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反映ーreflectionー  作者: たかさば


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111/135

醍醐味

相当うまいらしい。



こちらの作品は、カクヨムさんにて連載中の「オカルトレベル(低)の物語をどうぞ。」にも掲載しています。

「人生の醍醐味とはいかに。」


「いい人生を生きることかな。」


「具体的に?」


「自分が満足するようなことを成す。」


「もう少し具体的に。」


「自分の欲しいものを手に入れることに尽力する日々を送り、手に入れたらそれを堪能する。」


「自由に手を伸ばせる、そこに醍醐味がある。」

「自由に手を伸ばせない、そこに醍醐味がある。」


「ほしいと願ってすぐに手に入ることに醍醐味がある。」

「ほしいと願ってすぐに手に入らないことに醍醐味がある。」


「自ら掴むことに醍醐味がある。」


「ただ与えられることを願うものも多いがね。」


「与えられた事象をただ受け入れるだけの人生には、醍醐味はないと?」


「自分の人生を、自分以外の人の施しで生きていくのは、少し醍醐味に欠けるような気がしてならない。」


「与えられたものを受け入れた時点で、その人が自分の人生の一部として自ら掴んだとは考えられないか。」


「そういう理屈をこねて自分の人生を語る事もまた、醍醐味なのだ。」


「不満のない人生だったと自賛できるのが一番いいのかな。」


「そもそも、自賛の必要はないと思うのだよ。」


「自分を誇れるように生きるべきなのでは?」


「文句の多い人生だったと嘆くことさえ、贅沢なことだと思うがね。」


「贅沢でしょうか?」


「人生の醍醐味は、如何に人生を生き尽くすかにあるのでは。」


「逆に…生き尽くさないのもありだとは思わないか。」


「人生なのに、できる事をせず、何も行動しないという事ですか。」


「人生の醍醐味の究極の姿は、そこにあるような気がしてならない。」


「味わえるはずのものを味わうことなく終えるという事かね。」


「可能性を握りつぶして、無駄にすることの、この上ない贅沢感。」


「つまり君は。」


「ああ、僕は生まれないという選択をする。」


「それじゃ、何も語れない。」


「語る必要がない選択をしたまでだ。」


「本来語ることができる事象をあえて手を伸ばさず放棄する、素晴らしいことだ。」


「「「・・・。」」」


「…じゃ、私はこれで。」

「私も行ってきます、醍醐味、語りたいですから。」

「手は、伸ばしてみたいと願う。」


ああ、今日もいい表情を見ることができた。

この時こそが、僕の至福。


僕の人生の醍醐味、それはこの時。

生まれる前の、ひと時。


僕の自論をぶちかまし、不快な表情を引き出す、このひと時。


生まれる必要なんかない。

ここで十分、楽しめる。


手を伸ばすことなど必要ない。

与えてもらう必要などない。


生まれなくても十分楽しめるじゃないか。


「やあやあ、あなたですね、生まれずに弁解ひけらかして人の魂の門出におかしな影を落としているのは。」

「ずいぶんな物言いですね、失礼じゃありませんか。」


ずいぶんフレンドリーな兄ちゃんが僕の前に現れた。邪魔だな、僕は今至福の時にどっぷり浸かっていて忙しいんだ。


「ここはね、生まれることを前提とした魂の待合室なんです、はっきり言ってあんた邪魔なんですよねえ。」

「いずれ生まれますから…。」


ここで十分間抜け面を拝んだ後、生まれても…いやいや、めんどくさいな。


「いずれって、そんなこと言ってるうちに人類滅亡しちゃいますよ。なので、あなたを削除します。」

「そんな簡単に!!僕はここにいることに意義を見出して…!!」


「生まれることに意義があるんです、それを反故にする魂はもはや魂ではなく、害悪です。」

「僕は悪なんかじゃない!喜びを得るためにここにいるんだ!」


「存在するだけで自己満足してる生まれない魂なんて無意味なんですよね、ま、あなた感情を得ようともしないくらいなんですから、別に平気でしょ?回収しますね。」

「うわ!!やめろ!!僕は消えたくない!!ここで!!」


僕は、悪魔のような兄ちゃんに吸い込まれ始めて…!!!



「よかったですね、最後に恐怖という感情を味わうことができたじゃないですか。」



「生まれることを望むことすらしない貴重な魂…まあ、こういうのを味わうのも、乙なもんだ。」



「これが、醍醐味って、やつかもね。」



ごっくん。



僕を飲み下す、音がして…。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 111/111 ・ネットでよくある討論に見えます。うーんこの迷惑な自論よ [一言] どっちもどっちですねw
2020/07/17 11:59 退会済み
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