夜明け
風が冷たく、ボクの身体を凍えさせ
潮騒の声、寄せては返す波の中
締め付けられた胸、刺す、孤独
聖なる瞬間を、待つ、緊張
時の流れは、苦しみにしかならない
だがそれこそが、生きていることの証
終わらない夜は、一度たりとも無く
迎えない朝は、一度たりとも無い
暗闇が終わる、星が消えていく
遙かな故郷に、帰るのだろう
蒼く染まりゆく、広大な空に
朝陽が高く、昇り始めた
海は揺らいで、朱に染まる雲
始まりのときに、祈りを込めて
新たな朝を、迎える喜び
ボクは感謝し、勇気をもらう
さあ、今日も生きてゆこう
だから、今日も生き延びてゆこう
今、昇りくる太陽よ、聞こえるか?
どうか、ボクを見守っていて欲しい
この世界の万物に、全ての生命に
その恩恵が、平等であるように
願いを込めて、ボクは祈る
一日の終わりに、あなたに感謝したいから
(-simplex.269g.net-、2005年12月10公開)
旅の途中、野宿で一夜を明かした旅人が、夜明け前の時間を物思いにふけりながら、自分以外の誰もいないこの場所で、静かにたたずんでいる。
そんな様子を描いています。
夜明けの時間というのは、何だかとても神聖な感じがして、もし過ごすのならば、自分だけで過ごしたいと考えています。
やはり邪魔をされたくないなと。
若い頃は初日の出とか徹夜して見たりもしましたけれど、今では無理です。
眠気の方が勝ります。




