waiting
国境を越え、やってくるキミ
どうやら少し、早過ぎたらしい
駅のベンチで、くつろぎながら
流れる雲を、のんびり見ている
思えばどれほど、時は過ぎたのか?
年を重ねて、大人になった
子供の頃の、面影なんて
すっかり失くして、カケラも無いよ
だけれどボクや、キミの気持ちは
きっとあの日と、変わらないはず
弾けるような、キミの笑顔が
ボクは今でも、忘れられない
懐かしい声、早く聴きたくて、胸が高鳴るよ
優しい瞳、あの日のような、輝きだろうか?
キミの姿を、思い浮かべて、待ち続けるよ
あの日と同じ、ボクらを包んだ、風に吹かれて、
汽車に揺られて、やってくるキミ
どうやら少し、遅れたらしい
鳴らない汽笛を、ボクは待ちわびて
早く来いよと、口笛吹いた
思えばどれほど、キミを待ったか?
月日が過ぎて、世界も変わった
遠い昔に、キミは旅立ち
そんな世界を、見つめてきたね
だけれどキミや、ボクの想いは
今でもきっと、同じ色だね
互いの夢を、語り合ったこと
ボクは今でも、覚えているよ
懐かしい顔、早く見たくて、心が躍るよ
何気ない仕草、そんなことでも、楽しみだから
キミの想い出、思い出して、待っているんだ
あの日のように、ボクらが過ごした、この空の下で
気まぐれな空、陽射しが隠れて
悪戯に雨を、降らす雨雲
この雨がやがて、通り過ぎる頃
キミがようやく、着くのだろうか?
駅舎の中で、一息ついて
タバコの煙に、苛立ち感じて
待ち人を待つ、彼らの想い
きっとそれぞれの、色合いなんだろう
再びキミと、出会えることを
手を握り締め、約束したね
きっと来ること、ボクは信じて
雨が止むのを、ここで待っている
雨が上がって、水溜りにも、陽射しが差した
遠くの空に、虹が架かって、線路が潜るよ
キミを届ける、汽車の汽笛が、近付いてくる
あの日と違って、喜びがボクを、駆り立てているよ
汽車はゆっくり、ホームについて、長旅を終えた
旅人たちは、別れを告げて、汽車を降り立つよ
キミの姿と、笑顔が見えて、ボクは駆け出した
そしてもう一度、キミの両手を、握り締めたんだ
(-simplex.269g.net-、2005年7月29公開)




