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【連載開始3ヶ月でPV10万達成!&第三部開始!】病弱だった俺が謎の師匠に拾われたら、いつの間にか最強になっていたらしい(略称:病俺)  作者: 佐藤 峰樹 (さとう みねぎ)
第一部【王都クーデター編】

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第二十四話:セレスの眠れない夜と、父の報せ【前編】

「……それでギデオン殿は、いつ頃こちらへ?」

 イザベルが尋ねると、ルナは首を振った。

「さあ? お父様は今頃、王都中の知り合い屋敷を駆け回っているはず。どこにいるかまでは分かりません。でも、わたくしの『羽』と『小鳥』は優秀です。必ず見つけ出してくれますわ」


 その後はイザベルの提案で全員で仮眠をとることになった。部屋にあった二つのベッドは、イザベルがひとつを、セレスとルナが一緒にひとつのベッドを使うことになった。


「久しぶりだね」

 ベッドに潜り込んだルナがセレスに嬉しそうに話しかける。一方のセレスは、「そうね」とつれなく答えた。疲れていたのは無論だが、一連の出来事の後で話す気がしなかったのだ。ルナの軽口はもちろんだったが、それ以上に次々に難題をこなし、作戦を成功させた彼女に驚き、認めたくないことだが羨望と嫉妬を感じていた。


「お姉様と一緒に寝られて嬉しい!」

 無邪気にそう言うルナは子供の頃を思い出させたが、それが却ってセレスを混乱させた。

 そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、ルナは小さく笑う。


「ねぇ、お姉様とライル様、どうなっているのですか?」

「ど、どうって!? ライル様は私の剣の師です」

「それだけなのですかぁ?」

 ルナの金色の瞳に好奇心と悪戯好きの光が輝く。

「もちろんです。あなたがどんな下世話なことを考えているのか知りませんが、そんなことを考えるのはライル様に失礼ですし、迷惑です」

「あら、わたくしが下世話ですか? じゃあお姉様はどうなんですか? ライル様のことをどう思っているんですか?」

 セレスがぐっと言葉に詰まる。そこに隣のベッドで横になっているイザベルから声がかかる。

「お二人とも。休める時に休んでください」

「は〜い」

 とルナが答えると、「おやすみなさい、お姉様」と言うとくるりとセレスに背中を向けた。程なく彼女の寝息が聞こえてきた。


 一方のセレスは眠れなかった。頭がぐちゃぐちゃにかき回されたようで、ダリウス商会に侵入したことや、その際のルナの手際の良さ、イザベルの働き、遡ってライルにつけられた稽古など、色々な思い出が滅茶苦茶な順番で現れては消えていく。(結局、私はついて行っただけで、何も役に立てなかった)そう思うと自分が情けなかった。

 何度目かのため息をついたところで、ぽすっと顔の前に何かが落ちる音がした。


「この間の眠れる薬です。飲んで寝てください」

 イザベルが投げてよこしたのだ。

 しばらく目の前の薬を見ていたセレスだったが、手に取ると口に入れた。(考えてもしょうがない。大事なのはいまできることをやること。いま私にできるのは寝ることだ)そう思いこくんと飲み込んだ。

 ほどなくセレスが寝息を立て始めた。


 ベッドの中でイザベルはセレスの寝息を聞くと微笑んだ。彼女にしては珍しく優しい笑みだった。

お読みいただき、ありがとうございました。

「面白い」「続きが読みたい」と少しでも思っていただけましたら、ブックマークや、ページ下の【★★★★★】から評価をいただけますと、大変励みになります。


次回は本日の23時の更新を予定しております。またお会いできると嬉しいです。

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