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-from simplex-  作者: @篩獅師(ふるいしし/shi_shi)
【夏の唄】

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Summer Tale

 夏という名の、ある特別な世界

 どこからか舞い降りて

 気がつけば、何もかも包み込んで

 ひと夏の物語を始めていた


 孤独と引き換えに、手に入れた自由

 がむしゃらに生きたティーンエイジ、再び

 失われる未来に打ちのめされても

 ただ、一歩、二歩と時計が進んでいくだけ

 

 月夜は、幻想の魔法

 にじんでも、ゆがんでも、輝きを躍らせて

 この胸を刺す闇さえも

 戯れの色に染めていく 


 夏という名の、ある奇妙な現実

 何気ない白日夢

 意味なんて、難しいことじゃないさ

 気まぐれに通り過ぎてく風のよう


 大人になることで、失った気持ち

 退屈に生きるミドルエイジ、様々

 置き忘れた過去など埋もれゆく我が身

 けど、一つ、二つと抗うように掘り起こす


 夜風に、紛れ込む秋が

 押しやって、追いやって、侘しさを香らせる

 目の前に何も無くとも

 憧れは終われぬ若き日


 終わりと、塞ぎこむのなら

 いつまでも、どこまでも、彷徨う方がいいさ

 届かない手紙のように

 それもまた夏の物語

 

 (-simplex.269g.net-、2012年8月26日公開)

 これは十年前の今頃ですね。

 目標も何もない感じで、ただ淡々と毎日を過ごしている様子でした。

 今もあまり変わらないかも知れませんが。

 

 若い頃はあんなに楽しみだった夏休み。

 興味を持てることが多かったのだろうと思います。

 今はただの消化試合のようです。

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