二人の本音と新しい始まり
この話は二人の始まりの話です。
まだまだ続くので楽しんでいってください。
「久しぶりだね。一君」
玄関を開けた先には月風がたっていた。
「そうだな。じゃあ、俺は行くから。」
そういって歩いだそうとした瞬間
「まってよ!!なんで一人で行こうとするの?」
月風はそういって俺の手をつかんだ。
「なんでって、月風は俺のことが嫌いだろうからさ、少しでも一緒にいたら君の気分を害してしまうかもしれないだろ?」
「そんなことない!!私は一君のことを嫌ってなんかいないよ!!それに、その手に持ってる封筒は何なの?」
そういって月風は俺の封筒を見つめる。
「これは退学届けだよ」
「なんで退学するの」
月風は泣きそうな声でそう俺に問い掛ける。
「俺は君にこれ以上嫌われたくないんだ。」
「私は嫌ってなんかいな」
「嘘だよ!!あの俺の姿を見て僕から離れていかなかったのは隆介と柚木だけなんだ!!」
「他のみんなはすぐに俺から離れていった。だから、俺はこれ以上君に嫌われないために君の前から消えるんだ!!」
俺は叫んでいた。
「じゃあ、私が三人目になる!!この際だからはっきり言うね。私が一人になったときに話しかけてくれたのは一君しかいなかった。一緒に勉強会をしたのもその時私が男の人に絡まれているときに助けてくれたのも、私に友達を作ってくれたのも、この前の少し怖い一君もみんな全部私を助けてくれた…………一君なの。そんな人を嫌いになるわけない!!」
月風は叫んでいて、だからこそそれが本気だということが伝ってくる。
「でも、おれは、」
「そんなに信用できないならこれからもずっと一緒にいてよ!!私が今の言葉が本当だって証明するから!!」
彼女は笑顔でそういった。
やめてほしいものだ。こんなに笑顔で言われたら信用したくなってしまう。
「わかった。一緒にいる。だから君のほうから離れないでくれ。」
「プロポーズ?」
彼女は笑いながらそう言った。
「ちっ、違う!そんな意味で言ったんじゃない。」
「ふふ、わかってるよ。じゃあこれからよろしくね?一君!」
「ああ。よろしく。月風」
俺がそういうと月風は不満そうな顔で言う。
「これからはずっと一緒にいるって言ったのにいつまでも苗字で呼ぶの?」
彼女はそんなことを言ってくる。
「わかったよ。涼葉。これでいいか?」
「うん!改めてよろしくね。一君。」
「よろしく!涼葉!」
そういって二人は握手を交わすのだった。
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