都会の顔
あわてふためく、日々に埋もれて
這い出すことも、忘れてしまった
決められたこと、また繰り返し
身を削りながら、生き延びていく
手にするものは、偽物ばかりで
偽物こそが、真の世の中
誰かを騙し、陥れること
自分ひとりが、生き残るため
行き交う人の、波に飲まれて
溺れて消えてく、人が増えてく
手を伸ばしても、誰も気づかず
都会はいつも、無関心顔
空虚ばかりで、満たされないこと
いつしか誰もが、受け入れている
叶える夢すら、思いも付かずに
何事も無い、日々だけ望む
笑うことすら、あり得ないこと
怒ることすら、忘れてしまい
悲しむことすら、覚えていない
喜ぶことなど、夢のまた夢
さまよう人の、渦に飲まれて
抜け出そうとも、引きずり込まれ
叫びをあげても、誰も気づかず
都会はいつも、無関心顔
戸惑う人の、嘆きに飲まれ
潰れて死んでく、人が増えてく
生きてくことすら、考えられない
都会はいつも、無関心顔
(-simplex.269g.net-、2005年6月15日公開)




