轍(わだち)
果てしなく、果てしなく続く、一本道
寄り添って、寄り添い合って、歩いてきた
片方の車輪は、紛れもなくボク
片方の車輪は、たくさんの想い出
時にはでこぼこ道も、時にはぬかるんだ道も
押したり引っ張ったりして、やっと踏み越えてきたんだ
振り返れば、足元まで続いてきた轍
どこから始まったのか覚えていない
前を見れば、待ち構えている苦難の道のり
どこまで続くのかわかるはずもない
いつまでも、いつまでも続く、荒れた道
手を取って、手を取り合って、歩いてきた
片方の車輪は、これまでのボクで
片方の車輪は、これまでのキミ
時にはふさがれた道や、時には切り裂かれた道
遠回りや後戻りして、やっと乗り越えてきたんだ
下を見れば、石や草や小さな虫たちが
それぞれの意味をボクらに伝えている
上を見れば、風や雲や自由な鳥たちが
それぞれの意義をボクらに教えている
これからも、これからも続く、ボクらの道
頑張って、頑張り合って、歩いてゆく
片方の車輪は、これからのボクで
片方の車輪は、これからのキミ
時には道が無い道や、時には何も見えない道
作ったり灯したりして、ずっと一緒に歩いていこう
思い返せば、今にも壊れそうな空の下も
ボクら二人ずっと奇跡起こしてきた
思いつづれば、今にも崩れそうな空の下も
ボクら二人きっと奇跡起こせるんだ
轍を刻んで
轍を続けて
轍を伸ばして
轍を消さないで
振り返れば、足元まで続いてきた轍
どこから始まったのか覚えていない
前を見れば、ボクらを待ってる未来への道
どこまでも続くことを空に祈って
(-simplex.269g.net-、2005年5月14日公開)
二人旅の途中ですね。
旅人をイメージするならば、道に出た轍は馬車ということでしょう。
どこに向かうかわからない成り行き旅であっても、お互いにお互いがいれば、怖いものはない。
いつか到達するであろう二人の安住の地を目指して、今日も歩んでいきます。
今ではあまり轍を見ることがなくなりました。
私が子どもの頃は、まだ舗装がままならない箇所が多かったので、自動車の轍が当たり前でした。




