MEMORIES
潮騒が、遠く、風に運ばれて
誰かのいる、窓辺へと、きっと届くんだね
坂道を、揺れる、木漏れ日の中を
一歩一歩、あの日へと、帰ってゆくように
キミと一緒に、過ごした、海の見える公園
今もあの日の、面影、残して待っていたよ
違うところは、ここには、もうキミはいないんだ
ずっと昔に、ボクらは、サヨナラをしたからね
帰り道、遠回りして、二人、この場所にやってきた
二人だけの時間、とても大切で、とても愛しくて
ベンチに座って、触れ合う温もりに包まれたのは
たくさんの言葉と、たくさんの笑顔、そしてたくさんの恋
教会の、鐘が、祝福を告げて
恋人たちが、未来へと、歩き始めた頃
キミは今、どこに、いるのだろうかと
一つ一つ、雲に乗せ、想いを飛ばしている
きっとキミなら、誰かと、幸せになっている
そんな願いを、抱くけど、悔しさもあるんだ
そしてボクなら、今でも、ここで暮らしているよ
帰るはずのない、キミのこと、待っているのかもね
アルバムに、今も輝く、二人、少年と少女だった
キミといればいつも、とても楽しくて、とても嬉しくて
日が暮れるまで、言葉をつむぎ気持ちを投げかけた
わかりあうために、傷つけないために、そして好きでいるために
想い出は、心の中に、そっと、留めておくのがいい
キミといられるそこは、とても尊くて、とても儚くて
いつかボクらは、きっともう一度出会えるだろう
そんな日を願い、そんな日を祈り、そして今を生きてゆく
(-simplex.269g.net-、2006年12月3公開)
今日は「3.11」。大地震から12年。早いものと思います。
この作品が選ばれたのは、偶然です。
順番に沿って載せていますが、何か運命的なものを感じます。




