WITCH IN SILVER
なあ、白銀の魔女よ
お前は今、誰といるんだ? どの空の下に
もう、とっくの昔に
オレのそばから、去っていったんだ、別れも告げずに
あれからどれほど、時間が流れ
どこまで来たのか、わかっちゃいない
お前の姿が、浮かんで消える
残像ばかりに、うんざりしながら
お前のことを、今でもオレは、探し続けている
凍えた心、暖めてくれ、他に何もいらない
お前が与えた、優しさだけは、今も感じている
結局それは、逃れられない、束縛だったんだ
オレと出会ったことなんて、一瞬の出来事なんだろう?
そうであっても構わない、過ごした日々を忘れなければ
冷たい風が吹くたびに、お前のことを思い出すんだ
氷のような冷たさが、怖いくらいにお前らしくて
なあ、白銀の魔女よ
お前はいつ、眠りにつくんだ、どの星の下で
ただ、生きた証に
別れと悲しみ、心に刻んで、涙も見せずに
冷めた目つきで、いつも見ていた
時間を越えた、過去と未来
だけどお前は、瞳を閉じて
何を感じた? 狭間の現在で
お前にだけは、オレの素顔を、さらけ出していたんだ
オレの心が、歪んでいても、お前は触れてくれた
お前が呟く、言葉でさえも、愛しく感じられた
命を捨てても、惜しくは無かった、そんなお前にだけは
お前がオレに教えてくれた、夢を今でも探しているのさ
見つけることは叶わぬ願い、例え運命がそうだとしても
天空高くゆく雲に、祈りを込めて歩き続ける
いつかお前の運命と、再びそこで出会えるように
過ぎ行くままの時代の中、この身が滅び消えてゆくまで
お前の面影追いかけて、例え悲劇が待っていても
お前が歩いたこの道の、先には何が待っているのか?
わからぬままの旅路でも、この瞬間を生きてゆくのさ
(-simplex.269g.net-、2007年2月11公開)
前回公開した作品と同じ世界観です。
主人公である白銀の魔女と、出会い、別れた男の言葉をイメージしています。




