かくれんぼ
もういいかい?
…まあだだよ…
いつまでたっても
そればかり繰り返して
待ちくたびれたぼく
いつだって、そうだった
いったいきみは
どこに隠れようとしているんだい?
もういいかい?
…まあだだよ…
ぼくの前から
逃げ出すように駆け出して
軽くステップ踏みながら
雑木林の中に消えていったきみ
振り返らずに…
もういいかい?
…まあだだよ…
からかうように聞こえてくる口笛と
悪戯っぽい無邪気な笑い声とが
ぼくをまどわせて
ぼくを焦らせて
もういいかい?
…まあだだよ…
いつもぼくが鬼で、きみが隠れるんだ
それは今でも変わらないね
もういいかい?
…まあだだよ…
いつまでたっても
そればかり繰り返して
いい加減、飽きてきた頃
決まってきみの声が聞こえてくる
もういいかい?
…まあだだよ…
って
楽しそうにね
そうして
きみはぼくの前から消えて
どこかに隠れてしまうんだ
絶対に見つけられないどこかにね
きっと、目と鼻の先ぐらいに
お互いに近い存在なんだろうけど
ぼくはきみの足跡すら
まだ見つけられないみたい
きっと見つけるよ
まだ
きみを見つけられないぼくだけれど
(-simplex.269g.net-、2005年4月1日公開)




