労働者階級の一日
今日も目覚めは最悪だった
うるさいベルが叩き起こして
ボクは一つ大きなあくび
昨日の疲れは今日も持ち越し
冴えない顔に寝ぼけたまなこ
寝癖頭も髪型のうち
無精ヒゲでは貫禄つかず
歯磨き済ませて顔を洗った
またユウウツな一日が始まるよ
がんじがらめにボクを縛り付けて
働き者のアリやハチみたいには
ボクはとてもなれそうにないみたい
朝飯なんか食べたくないよ
もっとたっぷり寝ていたいんだ
それでも無理やり身体に詰めて
今日も一日働き尽くめ
天をも貫く塔を作って
神様みたいになりたいらしい
お陰でボクは骨身を削って
女王のために建ててゆくんだ
ムチを振るった怖い兵士が立って
頭ごなしにボクを怒鳴りつけたよ
訳もわからずわめき散らすだけで
頭の中は何も考えちゃいない
夕日が落ちて今日が終わるよ
だけれどボクはまだまだ働く
星を眺めることも忘れて
夜風を涼む余裕もないよ
ようやくボクは解放されて
背中まるめて寝床にゆくよ
故郷に置いた家族にだけは
惨めな姿は見せたくないよ
家路は遥か遠すぎて見えない
家族の声も忘れてしまいそう
一攫千金夢見て飛び出した
だけれどそれは本当に夢の夢
それでもボクは明日も働くんだよ
いつか終わりがやってくると信じて
ボクの自由は眠りについたときだけ
いつか本当に自由になれるだろうか?
(-simplex.269g.net-、2005年6月22公開)
これは二十代の前半、以前働いていた会社でのことをイメージして書きました。
最低な上司、最低な先輩、何より会社そのものも最低。
その最低な上司は去年引退したいみたいだけど、会社の役員に名前を連ねていて、すごい嫌な気分になりました。
今のその会社はどんな社風になったかわかりませんが、当時、心が病んでも根性なしで済まされました。
辞める際にもっと上の上司から怒鳴られて、「会社の損失なんだぞ!」とか「この会社より上の会社に入れるわけがないっ!」と罵声を浴びせられたのを今でも覚えています。
損失だったら、もっと親身になって相談に乗って欲しかったな。
あと、今の自分は同じ業界の会社にいるけれど、前の会社など眼中にない会社にいることだけは確か。
それだけは誇れます。




