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【連載開始3ヶ月でPV10万達成!&第三部開始!】病弱だった俺が謎の師匠に拾われたら、いつの間にか最強になっていたらしい(略称:病俺)  作者: 佐藤 峰樹 (さとう みねぎ)
第二部【王都陰謀編】

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第八十三話:呪いの発動とメルルの驚き【後編】

 私がその疑問を口にするよりも先に、地上から声が上がった。


「……ラ、ライル様、な、なぜ刀を、止められたのですか?」


 それは先ほどの老人のものだった。どうやら後から現れた男に応急処置をされたのだろう、失った左腕からの出血は止まり、右腕でなんとか上半身を起こしていた。血は止まっても、流れた血が還ってくることもなく、土気色の顔には深い皺が刻まれている。

 ライルと呼ばれた男が、老人を見ると小さく首を振った。


「分かりません」

「なっ!?」


 老人が絶句する。


「ただ、その女を打てば殿下が危ないと思ったのです」


 その言葉に驚いたのは私だった。


「なぜ、お前にそれが分かった!?」


 そう言うと私は少し高度を落として男に近づいた。男の視線が私へと移り、その黒い瞳がじっと私を見据える。奇妙な違和感がまた湧いてくる。男に見られていることは感じるのだが、私が男を見ていることがうまく感じられないのだ。どうしてもこの男と同じ世界に存在していることをうまく認知することができない。立ち昇る紫煙しえんを掴もうとするかのように、手応えなく、掴もうとする指先をスルリと抜けていく。これでは攻撃魔法を当てることはもちろん、心理誘導や操作もできない。こんなことは初めてだった。


(あるいはガロン様と同じように、私では認識できないほどの魔力の持ち主なのか? )


 そんな疑問が湧いてくる。あまりにも持っている魔力の桁が違うと、相手の魔力そのものを認知することすら難しくなることがある。そう考えれば攻撃魔法が当たるイメージができないことも分かる。しかし、ガロン様と同程度の魔力を持つ男がいるとは信じられない……。


「答えろ。なぜそう思ったのだ?」


 内心の葛藤を抑えながら私は男に質問を繰り返す。そうだ、この場で主導権を握っているのは私だ。アレクシウスへの〈命脈同調〉が完成しているのだ! そう思うと、この男が登場してから、妙に熱くなりがちだった心が急速に冷えていくのを感じる。

 しかし、男の答えが私の心臓の温度を再び上げた。


「いや、……なんとなく」


 男はそう答えると、


「……違うのか?」


 と私に聞いてきたのだ!


(なんだこれは!? 何かの罠なのか?)


 この男は別に私が〈命脈同調〉を完成させたとは知らずに、 ただ「斬ればアレクシウスが死ぬ」という結果だけを直感で感じてあの瞬間、刀を引いたというのか? そんなことがあり得るのか!? 頭が混乱する。なんと答えれば良いのかが分からなかった。「そうだ」と答えるのも、「違う」と答えるのもおかしな気がした。そもそもなぜ私が質問されている立場になっているのかも分からなかった。

 一瞬、自分が混乱の魔法をかけられている可能性も考えたが、その気配もなかった。

 そこでようやく気づいた。


 この男は、本当にあの瞬間、直感で刀を引き、いまその理由を本気で私に聞いているのだ!


 その結論に達した時、私は慄然とした。

 つまりこの男はいまのこの状況を危機だと感じていないのだ! いつでもこの状況を打破できるという自信、いやそんな都合の良い思い込みではない。もっと根本的な存在の仕方。これから起こるであろうことへの恐怖や、犯してしまった過去への後悔などはなく、いまこの瞬間の中にだけ存在しているのだ。


(そんな男にかける魔法があるのか?)


 気がつくと体の毛が逆立っていた。それはガロン様の魔力強化を受けてから久しく感じていない人としての生理反応、鳥肌だった。


 私の目の前にいるのは怪物だった。

お読みいただき、ありがとうございました。


著者も驚愕の展開です(笑)。連載終了後、「ライル被害者の会」ができるかも。


連載開始3ヶ月の節目まであと5日。「ブックマーク100件」「10万PV」は達成できるのか!? もし「続きが気になる!」「応援してやるよ」と思っていただけましたら、ぜひ、Xマスプレゼント(今日までしか使えない奴)にブックマーク登録や広告下の【☆☆☆☆☆】評価をポチッとしていただけると嬉しいです。


次回は明日の12時前後の更新を予定しております。またお会いできると嬉しいです。

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