ファーストコンタクト
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扉を開けると入学当初は月風の金魚のフンのようについて回っていた女子が三人とその女子たちに囲まれるような形で月風は座っていた。
「あんたがそんな奴だとは思わなかった!!」
一人の女子がそういって月風をけっている…………
あまりにも理不尽だと思った。
自分が勝手に月風はこういう人間だと定義づけたあげく、噂を鵜呑みにして勝手に失望して…………
本当にどうしようもない人間だ。
「パパ活とかしてて恥ずかしくないの?もう学校にこないでよ!」
そんなことを言いながら暴力をふるっている。
もう月風は抵抗するそぶりすら見せずにいた。
完全に心が折れてしまったのだろう。
気持ちはわからなくはないがそれは、悪手だろう…………
人間は自分に反抗してこない人間には調子に乗りどんどんその行動はエスカレートしてしまう。
ここにいるのが俺ではなくラブコメの主人公なのだとしたら、真っ先に助けに行っただろう。
だが、俺は面倒ごとに関わるのはごめんだと思い踵を返して屋上を去ろうとしたとき、
聞こえてしまったのだ
「たすけて、、、」
そんなか細く小さな声が俺の鼓膜を打ってしまったのだ。
ああ、本当にめんどくさい
ただ、俺は思い出していた。
自分が何もしていないのにひどい仕打ちを受ける気持ちを、
俺の時は手を差し伸べてくれる奴が一人もいなかった。
俺もどうせ一人だ
それならば周りからいなくなる人間なんていない。
いつもどうりだ。
ならば、俺が手を差し伸べよう。
「あのー虐めですかー?」
俺のその問いかけに女子三人は動揺しているように見えた
「そ、そんなことしてねーし」
「そうだよ、ね」
「わ、私たち帰るカラー」
動揺しすぎではないだろうか?
俺は女子たちが屋上から出ていくのを見てから、その少女に話しかけた。
「大丈夫?」
「え、あ、その…………」
何か怖がらせるよなことをしただろうか?
「ど、どうして助けてくれたんですか」
「いや、とおりかかったから?」
実は見て見ぬふりをしようと思ったことは伏せておく
「いきなりみんなが私の前からいなくなって、無視されるようになって、変な噂がながれてて
ぅぅっ、否定しても誰も信じてくれなくて、暴力まで振るわれて、私何もしていないのにぃ」
彼女は泣いていた。
当然だそんなことがあればだれでも泣きたくなるだろう。
俺も経験したことがあるからわかる。
誰にも信用されないということはとてもつらいことだ。
「とりあえず立てる?保健室に行こう。」
「どこかけがしているかもしれない。」
あんなに殴られたり蹴られたりしたらどこか怪我をしていてもおかしくない
そう思って聞いたのだが、
「それは大丈夫です。ありがとうございます。」
大丈夫ならいいのだが、、、
「それでは、助けてくれてありがとうございました。」
そういって彼女は屋上をあとにする。
それを見送った俺は一人呟くのだった。
「俺の平穏な青春生活、、、終わった。」




