのも俺たちの村だ!」


空いていたソファに、腕を組み、いつもの不機嫌な顔をしたレグルスが現れた。


レグルス: 「俺か…」


ミッカ: 「元気ないですね、レグルスくん?」


レグルス: 「いや、俺は…」


アルマとテセウキ: (意地悪な笑みを浮かべて身を乗り出し)「「ふーーん?」」


レグルス: 「うるさい!俺の力は母さんから受け継いだものだ。マグマのドラゴの子は、常にカイウナの柱の一つだった。守護者としてだけでなく、村の建設にも協力してきた。」


ミッコ: 「村の古い家は、マグマの力を使って建てられたんだよな?」


レグルス: 「ああ!だが、俺じゃない…俺はまだ何も建てていない。ほとんどは、ずっと前に俺の祖父たちが建てたものだ。」


テセウキ: 「それに、『大騎士』の長の役目もあるんだろう?」


レグルス: 「まあな…マグマの竜の魔法の相続人は代々、『大騎士』のリーダーを務めてきた…だから、母さんがそうだったように、俺もそうなるべきなんだろう。」


ミッカ: 「すごくかっこいいですね、レグルスくん!」


レグルス: (顔を真っ赤にして)「お、お前がそう思うなら!!!」


アルマ: (パンッ!と締めくくるように手を叩き)「というわけで、第二回はこれにて終了!」


テセウキ: 「え、いきなり?締めもなく?ただカット―」


ダイアンヤ: (床のマグマ溜まりからボコッと這い出し、煤まみれで)「いやよ!まだよ!!!まだあたしの見せ場が!!!!あたしが主役なんだから!!!!終わらせないで!!!!!」


全員(カメラに向かって): 「「「「「バイバーイ!!!」」」」」


ダイアンヤ: 「あたしを見なさーーーーい!!!!!」

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