epitaph
それはキミの生きた証
それはキミの愛した証
刻み込まれた、エピタフの言葉
ようやくボクは、辿り着いたよ
まるで、キミの叫びのように
ボクの胸を突き刺そうとする
だけど、流れ続けてゆく
混沌とした静寂の時
幾多の苦難のその果てで
キミはいったい、何を見つけたのだろう?
命の滅びのその先に
キミはいったい、何を見つけるのだろう?
エピタフに触れると
キミがボクに語りかけてくる
見えないけれども
キミは今そこにいるんだね
万能なる、我らが創造主よ
せめて、安らかなる眠りをこの友に
万能なる、我らが創造主よ
せめて、この世に生まれ変われる日まで
キミのエピタフに別れを告げて
ボクはまた戻ってゆく
キミのエピタフは風に吹かれて
たたずみ続けるのだろう
朽ちて果てるその日まで
崩れて消えるその日まで
風の中に消えてゆく、時の中に葬られてゆく
終わりを告げるその日まで
(-simplex.269g.net-、2006年4月8公開)
旅の果てにたどり着いた先に知った友の死の真実。
物語の一場面を書いたような作品です。
人生、生きていれば必ず遭遇するのは誰かの死。
学生時代までは意外と少ないのですが、それは関わる人間が少ないからでしょう。
これまで身近なところから、仕事まで、自分に関わる人たちの死を随分経験しました。
病死、事故死、突然死、大往生。
どれも寂しいと思いつつ、やっぱり一番つらかったのは家族の病死でした。
他人事だった死が現実に降りかかり、それが業を背負ったように重たいものだと実感しました。




