Going Back to the 20th Century
誰もが憧れた二十一世紀
今、その真っ最中さ
ようやく、知的生命体らしい文明になって
神さまに少し近づいたって、みんなは浮かれている
世界が待っていた二十一世紀
でも、何が変わったんだ?
それとも、これがこの時代のやり方だって言うのか?
期待はずれも良いところだって、がっかりしているんだ
命の重さは、相変わらず軽く扱われて
愚か者たちは、増えてゆく一方できりが無い
真実だけじゃ、世の中の歯車は動かない
虚実なことこそ、今を造り出す大切なもの
なあ、二十世紀が懐かしすぎるんだ
あの頃はそんな風に、感じることなんて無かった
今になって、やっとそのことに気付いたんだ
あの時代が、相応しい時代だったってことにさ
希望に満ちていた二十一世紀
けど、あるのは何だって?
こいつは、まるで絶望そのものと言うんじゃないか?
人の心は歪みに捕らわれ、狂気が生まれてばかり
かつて映画に見た二十一世紀
もし、そんな世界ならば
今頃、絶望とは無縁の世界になっていた
そんなものは夢のまた夢で、騙されていただけさ
人間同士の、距離は離ればなれになるだけで
心を閉ざした、殻の身体だけが歩いている
愛し愛される、そんな言葉や行動さえも
形骸化された、一時的な娯楽にしか過ぎない
なあ、二十世紀へと戻りたいんだよ
オレたちが生れ落ちた、希望に満ちたあの時代へ
この先には、何があるのかわからないから
恐ろしくて、とても平和に暮らせそうに無いんだ
なあ、二十世紀が呼んでいるみたいさ
昼も夜も聞こえてくる、叫びのようなそんな声が
怯えている、こんな世界で死にたくないから
あの時代に、全てを捨てでも帰りたいんだ
(-simplex.269g.net-、2007年3月10日公開)




