The picture book of us
木漏れ日の揺れるベンチに
二人きり、寄り添いあった
木陰をくぐる風、頬に優しく
私の黒髪も、ふわり踊った
あなたは私の絵本を開いて
私はあなたの絵本を開くの
時が過ぎるのも忘れるくらいに
空想世界の旅人になって
少し早い、秋の訪れ感じ
消えゆく夏に、愛しさを想うの
草を跳ねる、バッタの仕草を目に
空を飛べない、切なさを重ねて
時々「ふっ」と、あなたが見せる笑顔
今どこの場面に、心、奪われているのかな?
このままずっと、終わらないで欲しいよ
二人だけの時間、そして、絵本の中の世界
お揃いの麦わら帽子
探したの、夏が来る前
隣町のお店、覗いてみたよ
ショーウィンドウの中、キラリ光った
私はあなたにこっそりささやき
あなたは私にこっそり返した
二人の気持ちを確かめてみたの
絵本に出てくる帽子みたいだね?
手をつないで、歩き出す私たち
麦わら帽子、自慢げに揺らして
この瞬間、いつまでも忘れない
絵本の中に、迷い込んだような
どんな時でも、心はそばにいよう
そう約束したよ、だって、大切なことだから
言葉をつむぐ、輝くような日々は
二人の物語、それは、いつまでも続いてく
時々「ふっ」と、二人で見せる笑顔
きっと同じ場面に、心、奪われているんだね?
このままずっと、終わることなんてない
二人だけの世界、そして、絵本の中の時間
(-simplex.269g.net-、2016年2月12日公開)




