過去回帰
ここからは少し重いかもです。
貴様の願いはそれか?
私が願いを悲願の木に祈っているといきなり脳内にそんな声が響き渡る。
「え、」
悲願の木をもう一度見ると、その木の根元に小さな少女とも少年ともとれる子供が立っていた。
「ん?聞こえなかったのか?貴様の願いはそれだけか?」
今度は、はっきりと子供が声を出す。
「私の願いですか?」
「おお、聞こえておったか。して、お前の願いはなんじゃ?望みを一つかなえてやろう。」
「なんで、ですか?」
「おぬしはいつもこの木の下で願っておった。健気にほば毎日。陰野一という男のことを。だからおぬしにチャンスを与えたのだ。」
「そうですか。」
いきなりなんなんだろう?ドッキリにしてもたちが悪い。
ドッキリじゃなかったとしても非現実的だ。
でも、可能性があるならば。
「私の願いは、一君を生き返らせてください。」
「それは無理じゃ。」
この子殴ってしまおうか、、、、、、
本気でこんなことを考えてしまった。
「何でもとはわし言ってないし、その願いの替えになるような事ならできる。」
「それは何ですか?」
こんなふざけた人でもチャンスがあるのなら私はすがるしかない。
「君を過去に送る。そして君の望む「陰野一が生きている世界」が確定した瞬間に今の世界に戻る。これくらいならできる。」
「わかりました。それで結構です。」
本当にできるんだ!
3年間も夢見てた。
一君を生き返らせる可能性が、、、、、、
「わかった。ではせいぜい頑張るのじゃ。」
そして体から平衡感覚がなくなる。そして体から平衡感覚がなくなる。
視界が白く塗りあがる。
体から徐々に視覚、聴覚。触覚、嗅覚が無くなってくる。
もう何も感じない。
気づけば私は悲願の木の下に立っていた。
時刻は、スマホが狂ってる。
圏外表記になってるし。
とりあえず太陽の位置的に午前ではありそうだ。
でも、今がどれくらい昔なのかはわからない。
だから、とりあえずカレンダーなどを探すことにする。
カレンダーを確認するとそこには、2010年3月24日と書いてあった。
つまり、今からちょうど13年前である。
私と一君が7歳の時である。
だが、確か一君の話によると彼は昔は今とは違う所に住んでいたらしい。
場所は一君に聞いてるけど、会えるかどうかは別の問題だ。
頑張らないと。
私は電車に乗り一君の故郷にたどり着いた。
一君は子供のころはよく公園で遊んでいたそうだ。
昔のころの写真は一君に見せてもらったので見ればわかるはずだ。
今日は日曜日だったので一君は公園にいるはずだ。
捜してみるしかない。
そうして私は行動を開始した。
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