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反映ーreflectionー  作者: たかさば


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91/135

せせらぎ

川はだいたい好きです(*´-`)


こちらの作品は、カクヨムさんにて連載中の「オカルトレベル(低)の物語をどうぞ。」にも掲載しています。

ああ、ずいぶん、遠くまで来たもんだ。


都会の喧騒に嫌気がさして、僕は一人、自然あふれる山にやってきた。


ここには、耳障りな音がない。

ここには、心臓に悪い声がしない。

ここには、何も、ない。


ただ日の光を遮る大木があり、ただ大木の根が行くてを阻んでいるだけだ。


ただひたすらに、前に進む。

ただひたすらに、周りを見ずに。

ただひたすらに、考えることをやめて。


聞こえない場所はここにあった。

聞きたくないものは聞かなくていい。

聞かない幸せに浸る、僕。


聞こえてくるのは、僕のやや乱暴な足音と、木々のざわめき…。


おや。


木々のざわめきの合間に、心地のいい音が聞こえた気がする。



こぽ、こぽ…サラ…サラ…



この樹海には、川がないと聞いているのだが。

僕の耳に聞こえてきたのは、穏やかなせせらぎの音。


一際大きな木の根っこを越えて、せせらぎの聞こえる方へと足を運ぶ。


…小さな、水路があった。

この水はいったいどこからきているのだろう?

久しく湧くことのなかった好奇心が顔を出した。


水路のもとを探して、水の流れをさかのぼる。


枯草や小枝、木の根っこをかき分けて、足元に注意を払いつつ進むと、だんだん水路に幅が出てきた。


これは、もう、川だな。


ぽちゃ、ポチャ…ザー、ザー…


心地よい川の流れの音を聞きながら、川べりを進む。


あんなに木の根に阻まれていた僕の足が、小石を踏むようになる。

川べりには、砂利があるものだからね。


じゃり、じゃり・・・


歩いていくにつれ、川幅はずいぶん広くなっていく。

…こんなに広い川があったとは、知らなかった。


広い川には、せせらぎの音はなく、ただ静寂があった。


しばらく、僕はその自然の雄大さに、見惚れていたが。


「乗りますか?」


川べりに、渡し船が流れてきた。

船頭が、僕に声をかけてきたので。


僕は。


「お願いします。」


渡し船に乗り込んで。



あの世へと、旅立った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 91/91 ・心臓に悪い声、ああ、リアルで聞いた事あるんですね… [気になる点] 自殺の名所かな? [一言] ぽちゃぽちゃ
2020/06/27 11:37 退会済み
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