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アイアンナイツ①

「アイアンナイツ……?」


 聞いたことあるような、ないような……。


「知らないのあなた?!」


 シズネは信じられないと言った様子で声を張り上げる。

 しかし、すぐさま口を抑え、キョロキョロと周りを見る。


 正面に見えるアイアンナイツの連中には気付かれなかったようだ。


「……本当に知らないの?」

「本当、彼、マジモンの初心者だから。そんなので驚いてたらキリがないわよ」

「探索者でそんなことってあるんだ……」

「変わってるわよね」


 ユキは自分でそうはいいつつも、やはり少しあきれながら俺を見る。


 どうやらアイアンナイツという組織は、探索者であればだれもが知っているもののようだ。


 正直、ダンジョン内のモンスターやスキルの情報ならいざ知らず、人間の組織なんて覚えたところで意味ないしな。


 ユキは、「一応覚えておきなさい」と言いながら、ちょいちょいと近くに俺を引き寄せる。

 

「いい? ”アイアンナイツ”っていうのは、ダンジョン黎明期から存在する老舗のトップクランよ。他のクランと一線を画すのは、その企業のような組織構造。攻略最前線を突き進む部隊や、探索部隊、ハクスラ部隊、配信部隊なんてのもあるくらい、とにかく馬鹿でかい組織なわけ」

「攻略のために組織運営してるってことか……面白いな!」

「そういうこと。攻略にはお金が掛かるからね、いろんなところから資金調達しなきゃいけないのよ。だから、当然アイアンナイツの構成メンバーも桁違い! 現在は300人くらいは居るって噂よ」

「300……!?」


 思ってもみなかった数字に、俺は思わず数字を反芻する。


 300人……それだけいれば、もう何人もすれ違っていそうだ。


「結構外で勧誘してるんだけど、受けなかった?」

「あー……どうだったかな……そんなことしてる場合じゃなかったから、スルーしてたかも」

「してそう……。ゲーマーだもんね。まあとにかく、アイアンナイツは数がとにかくすごいの、人海戦術って訳。それに、もちろん彼らはもちろん八王についても追ってる。このダンジョンの神話だからね。もちろん、あんたもマークされてるはずよ」

「え、なんでだよ」

「私の配信に映ったからよ。何かしらの情報があるかもって接触してくるはずよ」

「ユキは……?」

「私は簡単に話聞かれたけど、そんなにマークされてないわ。私ってほら、途中離脱したし。もちろん、テンリミのことは言ってないわよ」


 そうか、ユキは俺より先にゲートに戻ったから、傍から見たら何も知らなくてもおかしくはないのか。


 すると、ユキは付け加えるように言う。


「まあ……”神の尖兵”に比べたら可愛いものよ。あいつら、本当に手段を択ばないで有名だから」

「神の尖兵?」


 ユキは頷く。


「新進気鋭の最強集団よ。少数精鋭で、かなり過激なこともしてるみたい。彼らの狙いも八王。アイアンナイツも有名だけど、それよりも今八王の最初の一角を落とすのは彼らじゃないかって言われてる。ただ、本当に過激らしいから……近づかない様にね」

「ありがとう、気を付けるよ。まあ、向こうから来たらどうしようもないけどな」

「それはまあ……その時はそのときね」

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