今日は再び来ぬものなり / ことだま
「今日は再び来ぬものなり」
今日は再び来ぬものなり
明日はやがて来るものなり
昨日は既に消えたものなり
満ち足りた毎日を送ることも
物足りない毎日を送ることも
全て己の気の持ちよう次第で
誰かが正しく導いてくれる訳でもなく
誰かが間違った道へ誘いこむ訳でもない
意識の底に存在する己の望みと
目の前に存在する誘惑の欲望
秤にかけては釣り合いと不釣合いを繰り返し
減らすこと或いは増やすことで均衡を保つ
今日は再び来ぬものなり
明日はやがて来るものなり
昨日は既に消えたものなり
今日を生きる道しるべは己のみしかない
(-simplex.269g.net-、2005年4月10日公開)
* * *
「ことだま」
色んな言葉が世の中にはたくさん溢れていて
それでいて掴めそうで掴めなかったりする
言葉を見つけては言葉を失くして
言葉を失くしては言葉を見つけて
その繰り返しと積み重ねで
言葉の本当の意味を知っていくのかも知れない
いつもいつもじゃないけれど
ある日、あるとき、ある場所で
たった一つの言葉から
たった一つの小さなカケラの言葉から
何か想いが届けられたり
何か想いを伝えられたりする
言い出せなかった言葉や
言い忘れていた言葉
あるいは聞き逃してしまった言葉や
あるいは忘れてしまった言葉
どれもみんな大切な意味を持って
また新しい言葉を生み出そうとしている
そんな魂を持った言葉たち
いつまでも終わることなく
いつまでも埋もれることなく
いつまでも消えることなく
いつまでも変わることなく
生命のごとく輝き続けて
(-simplex.269g.net-、2005年4月16日公開)




