表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/17

16:元愉快な仲間発見!

 メイダンと買い物を続けながら、私は考えていた。

 攻撃力、防御力、持久力、加速力、色々回復。

 カクテルにすると効果が現れるお酒は、この世界特有で、私が作るものにしか効果が宿らない。不思議な存在だ。

 

 というか、全種類飲んでしまえば、私、最強じゃない? 

 魔法が使えなくても、やっていけるんじゃない? 

 私、かなりお酒強いし。

 よし、もしもの時に備えて、お酒を持ち歩こう!


 とはいえ、今のところ、店を出て行く気はない。お金が要るので。

 カクテルでの身体強化後に強盗をしてしまえば早いけれど、普通に暮らしている獣人を襲うのは嫌だ。

 これ以上、罪状を増やしたくないし。

 

 買い物の途中、メイダンが店の人に冒険者が多いわけを尋ねた。

 店員さんは快く答えてくれる。


「ああ、魔物のラッシュだよ。大量に雑魚が湧いているらしい。少し前に、入り口付近に生息していた強いやつが倒されたからかな。それとも、深部の魔物が倒されたからかな。雑魚なら普通の冒険者でも魔石を稼ぎやすいから、こうして集まっているんだ」


 それって、ディヤさんとバニさんの言っていた大サソリじゃ……

 または、メイダンが深い階層で退治した大物かも……

 チラリと横を見ると、銀色の狼獣人は素知らぬ顔をしている。

 

「余所の人間も、いつも以上に多く来ている。セレーニのような『獣人蔑視』の奴らもいるから気をつけな」

「ああ、そうするよ」

 

 買い物を終えた私たちは、そのまま帰路につこうとしたが……

 路地にさしかかったところで悲鳴が聞こえた。思わず、メイダンと顔を見合わせる。

 シュルツは比較的治安の良い場所だ。なにかあったのだろうか。

 

 慌てて角を曲がり、声の響く方へ駆け出すと、メイダンもついてきた。

 一台の大きな幌馬車が止まっている。

 

 なぜか、窓が檻状になっているんですけど……これってやばいやつですか?

 獣人狩りとかですか? 奴隷輸送中ですか!?

 

 ちらりとメイダンを確認すると、ものすごく怖い表情を浮かべていた。

 うん、許せないよね。

 

「お前はそこにいろ」

 

 私を待機させたまま、馬車に向かって進んでいくメイダン。しかし……


「……っ!?」


 彼は驚いて足を止めた。それもそのはず。

 御者台に乗っていたのは、人間ではなく獣人だったのだから。

 そして、荷台には……手枷足枷をつけられた人間がいる。

 獣人が人間を捕まえて閉じ込めているということで間違いない。


「あ、あれ?」


 檻の中に、見覚えのある人物が座っている。


「あれって……エルシーの八股相手の一人……王太子殿下の側近一号では?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ