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ノイズ

「え？今お前なんて言った？」

「だから最近柚木に厄介なストーカーができたんだよ。」

「じゃあ、なおさら今は柚木を一人にしちゃいけないんじゃないか？」

今、隆介は俺といるため必然的に柚木は一人でいることになってしまう。

ストーカーがいる今柚木を一人にしちゃだめなんじゃないか？

「ああ。そこらへんは大丈夫だ。今日は家にいるらしいからな。」

「それならよかったが、犯人に心当たりとかはないのか？」

ここがわかってなかったらさすがに手の打ちようがないかもしれない。

「ッッ」

頭が痛い。

何だかこんなことが昔にもあったような・・・

いや、今はそんなことを考えている場合じゃない。

「？どうした。大丈夫か？」

「ああ。すまない。いきなり頭痛がしたもんでな。」

「お前大丈夫か？」

本当に心配そうに顔を覗いてくる隆介。

「ああ。それよりも今は柚木のことだ。」

「そうだな。前柚木に聞いたが心当たりはあまりないらしい。」

「本当か？些細なことでもいいぞ？例えば告白を断ったとか、そんなしょうもない理由でもやる人間はやるぞ？」

「そこまでは聞いてないが。」

「あとは、犯人の特徴とかないのか？身長とか性別とか。」

「性別は男じゃないのか？」

腕を組みながら考えこむ隆介

「いや、大学では結構モテてるからな？お前。」

「ん？俺がモテてることと柚木のストーカーになんの関係があるんだ？」

何を言っているんだ？といった様子で首をかしげる。

「お前わかってないな、柚木がいなくなればお前とお近づきになれるかもしれないと考える奴もいるかもしれない。可能性は全て考えるべきだ。」

あれ？俺ストーカーとかに会ったこともないのになんでこんなに詳しい話ができてるんだろ？

まあ、いっか。

「なるほど。確かにそれなら特徴とかがわかってないと特定は難しい。」

「それとわかってるだろうが今この時点で実害がないのならいくら警察に行こうが対応はしてもらえないと思ったほうがいいだろうな。」

警察はストーカーなどの被害に関しては実害が出てから出ないと動かないことが多い

実際…………………………………の時も。

ん？

誰のことだ？

俺にはこんなストーカー関係の事件にかかわったことは無いはずなんだが？

思い出そうとするが頭にノイズのようなものが掛かって思い出すことができない。

「そうなのか。てか、なんで一はこんなに詳しいんだ？」

「いや、それが俺にもわからないんだ。こういう経験はしたことがないはずなんだがな。」

一は違和感を感じながらも言う。

「そうか？まあいい。こんなに詳しい奴が近くにいてくれると俺も心強い。」

「じゃあ、まずはこれからどうするかの対策を考えるか。」

「ああ、よろしく頼む。それから迷惑をかけてすまない。」

そういって頭を下げる隆介

「何言ってんだ。親友と幼馴染が困ってるんだ。迷惑だなんて思わないさ。」

「ありがとな。」

「じゃあ、まずは移動するか。こんな街中でする話でもないし、どうする？俺の部屋に行ってもいいし隆介の家でもお前がいいなら全然大丈夫だが？」

俺がそういうと隆介は腕を組みながら考えこみやがて言葉を紡ぐ。

「じゃあ、俺の家でもいいか？ちょうど柚木がいるからな。」

「わかった。とりあえず隆介の家に向かうとするか。」

ストーカーの話を聞いていると何故だか頭が痛くなりノイズが走ったように何かの光景が見えることだけが気がかりだが今は柚木のことに集中しよう。

俺はひそかにそんなことを考えながら隆介についていくのだった。