【作品紹介011】ストレプトマイシンをください〜新選組のお医者さん〜
最近ファンタジーばかり紹介していたわけですが、「小説家になろう」はファンタジー以外にも傑作や秀作が埋もれています。
特に文芸とSFは読み手が少ないので、とても埋もれやすいジャンルと言えるでしょう。
とはいえ文芸ですと、例えば去年純文学ジャンルでも話題になった『余命3000字』は書籍化後、20万部を超える売れ行きになってたり、『ライブ・オブ・アイドル』のように私を含む複数のスコッパーから絶大な支持を得ていたりと、なかなかに侮れないジャンルなのです。
今回はそんな文芸の中からサブジャンル「歴史」で良い作品を発見しました。
■この作品をどうやって見つけたのか?
文芸ジャンルで10万字以上、2021年連載開始の条件で探して見つけた作品です。
特に新選組というワードに惹かれました。
なろうの歴史ジャンルは、信長をはじめとして戦国時代にタイムスリップしたり転生する作品は多いのですが、幕末作品というのは少ないと感じます。
新選組関係も思いのほか少なく、さらに良作となると今のところ見つけられていない状況でした。
■見つけた時のステータスは?
ブクマ600、評価1100ぐらいです。歴史ジャンルでこの数字はかなり人気を集めている作品と言えるものの、総合ランキングに入った経験は無さそうでした。
■何話まで読み進めたのか?
最新話ですので、39部ということになります。
■この作品のどこが自分に刺さったのか?
ドラマにもなった名作漫画『JIN-仁-』が私は大好きでして、その作品は江戸時代の東京に突然タイムスリップした医師が、時に歴史上の有名人と交流しながら歴史改変と葛藤しながら、その知識と技術で人助けをしていくヒューマンドラマとなっています。
この作品はそのコンセプトによく似た作品で、幕末の京都という舞台設定に違いがあります。そしてそこで活躍している新選組に拾われ医師として活躍していくというお話。その時点で期待値が上がってしまいます。
ただ、あくまでコンセプトが似ているだけで、登場する医学知識は作者のオリジナルです。しかも専門性がありつつ説明的に感じることも無く、自然にストーリーの流れの中で紹介され消費されていく点に作者の技量を感じます。
また、単なる知識チートモノではなくて、その知識を使うことによる主人公の葛藤や、周囲の人々の主人公に対する見立ての変化、幕末の京都の雰囲気も余すことなくかつ冗長になり過ぎないボリュームで描かれており、読んでるうちに自ずと作品へ引き込まれてしまいます。
■どんな人に読んで欲しいか?
新選組が登場する歴史モノで良作をお求めの人には超オススメです。また漫画『JIN-仁-』が好きな人も言うに及ばず。
また転生転移系は好きだけど、登場人物の掘り下げがイマイチな作品はつまらないという目の肥えた人にも刺さると思います。
■ざっくり評価
9.0
■テンプレ要素
知識チート 4/10
■作品成分
成り上がり 20%
恋愛 20%
歴史改変 10%
ヒューマンドラマ 50%
■更新頻度
月3回程度
■URL
https://book1.adouzi.eu.org/N7899HA/
最近気づいたのですが、紹介エッセイで長いタイトルの作品紹介してもあまり読んでもらえない!?




