砂の唄
崩れた壁に、背中もたれて
空を見上げて、ボクは思うよ
何だか全てが嘘のようだね
何だか全てが終わりのようだね
瞳を閉じて、耳を澄ませば
砂の唄声、ボクに届くよ
何だかボクを慰めてくれて
何だかボクを癒してくれて
座り込んだままのボクは
壊れた人形みたいで
誰かが治してくれるまで
ずっと空を見上げていた
砂の唄は、風と共にやってきて
ボクの身体、優しく包んでくれる
それはまるで、すっかり忘れてしまった
懐かしい、子守唄のようだよね
重たい足に、力を込めて
また歩き出す、この荒野へと
何だか全てがホントのようだね
何だか全てが始まるようだね
大地の上に、また踏み出すよ
砂の唄声、耳に連れて
何だかボクに力をくれて
何だかボクに望みをくれて
刻んだボクの足跡は
いつか消えて無くなって
やがて生命が芽を出して
草原になれるのかもね
砂の唄は、風と共に去って行く
ボクの頬を、優しくそっと撫でながら
それはまるで、すっかり失くしてしまった
懐かしい、母の温もりみたいだね
砂の唄は、もうどこか遠くへ消えて
ボクの耳には、旋律だけが残されて
それはまるで、どこかに忘れてしまった
とても大事な、想い出みたいなんだね
(-simplex.269g.net-、2005年5月9日公開)
これもまた、この時期にたがわず、寂しい感じの内容だなと思います。
「慰め」とか「癒し」とか、そんな言葉を使っているから、まだ相当へこんでいた時期でしょうね。
まあ、前年にショッキングな出来事がありましたし。
最後に「とても大事な想い出」という言葉が出てきますが、まさにそのことを表しています。
またその頃は貧乏な暮らしでしたし、もちろん恋人もいません(今もいませんが)。
色んなことでネガティブすぎる時間を過ごしていましたけれど、だからこそ、書けたような歌詞作品がたくさんあります。




