Migrant(渡り鳥)
何だかその瞬間、キミのことを思い出した
通り過ぎてゆく、風のような優しさもね
時は過ぎたけど、年老いるにはまだ早い
キミのような声、空耳なんかじゃないんだ
見上げた空に、翼ひろげて、通り過ぎる渡り鳥
いつか、憧れたこと、あったけれど
いだけなかった、今とは違う自分の姿
変わってしまうことが、いつも怖かったんだ
キミはもう、ボクのことを忘れてしまって
どこか知らない遠くの国に、いるのかも知れない
あの日、儚げな笑顔を浮かべていたキミだけど
今はどんな笑顔で、この空の下、生きているのだろう?
それでもあの瞬間、キミの言葉に傷ついた
これが別れだと、ボクにはわかっていたから
時が戻るなら、あの日のキミにもう一度
確かめたいんだ、何を探しに行くのかと
風に逆らい、雲を追い越し、果てを目指す渡り鳥
いつも、前を見ていた、キミのように見える
後を追いかけ、キミのところへたどり着きたい
思わず走り出した、叶わぬと知りながら
ボクはそう、怖がるだけの弱虫だった
ここを離れることが出来ずに、しがみつくだけの
だけど、悔しさはボクに勇気を授けてくれた
どこを見てもいない、ここにいるのは、踏み出してゆくボクさ
追いつけないと、わかっているんだ、羽ばたき続ける渡り鳥
だから、生まれ変わるよ、キミに追いつくため
自分の翼、きっと見つけて飛んでみせよう
そして見せにいくよ、ボクのこの翼を
キミはもう、ボクのことを忘れてしまって
どこか知らない遠くの国に、いるのかも知れない
あの日、儚げな笑顔を浮かべていたキミだけど
今はどんな笑顔で、この空の下、生きているのだろう?
(-simplex.269g.net-、2009年12月13日公開)
袂をわかち、一人は二度と戻ることは無い未知なる旅路へと。
自分はここのとどまり、一生を終えると。
人生の中で、運命の分かれ道は幾つか存在します。
十代の頃はそんな認識はなかったのですけれど、年齢を重ねていくと、要所要所で色々とあったことに気づかされました。
タイトルは「Migrant(渡り鳥)」ですが、カッコ内の表現は本来自分のためのもの。
単語の意味を忘れないようにと、そんな注記を書いただけなのですが、ブログに載せたときもそのまま載せていました。
そのまま正式なタイトルになってしまったので、今回もそのままです。




